
「日本のマイクロストラテジー」として注目を集めるメタプラネット。しかし最近、同社のビットコイン購入が2カ月間もストップしていることをご存じでしょうか?ところが裏では、ビットコインを担保に合計350億円もの巨額融資を実行していたのです。一見矛盾するこの動きの裏には、企業のBTC戦略における歴史的な転換点が隠されていました。
本記事で分かること
- メタプラネットが2カ月間BTC購入を停止した本当の理由
- BTC担保で350億円借入する「レバレッジ戦略」の仕組み
- マイクロストラテジー型戦略への転換が意味するもの

メタプラネット2カ月間の「沈黙」── なぜBTC購入を停止したのか

9月末以降、ビットコインの直接購入がゼロに
2025年11月28日、CoinDesk Japanが衝撃的な報道を行いました。「日本版マイクロストラテジー」として積極的にビットコインを買い増ししてきたメタプラネットが、9月末を最後に約2カ月間、一切ビットコインの直接購入を行っていないというのです。
メタプラネットは2024年4月にBTC戦略を開始して以来、継続的に買い増しを続けてきました。2025年10月31日時点での保有量は30,823BTCに達し、時価総額は約35億ドル(約5,400億円)に上ります。
それだけ積極的だった企業が、なぜ突然購入を止めたのでしょうか?
株価低迷で「mNAV 1倍割れ」という危機的状況に
購入停止の背景には、株価の深刻な低迷がありました。
重要な指標が「mNAV(multiple Net Asset Value)」です。これは企業の時価総額を、保有するビットコインの時価で割った倍率を示します。
mNAVとは?
mNAVは、BTC保有企業の株価が「割安」か「割高」かを判断する重要指標です。
- mNAV > 1.0:株価がBTC保有額より高く評価(プレミアム)
- mNAV = 1.0:株価とBTC保有額がほぼ同じ
- mNAV < 1.0:株価がBTC保有額より低い(ディスカウント)
メタプラネットのmNAVは、2025年10月14日に初めて0.99倍を記録。つまり、企業の時価総額が保有ビットコインの価値を下回る異常事態に陥ったのです。
Bloomberg報道によれば、同社の株価は6月の最高値から80%以上も下落。11月28日時点でも365円と低迷が続いています。
なぜmNAV 1倍割れが問題なのか?
mNAVが1倍を割り込むと、以下の問題が発生します:
❌ 新規BTC購入のデメリット
- 株式発行でBTCを購入すると、既存株主の持分が希薄化
- 株価 < BTC価値 なので、株主にとって損失
❌ 資金調達の困難
- 新株発行しても市場からの評価が低い
- 調達コストが高くつく
つまり、mNAVが1倍を割り込んだ状態で直接購入を続けると、既存株主の利益を毀損する結果になるのです。これが購入停止の最大の理由でした。
沈黙の裏で進む「巨額借入」── BTC担保に350億円調達
10月末〜11月に2回の大型借入を実行
ビットコインの直接購入が停止している一方で、メタプラネットはこの期間に大規模な借入を実行していました。
メタプラネットの借入タイムライン
| 実行日 | 借入額(ドル) | 借入額(円換算) | 累計借入額 | 情報源 |
|---|---|---|---|---|
| 10月31日(11月4日頃発表) | 1億ドル | 約153億円 | 1億ドル | あたらしい経済報道 |
| 11月21日(11月25日発表) | 1.3億ドル | 約200億円 | 2.3億ドル | 会社適時開示 |
| 合計 | 2.3億ドル | 約350億円 | 信用枠5億ドルの46%使用 | - |
※1ドル=153円で計算
BTC担保融資の詳細条件
今回の融資には、以下のような特徴があります:
✅ 融資条件(11月21日実行分の開示情報より)
- 担保:保有する30,823BTC
- 金利:米ドル金利+スプレッド(詳細非公開)
- 返済期間:日次自動更新(いつでも返済可能)
- 貸し手:非公開(相手方の要請により)
✅ 担保余力
メタプラネットは公式発表で、「保有ビットコインは厳しい市場変動時でも十分な担保余力を提供できる規模」と説明。保守的な担保バッファーを維持していると強調しています。
具体的には、10月31日時点で30,823BTC(約35億ドル相当)を保有しており、2.3億ドルの借入に対して約15倍の担保価値があります(会社発表による)。つまり、BTC価格が大きく下落しても、ロスカット(強制売却)のリスクは低い水準に抑えられているということです。
借入資金の使途は3つ
調達した350億円の使途は以下の通りです(会社発表による計画):
- ビットコイン追加購入
- BTCインカム事業への投資(オプション売却などで収益を生む事業)
- 自己株式取得(株価対策)
