
2025年11月、世界が注目した政府効率化の"社会実験"に激震が走りました。トランプ米大統領とイーロン・マスク氏が鳴り物入りで立ち上げた「政府効率化省(DOGE)」が、予定より8ヶ月早く事実上の解散──。一方、その失敗を横目に日本では本日11月25日、「日本版DOGE」がスタート。果たして日本は成功するのか?そして仮想通貨(暗号資産)業界にどんな影響があるのか?徹底解説します!
本記事で分かること
- 米DOGE省が予定より8ヶ月早く解散した真相
- 日本版DOGEの正体と仮想通貨業界への影響
- DOGEコインとの違い&混同を防ぐ基礎知識

米DOGE省が予定より8ヶ月前倒しで解散──イーロン・マスクのチェーンソーが止まった日

「もう存在しない」政権当局者が明言
2025年11月23日、ロイター通信が衝撃的なスクープを報じました。米人事管理局(OPM)のスコット・クポア局長が「DOGE?もう存在しない(That doesn't exist)」と明言したのです。
政府効率化省(Department of Government Efficiency, DOGE)は、2025年1月20日のトランプ大統領就任と同時に大統領令(Executive Order 14158)により設立されました。
当初の計画では2026年7月4日(米独立記念日)まで18ヶ月間活動する予定でしたが、実際には設立から約10ヶ月後の2025年11月に事実上解散──予定より8ヶ月前倒しでの終了となりました。
華々しいスタート、しかし実態は...
DOGEの象徴的な場面といえば、2025年2月20日にメリーランド州で開催された保守政治活動会議(CPAC)でのイーロン・マスク氏の演説でしょう。ロイター通信の報道によると、マスク氏は巨大なチェーンソーを頭上に掲げて叫びました──
「これが官僚主義を切り裂くチェーンソーだ!(This is the chainsaw for bureaucracy!)」
この派手なパフォーマンスは、DOGEの「政府のムダを大胆に削減する」というメッセージを象徴するものでした。しかし、この演出とは裏腹に、DOGEの実態は曖昧なものだったのです。
DOGEの問題点:
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 法的地位 | 正式な省庁ではなく、大統領令による臨時組織 |
| 削減成果の主張 | 「数百億ドル削減」と主張 |
| 検証可能性 | ロイター報道:「外部の財務専門家が検証不可能」 |
| 透明性の欠如 | 詳細な会計報告を公開せず |
ロイター通信は記事の中で、「DOGEは数百億ドルの支出削減を主張したが、詳細な会計報告を提供しなかったため、外部の財務専門家がその成果を検証することは不可能だった」と指摘しています。
マスク氏との決裂が決定打──ただし最近は関係改善の兆しも
2025年5月、トランプ大統領とマスク氏の間で公然とした対立が発生しました。複数の報道によると、原因は「ビッグ・ビューティフル法案」に含まれた電気自動車(EV)補助金削減です。テスラCEOのマスク氏にとって、EV補助金削減は自社の利益に直結する問題でした。
この対立以降、マスク氏はワシントンを離れ、DOGEは急速に求心力を失いました。元DOGE職員たちは人事管理局(OPM)や保健福祉省(HHS)、国防総省など他部署に移動し、DOGEは「中央集権的な組織ではなくなった」(クポア局長)のです。
しかし、最新情報として注目すべき動きがあります──
ロイター通信が「DOGEはもう存在しない」と報じたわずか5日前の2025年11月18日、マスク氏はホワイトハウスに復帰していました。トランプ大統領がサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子のために主催した晩餐会に、マスク氏が招待されたことが複数メディアで報じられています。
この晩餐会出席は、5月以降冷え込んでいた両者の関係が改善しつつある可能性を示唆しています。ただし、DOGEという組織自体はすでに解散済みであり、マスク氏の今後の役割は不透明です。
トランプ-マスク関係の変遷:
| 時期 | 関係性 | 出来事 |
|---|---|---|
| 2025年1月20日 | 🟢蜜月 | DOGE設立(大統領令14158) |
| 2025年2月20日 | 🟢蜜月 | CPACでチェーンソー演説 |
| 2025年5月 | 🔴決裂 | EV補助金削減で激しく対立 |
| 2025年6月 | 🔴決裂 | トランプ氏「会う予定なし」と表明 |
| 2025年9月 | 🟡接近 | 保守活動家の追悼式典で接触 |
| 2025年11月18日 | 🟡改善? | ホワイトハウス晩餐会に招待 |
| 2025年11月23日 | - | DOGE解散報道(ロイター) |
OPMとは?
