
ビットコインが10月の史上最高値12.6万ドルから約28%も急落し、12月初旬には一時8.3万ドル台まで下落。投資家心理が冷え込む中、あの"BTC最強信者"ストラテジー社(旧マイクロストラテジー)が7月以来となる大規模購入を敢行しました。その額、なんと約9.6億ドル。さらに衝撃的なのは、マイケル・セイラー会長が各国政府に提案した「ビットコイン銀行構想」──年利10%、20兆〜50兆ドル規模の金融革命を本気で狙っています。 一方で大口投資家による売却も止まらず、市場は「買い vs 売り」の駆け引き真っ最中。果たしてこの押し目買いは「底入れのサイン」なのか、それとも「落ちるナイフを掴んだ」だけなのか?明日発表のFOMC政策決定を前に、ストラテジー社の最新動向からBTC相場の未来を読み解きます。
本記事で分かること
- ストラテジー社の9.6億ドルBTC購入の詳細と狙い
- セイラー会長が提案する「年利10%ビットコイン銀行」の衝撃
- 明日10日発表のFOMC、BTC相場への影響は?

ストラテジー社、7月以来の大規模購入──9.6億ドルで10,624BTC取得

押し目を狙い撃ち、平均取得単価は約9.06万ドル
2025年12月8日、世界最大のビットコイン保有企業であるストラテジー社(NASDAQ: MSTR、旧マイクロストラテジー)が、衝撃的な発表を行いました。12月1日から7日の1週間で、10,624BTCを約9億6,270万ドルで追加購入したというのです。
購入単価は1BTC当たり約9万615ドル。これは同期間のBTC平均価格とほぼ一致しており、ストラテジー社が「下落局面を見計らって押し目買いを敢行した」ことを示しています。
この購入規模は、同社にとって2025年7月以来となる第4四半期最大の購入額。11月の購入ペースを大きく上回り、マイケル・セイラー会長の「ビットコイン信仰」が依然として揺るがないことを市場に示しました。
総保有量は660,624 BTC、時価評価額は約594億ドル
今回の購入により、ストラテジー社のビットコイン総保有量は660,624 BTCに到達しました。現在の価格(約9.0万ドル)で計算すると、その時価評価額は約594億ドルに達します。
購入資金は、同社が発行するSTRD優先株の売却益で調達。株式発行によるBTC購入は約1カ月ぶりで、資本市場を活用したビットコイン蓄積戦略が健在であることを証明しました。
なお、同社はSEC(米証券取引委員会)への8-K報告書で正式に購入を開示しており、透明性の高い情報公開を維持しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 今回の購入BTC数 | 10,624 BTC |
| 購入金額 | 約9億6,270万ドル |
| 平均取得単価 | 約9万615ドル |
| 総保有量 | 660,624 BTC |
| 時価評価額(9万ドル換算) | 約594億ドル |
| 総投資額 | 約493億ドル |
| 平均取得単価(全体) | 約7万4,696ドル |
| 購入資金の調達方法 | STRD優先株の売却 |
| 情報開示 | SEC 8-K報告書 |
市場の「ねじれ」──大口は売り、個人は買い増しの異常事態
クジラ(大口投資家)は12月に47,584BTCを買い戻し
ストラテジー社の購入は、より大きな市場トレンドの一部です。ブロックチェーン分析企業Santiment社のデータによると、10〜10,000BTCを保有する大口投資家(通称「クジラ」)は、10月12日から11月末にかけて約113,070 BTCを売却していました。しかし12月に入ると一転、47,584 BTCを純買い付けする動きを見せています。
この急激な方向転換は、過去にも市場の底入れシグナルとなったケースがあります。実際、2025年3月にもクジラが大規模買い付けを行い、その後BTCは7.6万ドルから10月の12.6万ドルまで急騰しました。
クジラ(Whale)とは?
仮想通貨市場で「クジラ」とは、大量のビットコインを保有する個人や機関投資家を指します。一般的には1,000 BTC以上(約9,000万ドル相当)を保有する主体を指しますが、分析会社によっては10 BTC以上〜10,000 BTC以下といった幅広い定義を使うこともあります。クジラの動向は価格に大きな影響を与えるため、市場参加者は常に注視しています。
⚠️注意点: この数値はSantiment社のオンチェーン分析に基づくもので、「どのウォレット群を大口と定義するか」は分析会社によって異なります。したがって傾向(大口の純買い戻し)は確認できますが、数値の絶対的な正確性には留意が必要です。
一方、小口投資家は「買い増し」を継続
興味深いのは、10 BTC未満の小口投資家が10月から一貫して買い増しを続けていることです。大口が売却していた時期も、小口投資家は価格下落を「買いチャンス」と捉えて積極的に購入していました。
この「大口 vs 小口」の対立構図は、市場の見通しが分かれていることを示しています。
機関投資家の動きは慎重──ETF資金流出が続く
しかし、すべての機関投資家が強気というわけではありません。世界最大のビットコイン現物ETFを運用するBlackRock(ブラックロック)のiシェアーズ・ビットコインETF(IBIT)は、11月に約23.4億ドルの資金流出を記録しました。これは同ETFにとって月間ベースで最大規模の流出です。
Bloomberg等の報道によると、ビットコイン価格が8.3万ドルまで下落した12月1日前後には、取引所への大量BTC入金(売却準備を示唆)も観測されており、一部の大口投資家が慎重姿勢を強めていることがうかがえます。
| 投資家層 | 10-11月の動き | 12月の動き |
|---|---|---|
| クジラ(10-10,000BTC) | 約113,070 BTC売却 | 約47,584 BTC買い戻し(Santiment) |
| 小口(10 BTC未満) | 継続的に買い増し | 継続的に買い増し |
| ETF(BlackRock IBIT等) | 11月に約23.4億ドル流出 | 慎重姿勢継続 |
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ストラテジー社の「ビットコイン銀行構想」が市場に波紋

