
2025年12月1日朝、仮想通貨(暗号資産)市場に激震が走りました。ビットコインが一時8万6000ドル台まで急落し、わずか数時間で世界中のトレーダーから約6.46億ドルもの証拠金が消失。さらにその引き金となったのが、DeFiプラットフォーム「Yearn Finance」における約900万ドルの不正流出事件でした。「12月は強気相場のはずでは?」──市場を襲った連鎖パニックの全貌を、今から徹底解説します。
本記事で分かること
- BTC急落と6.46億ドル清算の詳細メカニズム
- Yearn Finance事件900万ドル流出の全貌
- 12月相場で投資家が取るべき自己防衛策

12月1日の惨劇──BTCが8万6000ドル割れで市場に走った衝撃

アジア時間早朝に始まった急落劇
2025年12月1日、アジア市場が開く早朝、ビットコイン価格が突如として崩れ始めました。わずか数時間で9万ドル台から8万6000ドル台まで、実に約4.07%の下落を記録したのです(Bloomberg、CoinDesk報道)。
この動きに連動するように、イーサリアムは5.03%の下落で2,800ドル台、ソラナは4.90%下落、XRPやドージコインも4%以上の下落となりました。まさに「リスクオフ」の12月幕開けとなったのです。
主要仮想通貨の下落率(12月1日アジア早朝時点)
| 通貨名 | 価格 | 下落率 |
|---|---|---|
| ビットコイン(BTC) | 約86,000ドル | 約-4.07% |
| イーサリアム(ETH) | 約2,800ドル | 約-5.03% |
| ソラナ(SOL) | 約127ドル | 約-4.90% |
| XRP | 約2.05ドル | 約-5.29% |
| ドージコイン(DOGE) | 約0.137ドル | 約-6.49% |
出典: Bloomberg、CoinDesk (2025年12月1日UTC/アジア時間の報道時点)
注: 価格は取引所により若干異なります
Bloomberg 2025/12/1| "Bitcoin slid as much as 6% to below $86,000 in early Asia trading"
6.46億ドルが一瞬で消えた「清算の連鎖」
この急落で最も恐ろしかったのは、レバレッジ取引の強制清算でした。
CoinDeskおよび複数報道によれば、アジア早朝の数時間だけで約6.46億ドルのレバレッジポジションが強制決済されたのです。
清算とは?
清算(リクイデーション)は、レバレッジ取引で証拠金が不足すると、取引所が強制的にポジションを決済すること。価格が急落すると「買い」で入っていた投資家の証拠金が一気に溶け、さらなる売り圧力を生む悪循環に陥ります。
データによれば、清算されたポジションの大半がロング(買い)ポジションでした。つまり、「BTCは上がる」と信じてレバレッジをかけていた投資家たちが、価格反転を待つ間もなく市場から退場させられたのです。
清算規模
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 総清算額 | 約6.46億ドル |
出典: CoinDesk、Yahoo Finance (2025年12月1日報道)
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Yearn Finance事件の全貌──900万ドルが一晩で消えた理由
DeFiプラットフォームYearn Financeとは?
今回の急落を引き起こした直接的トリガーが、Yearn Financeにおける不正流出事件でした。
Yearn Financeとは?
イーサリアム上で動作する分散型金融(DeFi)プラットフォーム。ユーザーの資金を自動的に最適な運用先に配分し、高利回りを追求するサービスを提供しています。「V2」「V3 Vaults」など複数のバージョンが存在します。
Yearn FinanceのX(旧Twitter)公式アカウントは12月1日未明、「yETHプールにおいてインシデントが発生した」と緊急発表。ただし「V2とV3 Vaultsは安全で影響を受けていない」と強調しました。
ForkLog 2025/12/1|"Yearn Finance protocol hacked for $9 million"
攻撃者が悪用した「無限ミント」の脆弱性
ブロックチェーン解析の専門家PeckShieldなどによれば、攻撃者はyETH(リキッドステーキングトークンを集約したトークン)のスマートコントラクトの脆弱性を突き、「ほぼ無限(near-infinite)」の量のyETHトークンを不正に発行(ミント)しました。
この不正発行により、攻撃者はBalancerなどの流動性プールから資金を抜き取り、合計約900万ドルの被害が確認されています。
Yearn Finance事件の被害額内訳
| 流出先 | 被害額 |
|---|---|
| Tornado Cash(ミキサー)へ送金 | 約300万ドル(1,000 ETH相当) |
| 攻撃者アドレス保有分 | 約600万ドル |
| 合計 | 約900万ドル |
出典: PeckShield、ForkLog、CoinDesk、Blockchain.news
攻撃者は流出させた資金のうち約300万ドル(約1,000 ETH)を、匿名化サービス「Tornado Cash」を通じて洗浄。残りの約600万ドルは攻撃者のウォレットアドレス(0xa80d...c822)に保管されたままとなっています(PeckShield分析)。
なぜYearn事件がBTC急落を引き起こしたのか?
「DeFiの事件なのに、なぜBTCまで下がるの?」──そう思った方も多いでしょう。
専門家の分析によれば、以下の複合的要因が影響したと考えられます:
- 市場心理の悪化: DeFiハッキングのニュースが「仮想通貨全体のセキュリティリスク」への懸念を誘発
- ETH売り圧力の波及: 攻撃者が奪ったETHを売却する可能性から、ETH価格が先行下落し、市場全体に波及
- 機関投資家の警戒感: 先週の韓国Upbit取引所ハッキング(約48億円流出)に続く事件で、セキュリティリスクへの懸念が最高潮に
特にイーサリアムは7%超の急落となり、「DeFiの安全性」に対する信頼が揺らいだ瞬間でした。
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12月相場を揺るがす3つの不安要素

