
2025年11月22日、仮想通貨(暗号資産)業界に奇跡が起きました。極めて小規模な個人マイナーが、わずか6テラハッシュ毎秒(TH/s)という低い計算能力で、ビットコインのブロック採掘に成功し、約26万5000ドル(約4,160万円、1ドル157円換算)相当の報酬を獲得したのです。この確率はなんと1億8000万分の1。宝くじ1等(約1000万分の1)よりもはるかに低い確率を突破したこの出来事は、ビットコインが95%採掘完了という歴史的マイルストーンを迎えた今、マイニングの現実を如実に物語っています。
本記事で分かること
- 個人マイナー4,160万円獲得の詳細
- ビットコイン95%採掘完了の意味
- 採掘難易度155兆の衝撃と理由

個人マイナーが1億8000万分の1の確率でビットコイン採掘成功!

史上最も幸運なソロ採掘の瞬間
2025年11月22日、個人マイナーがブロック924,569の採掘に成功し、3.146 BTC(約4,160万円)の報酬を獲得しました。このマイナーはわずか6TH/sのコンピューティングパワーしか供給していませんでした。
一方、JPMorganのレポートによれば、10月の月間平均ネットワークハッシュレートは1,082エクサハッシュ毎秒(EH/s)に達しています。つまり、この個人マイナーの計算能力は、ネットワーク全体の約70億分の1パーセントに過ぎませんでした。
CKプール作成者のコン・コリバス氏はXで「このサイズのマイナーは毎日ブロックを解決する確率が1億8000万分の1しかない」と述べています。
出典: ForkLog, CoinDesk - JPMorgan Report
ソロCKプールとは?
2014年に開始されたソロマイニング専用プールで、個人マイナーがブロック解決に成功した場合、わずか2%の手数料を差し引いた全額のブロック報酬を受け取れる仕組みです。これは308番目の成功例で、約3カ月ぶりの快挙です。
報酬の内訳
今回、個人マイナーが獲得した報酬の詳細は以下の通りです:
| 報酬項目 | 金額(BTC) | 金額(円換算) |
|---|---|---|
| ブロック報酬(固定) | 3.125 BTC | 約4,220万円 |
| トランザクション手数料 | 0.021 BTC | 約28万円 |
| 合計(手数料控除前) | 3.146 BTC | 約4,247万円 |
| ソロCKプール手数料(2%) | -0.063 BTC | 約-85万円 |
| 最終獲得額 | 約3.083 BTC | 約4,162万円 |
※ 1BTC = 約1,350万円で計算
過去の個人マイナー成功事例との比較
個人マイナーによる「奇跡」は時折報告されています。以下は過去の主な成功事例です:
| 時期 | マイナーの計算能力 | ネットワーク全体 | 成功確率 | 報酬額 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 126 TH/s | 約170 EH/s | 約130万分の1 | 6.25 BTC + 手数料 |
| 2024年7月 | 2.3 PH/s | 約600 EH/s | 約2,800分の1 | 3.125 BTC + 手数料 |
| 2024年9月 | 約120 TH/s | 約680 EH/s | 推定数万分の1 | 約3.169 BTC |
| 2025年11月(今回) | 6 TH/s | 約1,082 EH/s | 1億8000万分の1 | 約3.146 BTC |
出典: CoinPost, 99Bitcoins, CoinDesk(各年度ソロマイニング報道)
注目すべきは、ネットワークのハッシュレートが急上昇し続けていることです。2022年から2025年まで、わずか3年でネットワーク全体の計算能力は約6倍に増加しました。これが個人マイナーの成功確率をどんどん押し下げているのです。
ビットコイン95%採掘完了の歴史的意味
2025年11月17日:1,995万BTC到達
個人マイナーの奇跡が起きた5日前、ビットコインは別の歴史的マイルストーンを達成しました。2025年11月17日、採掘されたビットコインの総数が1,995万BTCを超え、プログラムされた最大供給量2,100万BTCの95%が採掘完了したのです。
残りはわずか約105万BTC、つまり全体の5%のみとなりました。
95%到達の詳細:
- 2,100万BTC(最大供給) − 1,995万BTC(採掘済) = 105万BTC(残り)
出典: ForkLog, CryptoSlate
半減期の仕組みと2140年までのロードマップ
ビットコインの供給は、約4年ごとに発生する「半減期(Halving)」によって制御されています。
| 半減期 | 時期 | ブロック報酬 | 1日の新規供給 |
|---|---|---|---|
| 創世期 | 2009年 | 50 BTC | 約7,200 BTC |
| 第3回 | 2020年5月 | 6.25 BTC | 約900 BTC |
| 第4回(現在) | 2024年4月 | 3.125 BTC | 約450 BTC |
| 第5回(予定) | 2028年 | 1.5625 BTC | 約225 BTC |
| 最終 | 2140年 | 0 BTC | 0 BTC |
現在の1日あたり新規供給は約450BTC。ビットコイン価格を157万円/BTCとすると、1日あたり約7億円相当の新規ビットコインが市場に供給されています。2024年4月の半減期前は900BTCだったので、供給ペースが半減しました。
半減期とは?
半減期(Halving)は、約4年(正確には21万ブロック)ごとに、マイナーが受け取るブロック報酬が半分になるイベント。ビットコインの総供給量を2,100万BTCに制限し、インフレを防ぐ仕組みです。
ビットコイン採掘難易度155兆の衝撃