セイラー会長、国家主導BTC担保型金融システムを提案
マイケル・セイラー会長は12月8日、アブダビで開催された「Bitcoin MENAカンファレンス」で、各国政府に対しビットコイン担保型デジタル銀行システムの構築を提案しました。
具体的には以下のような構造です:
✅ デジタルクレジット商品80% + 法定通貨20% + 10%のリザーブバッファー
✅ 5倍の過剰担保で口座を保護
✅ 年利回り約10%(従来の銀行預金の数倍)
✅ 20兆〜50兆ドル規模の資本を引き付ける可能性
セイラー氏は「日本や欧州の銀行預金はほとんど利回りを生まない。投資家が社債市場に向かうのは、銀行口座に失望しているからだ」と指摘し、ビットコイン担保型商品が従来の債券市場の2〜4倍の利回りを実現できると主張しました。
また同氏は「中東のすべての政府系ファンドと会談した」と明かし、約50〜100の投資家や規制当局と協議を重ねてきたことを明らかにしています。
批判の声も──「流動性危機」のリスク指摘
しかしこの構想には批判も少なくありません。元ソロモン・ブラザーズのトレーダー、ジョシュ・マン氏は「ビットコイン価格が急落した際、高利回りで預金者を引き留めることはできず、流動性危機に陥る」と警告しています。
実際、ビットコインは10月の史上最高値12.6万ドルから、わずか2カ月で約28%下落。ボラティリティの高さが、金融システムの基盤として利用するには大きな障壁となっています。
明日10日発表のFOMC、BTC相場の転換点となるか?──3つの注目ポイント
米国時間12月10日FOMC発表──利下げ0.25%は織り込み済み
米国時間2025年12月10日午後2時(日本時間12月11日午前4時)、米連邦準備制度理事会(FRB)が今年最後のFOMC政策決定を発表します。市場は90%の確率で0.25%の利下げを織り込んでおり、サプライズの可能性は低いとみられています。
しかし重要なのは「その後の利下げペース」です。FRBが「利下げ打ち止め」や「2026年の利下げペース鈍化」を示唆すれば、リスク資産全般に売り圧力がかかり、BTCにも逆風となる可能性があります。
逆に、ハト派的(緩和継続的)な姿勢を示せば、BTC価格の反発材料となるでしょう。
9.4万ドルが重要な防衛ライン
テクニカル分析では、9.4万ドルが現在の重要なサポートラインとされています。ストラテジー社が今回9.06万ドルで購入したことは、このレンジを「底値圏」と判断した可能性を示唆します。
逆に、9万ドルを明確に割り込むと、次のサポートは8.3万ドル、さらに下では7.6万ドルまで視野に入ります。
年末の季節性──過去13年で5回プラス
過去のデータを見ると、ビットコインは12月に5回のプラスリターンを記録しています(2015年、2016年、2020年、2024年など)。歴史的には「年末ラリー」が起こりやすい時期ですが、2025年は2カ月連続のマイナスという逆風を抱えています。
| 注目ポイント | 内容 | BTC価格への影響 |
|---|---|---|
| FOMC政策発表(米国時間12/10午後2時) | 利下げ0.25%は織り込み済み、その後の見通しが焦点 | タカ派姿勢なら逆風、ハト派なら追い風 |
| テクニカル分析 | 9.4万ドルが防衛ライン、割り込むと8.3万ドルへ | サポート維持なら反発、割れば続落 |
| 年末の季節性 | 過去13年で5回プラス、歴史的には上昇しやすい時期 | ラリー期待も、今年は不透明 |
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まとめ──ストラテジー社の賭けは成功するのか?
ストラテジー社の9.6億ドル押し目買いは、「下落局面こそチャンス」と考える強気派の代表的な行動です。Santiment社のデータが示すように、大口投資家が12月に入って買い戻しに転じていることも、市場の底入れ期待を後押ししています。
しかし一方で、ETFからの約23.4億ドルの資金流出や、取引所への大口入金増加など、慎重な動きも目立ちます。市場は明らかに「買い vs 売り」の駆け引き状態にあり、明日10日発表のFOMC政策決定が大きな転換点となるでしょう。
ストラテジー社の賭けが成功するかどうかは、今後数週間の価格動向が決め手となります。9.4万ドルのサポートを守り切れるか、それとも8万ドル台への続落となるか──トレーダーにとって見逃せない相場が続きます。
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。レバレッジ取引は特にリスクが高く、資金を全て失う可能性があります。投資判断は自己責任で行ってください。必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう
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