注目すべきは、「直接購入」は停止しているが、「借入資金での購入」は継続しているという点です。
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戦略転換の真相── マイクロストラテジー型レバレッジ戦略とは

「直接購入」から「レバレッジ戦略」へ
メタプラネットの動きを整理すると、明確な戦略転換が見えてきます。
従来の戦略:直接購入型
- 株式発行や自己資金でBTCを購入
- シンプルだが、株価低迷時は株主利益を毀損
- mNAV < 1.0 では実行困難
新戦略:レバレッジ型
- 保有BTCを担保に借入
- 借入資金でさらにBTCを購入
- 株式希薄化なしでBTC保有量を増やせる
この転換は、まさに「日本版マイクロストラテジー」の本格始動を意味します。
※ただし、両社は企業規模・資本市場での評価・資金調達手法において大きく異なるため、完全に同一の戦略とは言えません。メタプラネットは「マイクロストラテジー型のレバレッジ戦略を参考にした独自の戦略」を展開していると理解すべきでしょう。
マイクロストラテジーとの比較
メタプラネットが参考にしているのが、米国のマイクロストラテジー(MSTR)です。両社を比較してみましょう。
企業比較表(2025年11月時点)
| 項目 | マイクロストラテジー(MSTR) | メタプラネット |
|---|---|---|
| BTC保有量 | 約64万~65万BTC(2025年11月時点) | 30,823 BTC |
| BTC保有額 | 約600〜610億ドル | 約35億ドル |
| 時価総額 | 約1,000億ドル超 | 約18億ドル |
| mNAV | ピーク時2.5倍→現在1.0倍付近 | 0.99〜1.0倍(回復傾向) | 0.99〜1.0倍 |
| レバレッジ | 2.2倍(中央値) | 拡大中 |
| 資金調達手法 | 転換社債・優先株 | BTC担保融資・優先株 |
マイクロストラテジーは2024年のピーク時にmNAVが2.5〜3倍の高いプレミアムで取引されていましたが、2025年11月のBTC下落局面ではmNAVが大幅に縮小し、1倍付近まで低下しています。つまり、両社とも現在は「プレミアムなき状態」に直面しており、レバレッジ戦略の効果が試される局面を迎えています。
11月20日発表の「MERCURY」永久優先株とは
さらに11月20日、メタプラネットは新たな資金調達策を発表しました。それが「MERCURY」と名付けられたB種永久優先株の発行です。
MERCURY(B種永久優先株)の詳細
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行総額 | 212億4,900万円 |
| 発行株数 | 2,361万株 |
| 発行価格 | 1株900円 |
| 配当率 | 年率4.9%(固定) |
| 議決権 | なし |
| 転換権 | 普通株へ転換可能(転換価格1,000円) |
| 償還権 | 一定条件下で金銭償還請求可能 |
| 払込期日 | 2025年12月29日 |
※会社の適時開示では日本円(212億4,900万円)での金額が正式な数値です。一部報道では「1.5億ドル」と記載されていますが、これは為替レートによる概算値です。
この優先株の特徴は:
✅ 議決権なしなので既存株主の議決権は薄まらない
✅ 年4.9%の固定配当で投資家にとって魅力的
✅ 転換価格1,000円(現在株価365円の約2.7倍)で、株価上昇に対するインセンティブ
この仕組みは、マイクロストラテジーが使う「永久優先株」とほぼ同じ手法です。
レバレッジ戦略のリスクとリターン
レバレッジ戦略には、明確なメリットとリスクがあります。
メリット
・株式希薄化を抑えながらBTC保有量を増やせる
・BTC価格上昇時のリターンが拡大
・自己資本効率の向上
・mNAV低迷時でも資金調達が可能
リスク
・BTC価格下落時の損失も拡大
・担保割れのリスク(ロスカット)
・金利負担の増加
・市場環境悪化時の資金繰り悪化
マイクロストラテジーは2020年からこの戦略で成功を収めてきましたが、2025年11月のBTC下落局面では株価が40%以上下落するなど、ボラティリティの高さも露呈しています。
リスクが顕在化する主な条件
| リスク要因 | 具体的な影響 |
|---|---|
| BTC価格が8万ドル以下に下落 | 担保余力の圧迫、追加担保の必要性 |
| 融資条件の変更 | 金利上昇による収益圧迫 |
| 市場流動性の低下 | BTC売却困難、資金繰り悪化 |
| 優先株配当の負担 | 年率4.9%の固定費用増加 |
| mNAVの更なる低下 | 資金調達手段の制限 |
投資家が知るべき3つのポイント── メタプラネット株は買いか?