OPM(Office of Personnel Management|人事管理局)は、米連邦政府全体の人事を統括する機関です。日本でいえば人事院と総務省の機能を合わせたような組織。DOGEの機能をOPMが引き継いだということは、派手な「改革」から地味な「通常業務」に戻ったことを意味します。
日本版DOGE本日始動──「租税特別措置・補助金見直し担当室」の正体
米DOGEと同じ轍は踏まない?日本の慎重アプローチ
米DOGEが華々しく散った2025年11月25日、皮肉にも同じ時に日本政府は「租税特別措置・補助金見直し担当室」を内閣官房に正式設置しました。通称「日本版DOGE」です。
ただし、アメリカ版とは大きく異なる点があります──
日本版DOGEの特徴:
| 項目 | 🇺🇸 米DOGE | 🇯🇵 日本版DOGE |
|---|---|---|
| 正式名称 | Department of Government Efficiency | 租税特別措置・補助金見直し担当室 |
| 法的根拠 | 大統領令(Executive Order 14158) | 内閣官房の正式組織 |
| リーダー | イーロン・マスク氏(民間人) | 政府職員(官僚組織) |
| 活動期間 | 18ヶ月予定→約10ヶ月で解散 | 未定(継続的運用の可能性) |
| 手法 | 派手な改革・削減目標 | 地味な点検・段階的見直し |
具体的に何をするの?3つの点検対象
日本版DOGEが点検するのは以下の3分野です:
✅ 租税特別措置(租特)
企業への税控除制度。特に賃上げ促進税制(2023年度で約0.8兆円)と研究開発税制(約0.9兆円)が焦点。赤字企業が多い中小企業は恩恵を受けず、大企業優遇との批判も。
✅ 高額補助金
企業への直接補助金。特に巨額の補助金に企業が依存し、自助努力が損なわれているケースを精査。
✅ 基金
単年度予算の枠を超えて長期的に運用される予算。コロナ禍以降急増し、2022年度末で16.6兆円。使われずに余る「ゾンビ予算」が多いと指摘される。
設置の背景:自民党×維新の連立合意
日本版DOGE設置は、自民党と日本維新の会の連立政権合意に明記されました。「小さな政府」を志向する維新の要望を自民党が受け入れた形です。
木原稔官房長官は11月12日の会見で「政策効果の低いものは廃止する」と明言。2027年度の予算編成と税制改正に成果を反映させる計画です。
仮想通貨業界への影響──租特見直しで暗号資産税制改革に追い風となるか?

租税特別措置見直しの本丸は「大企業優遇」
日本版DOGEが狙うのは、実質的に「大企業への補助金」として機能してきた租税特別措置の見直しです。
野村総合研究所のエコノミスト・木内登英氏は
「賃上げ税制は経営状況が良い大手企業が恩恵を受け、ますます収益を拡大させる構図」
と指摘しています。
2023年度の租特による減税額は2.9兆円。そのうち賃上げ促進税制と研究開発税制だけで1.7兆円(約6割)を占めます。
暗号資産業界が期待する「分離課税」への道筋
現在、日本の仮想通貨(暗号資産)取引で得た利益は「雑所得」として総合課税の対象です。最高税率は所得税45%+住民税10%=最大55%という世界的に見ても極めて高い水準です。
一方、株式やFXなどの金融商品は「申告分離課税」で一律約20%。この格差が日本のWeb3産業の国際競争力を大きく損なっていると、業界団体は長年指摘してきました。
日本ブロックチェーン協会(JBA)の2025年度税制改正要望:
- 個人の暗号資産取引を総合課税→申告分離課税(税率20%)へ変更
- 損失の3年間繰越控除を認める
- 相続時の評価方法を見直す
- 法人の自社発行トークンの期末評価課税を廃止(2025年改正で実現済み)
日本版DOGEが暗号資産税制に与える可能性のある影響
重要な前提:
日本版DOGEの公式の設置目的は「租税特別措置・補助金・基金の見直し」であり、暗号資産税制に直接言及しているわけではありません。しかし、租税特別措置の総点検という大きな流れの中で、間接的に暗号資産税制改革を後押しする可能性があります。
ポジティブシナリオ(可能性として):
✅ 租特全体の見直し機運が高まる
✅ 「効果の低い租特は廃止」→新たな政策(暗号資産優遇)を導入しやすくなる可能性
✅ 財源確保の観点から、課税ベースの拡大(分離課税化)が検討される可能性
✅ 国際競争力の視点が重視され、Web3産業育成の機運が高まる可能性
ネガティブシナリオ(リスクとして):
❌ 財政再建が最優先され、新たな減税策は後回しになる可能性
❌ 「大企業優遇是正」の流れで、新産業への優遇も警戒される可能性
❌ 租特見直しに時間がかかり、2026年度税制改正に間に合わない可能性
2026年度税制改正が最大の注目点
金融庁は2025年8月、2026年度税制改正要望で「暗号資産取引に係る申告分離課税の導入」を正式に要望しました。日本版DOGEの活動がこの要望にどう影響するか、2025年12月に発表される「2026年度税制改正大綱」が最大の注目ポイントです。