機関投資家の大規模流出が続いた11月
今回の急落は、実は11月からの悪い流れの延長線上にあります。
CoinDeskによれば、11月のBTC現物ETFからの純流出額は34.8億ドルに達し、過去2番目に大きい資金流出を記録。さらにETH現物ETFは史上最大の14.2億ドルの流出となりました。
データ提供元のSoSoValueによれば、この流出規模は機関投資家の慎重姿勢を如実に示しています。
2025年11月のETF資金フロー
| 商品 | 純流出額 | 備考 |
|---|---|---|
| BTC現物ETF | 34.8億ドル | 過去2番目の大規模流出 |
| ETH現物ETF | 14.2億ドル | 史上最大の流出額 |
出典: SoSoValue、CoinDesk
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BTCは11月に17.5%下落──3月以来の最悪パフォーマンス
ビットコインは11月単月で17.5%の下落を記録し、これは2025年3月以来の最悪パフォーマンスとなりました(CoinDesk報道)。一時8万ドル割れ寸前まで落ち込んだものの、月末にかけて9万ドル台を回復していました。
しかし、12月初日の急落により、せっかくの回復ムードが一気に消滅。市場では「底入れか、それとも次の暴落への序章か」という不安が渦巻いています。
日銀の金利引き上げ観測と円キャリートレードの巻き戻し
さらに見逃せないのが、日本サイドの要因です。
12月18日〜19日に控える日本銀行の金融政策決定会合で、追加利上げが行われる可能性が市場で高まっています。もし利上げが実施されれば、低金利の円を借りて高金利のドルや仮想通貨に投資する「円キャリートレード」の巻き戻しが加速する可能性があります。
実際、CoinEdition報道によれば、日本国債の利回り上昇が「円キャリートレードの巻き戻し」を誘発し、レバレッジポジションの清算を加速させたと分析されています。
円キャリートレードとは?
低金利の円で資金を調達し、高金利の通貨や資産(ドル、仮想通貨など)に投資して利ザヤを稼ぐ取引手法。日銀の利上げで円金利が上がると、この取引の魅力が減り、ポジション解消(売り)が進みます。
投資家が今すぐ取るべき3つの自己防衛策
レバレッジ取引は極力避ける──清算リスクを理解する
今回の事件で最も大きな被害を受けたのは、レバレッジをかけて取引していた投資家たちです。
レバレッジ取引のリスク
☑️ 価格が予想と逆に動くと、証拠金が一瞬で消失
☑️ 急落時は「損切り」する時間さえ与えられない
☑️ 相場の急変動時は清算の連鎖で被害が拡大
特に初心者〜中級者の方は、現物取引に徹することを強くお勧めします。現物取引なら、どんなに価格が下がっても購入額以上の損失は発生しません。
DeFiサービスは複数に分散し、全資産を預けない
Yearn Finance事件は、DeFiの利便性の裏に潜むリスクを改めて浮き彫りにしました。
DeFi利用時の鉄則
☑️ 全資産を1つのプロトコルに集中させない
☑️ 利用前にスマートコントラクトの監査履歴を確認
☑️ 「高利回り」に飛びつく前にリスクを理解する
☑️ 必ず余剰資金の範囲内で運用する
特に、監査を受けていないプロトコルや、新興のDeFiサービスには要注意です。
12月FOMCと日銀会合のスケジュールを把握する
12月は重要イベントが目白押しです。価格変動が激しくなる時期なので、スケジュールを頭に入れておきましょう。
12月の重要イベント
| 日程 | イベント | 影響度 |
|---|---|---|
| 12月9〜10日 | 米FOMC(連邦公開市場委員会) | ★★★ |
| 12月18〜19日 | 日銀金融政策決定会合 | ★★★ |
CME FedWatchによれば、12月FOMCでの0.25%利下げ確率は87.6%。ただし、政府閉鎖懸念などで予想外の展開もあり得ます。
また、日銀会合で追加利上げが実施されれば、円キャリートレードの巻き戻しがさらに加速し、仮想通貨市場にも影響が及ぶ可能性があります。
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まとめ──12月相場は慎重に、でもチャンスも見逃さない
2025年12月1日の急落は、Yearn Finance事件をトリガーに、レバレッジポジションの清算が連鎖的に発生した「複合的な事故」でした。
11月からの機関投資家流出、日銀の利上げ観測、そしてDeFiセキュリティへの不安──3つの要素が重なり、市場は一時パニック状態に陥りました。
しかし、こうした調整局面は、長期投資家にとっては「押し目買いのチャンス」とも言えます。重要なのは、感情に流されず、リスク管理を徹底すること。レバレッジを避け、余剰資金で、分散投資を心がければ、12月相場も乗り越えられるはずです。
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。レバレッジ取引は特にリスクが高く、資金を全て失う可能性があります。投資判断は自己責任で行ってください。必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう
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