ポイント①:株価とBTC価格の連動性が高まる
レバレッジ戦略への転換により、メタプラネット株とビットコイン価格の連動性はさらに高まると予想されます。
連動性が高まる理由
- BTC担保融資=BTCの値動きが直接的に財務に影響
- レバレッジ効果でBTC上昇時のリターンが拡大
- 逆にBTC下落時の損失も拡大
つまり、メタプラネット株は「レバレッジをかけたBTC投資」と考えるべきでしょう。
ポイント②:mNAVの回復が最重要指標
11月28日時点で、メタプラネットのmNAVは1.0倍付近まで回復しています(TheCoinRepublic報道)。株価が直近1週間で15%上昇したためです。
mNAV回復のシナリオ
- ✅ BTC価格上昇 → 保有BTC価値増 → 株価上昇期待
- ✅ レバレッジ戦略の成功実績 → 投資家の信頼回復
- ✅ 自己株買いによる需給改善
- ✅ MERCURY優先株の好調な販売 → 資金力強化
mNAVが1.5倍以上に回復すれば、再び直接購入も選択肢になります。
ポイント③:2026年はBTC上昇期待も、リスクは常に存在
多くのアナリストが2025年〜2026年をBTC上昇局面と予測しています。半減期後の強気相場サイクルに基づく予測です。
📈 楽観シナリオ(実現には複数の条件が必要)
- BTC価格が10万ドル→15万ドルへ上昇
- メタプラネットのレバレッジ効果で株価上昇の可能性
- mNAVが2倍超に回復する可能性
- 優先株の転換が進み、企業価値向上
※このシナリオは多くの不確実性を含みます
📉 悲観シナリオ
- BTC価格が8万ドル以下へ下落
- 担保余力の圧迫、追加担保の必要性
- 株価のさらなる下落
- 優先株の配当負担が重荷に
☑️ 投資判断のチェックリスト
- ☑ BTCの長期上昇を信じるか?
- ☑ レバレッジのリスクを許容できるか?
- ☑ mNAV 1倍前後の現在は割安と判断できるか?
- ☑ 12月22日の株主総会でMERCURY承認される可能性は?
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まとめ
メタプラネットの「購入停止+借入拡大」という一見矛盾した動きは、実は極めて合理的なマイクロストラテジー型レバレッジ戦略への転換でした。mNAV 1倍割れという危機的状況を逆手に取り、BTC担保融資と永久優先株という新たな武器を手に入れたのです。
2025年11月末時点で、同社はBTC担保で2.3億ドル(約350億円)の借入と、MERCURY優先株で212億4,900万円の調達により、合計約560億円超の資金を株式希薄化を抑えながら調達しました。この資金でさらにBTCを積み増せば、BTC価格上昇時のリターンは従来を大きく上回るでしょう。
一方で、レバレッジのリスクも無視できません。BTC価格の下落局面では、損失も拡大します。投資家は「レバレッジをかけたBTC投資」という認識を持つべきでしょう。
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。レバレッジ取引は特にリスクが高く、資金を全て失う可能性があります。投資判断は自己責任で行ってください。必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう
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