ただし繰り返しになりますが、日本版DOGEと暗号資産税制改革の間に公式な関連性があるわけではありません。あくまで「租特見直しの流れが、間接的に税制改革全般の議論を活性化させる可能性がある」という推測の域を出ません。
👉:合わせて読みたい【ニュース解説】金融庁、仮想通貨課税を「総合課税→分離課税」へ要望|2026年度改正が焦点
混同注意!DOGEコイン(ドージコイン)との違いを徹底解説
「DOGE」という言葉の3つの意味
「DOGE」という略語には、まったく異なる3つの意味があります:
| DOGE | 正式名称 | 分野 |
|---|---|---|
| ① | Dogecoin(ドージコイン) | 仮想通貨 |
| ② | Department of Government Efficiency | 米政府組織(解散) |
| ③ | 日本版DOGE(通称) | 日本政府組織(新設) |
ドージコイン(DOGE)とは?
ドージコイン(DOGE)は、柴犬のミームから生まれた仮想通貨です。2013年に「ビットコインのパロディ」として誕生しましたが、イーロン・マスク氏のSNS発信で度々注目を集め、今では時価総額上位の主要銘柄となっています。
ドージコインの基本情報(2025年11月時点):
- 現在価格: 約0.14〜0.17ドル
- 時価総額: 約361億ドル
- 発行上限: なし(インフレ型)
- 特徴: マスク氏の発言で価格が変動することがある
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政府効率化省のロゴに柴犬が採用された理由
2024年11月、トランプ氏が「政府効率化省(DOGE)」の設立を発表した際、複数の報道機関(AP News, Forbes, The Block等)によると、DOGEのウェブサイトにドージコインの柴犬ロゴが一時的に表示されました。これはイーロン・マスク氏がドージコイン支持者として知られていたためと見られています。
名称の混同による混乱:
❌ 政府組織の「DOGE」と仮想通貨の「DOGE」を混同する投資家が続出
❌ 政府効率化省関連ニュースでドージコイン関連の憶測が拡散
❌ 「DOGE省解散」報道でドージコイン価格への影響を心配する声
ただし、因果関係は不明:
2025年11月23日の米DOGE解散報道の前後で、ドージコイン価格には若干の変動がありました。しかし、暗号資産市場は常に多くの要因(ビットコイン価格、市場全体のセンチメント、マクロ経済指標など)で変動するため、DOGE省のニュースが価格に与えた影響を特定することは困難です。
日本版DOGEとドージコインの関係は?
結論: まったく関係ありません。
日本版DOGEの正式名称は「租税特別措置・補助金見直し担当室」であり、「DOGE」は通称・俗称に過ぎません。ドージコイン(暗号資産)とは一切無関係です。
ただし前述の通り、日本版DOGEの活動が租税特別措置全体の見直しに繋がり、それが間接的に暗号資産税制改革の議論を活性化させる可能性はゼロではありません。しかしこれはあくまで推測であり、現時点で公式な関連性はありません。
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まとめ:米国の失敗から学べるか?
2025年11月25日は、政府効率化をめぐる「世代交代の日」となりました。派手なパフォーマンスで注目を集めたイーロン・マスク氏の米DOGE省は予定より8ヶ月早く解散。一方、地味ながら堅実な日本版DOGEが同じ時にスタートしました。
興味深いのは、DOGE解散の直前(11月18日)にマスク氏がホワイトハウスに復帰していた点です。組織としてのDOGEは消滅しましたが、トランプ-マスクの関係には改善の兆しが見られます。これは、派手な看板は降ろしても、水面下で政府効率化の取り組みが何らかの形で続く可能性を示唆しているかもしれません。
日本版DOGEが米国の失敗から学び、実質的な見直しを実現できれば、それが暗号資産税制改革の議論にも好影響を与えるかもしれません──これが、業界関係者が注視している理由です。
仮想通貨(暗号資産)業界にとって、2025年末から2026年にかけては「税制改革の重要な時期」であることは間違いありません。
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。レバレッジ取引は特にリスクが高く、資金を全て失う可能性があります。投資判断は自己責任で行ってください。必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう
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