史上最高の採掘難易度
2025年10月30日、ビットコインのマイニング難易度は155.97兆(T)に達し、史上最高を記録しました。2025年11月23日現在の難易度は約152.27Tで推移しています。
ビットコイン誕生時の2009年1月の難易度はわずか「1」でした。つまり、2025年現在のマイニングは、2009年に比べて155兆倍難しいということです。
ビットコインのプロトコルには、約2週間ごとに難易度を自動調整する仕組みがあり、平均10分で1ブロックが生成されるよう維持されています。マイナーが増えればブロック生成が早まるため、難易度が上がるのです。
ハッシュプライス史上最低:マイニング収益性の危機
難易度上昇と同時に、ハッシュプライス(マイニング収益性指標)が史上最低水準に落ち込んでいます。
| 時期 | ハッシュプライス(ドル/PH/日) | 難易度 |
|---|---|---|
| 2024年4月(半減期前) | 約85ドル | 約88T |
| 2025年11月4日 | 43.1ドル | 156T |
| 2025年11月21日 | 34.49ドル(史上最低) | 155T |
出典: CoinDesk, Bitcoin News
ビットコイン価格が上昇しているにもかかわらず、マイナーの収益性は悪化しています。理由は以下の通りです:
- 半減期による報酬減少: 2024年4月にブロック報酬が6.25→3.125BTCへ半減
- トランザクション手数料の低迷: ネットワーク利用が落ち着き、手数料収入が減少
- ハッシュレート急増: 競争激化により個々のマイナーの取り分が減少
2025年11月現在、消費電力が23ワット/テラハッシュ(W/T)以上のマイニングマシンは赤字で稼働していると推定されます。今回成功した個人マイナーも、日常的には確実に赤字で稼働していたはずです。
大規模マイニング企業の優位性
現在のビットコインマイニングは、規模の経済が支配する世界です。大規模マイニング企業は、格安電力(0.02-0.04ドル/kWh)、最新機材、効率的な冷却システム、数万台規模の稼働により、安定収益を確保しています。
一方、個人マイナーは家庭用電力(0.10-0.30ドル/kWh)で割高、古い機材、計算能力が微小という三重苦を抱えています。これが、個人マイニングの成功確率が1億8000万分の1という天文学的数字になった理由です。
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半減期後の淘汰とAIとの電力戦争
マイナー淘汰が進行中
2024年4月20日の第4回半減期以降、収益が半減したことで、電力効率の悪いマイナーや高コスト地域の企業が次々と撤退しています。しかし、ネットワーク全体のハッシュレートは下がっていません。効率の悪いマイナーが退場し、効率の良い大規模マイナーが市場シェアを拡大しているのです。
ビットコイン vs AI:電力戦争の激化
2025年、ビットコインマイニングはAIデータセンターという新たな競合に直面しています。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道によれば、AIデータセンターの電力消費が2025年末までにビットコインマイニングを超える見通しです。
ビットコインマイニングは年間約173TWh、AIデータセンターは2025年に約200TWh、2030年には約945TWhに達すると予測されています。
出典: The Guardian, IEA予測
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米国の西テキサスなどでは、安価な電力を求めて両者が集積しており、電力価格の上昇圧力が生まれています。OpenAIとOracleの「Stargateプロジェクト」(5,000億ドル規模)など、巨大AIデータセンタープロジェクトが次々と立ち上がっており、電力需要は今後さらに急増します。
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まとめ:95%完了は終わりではなく、新時代の始まり
2025年11月22日に起きた個人マイナーの奇跡は、ビットコインマイニングの現実と夢を同時に見せてくれました。
ビットコインが95%採掘完了した今、私たちは「成熟期」の入口に立っています。新規供給の減少は、需給バランスを大きく変化させ、長期的な価値上昇をサポートする可能性があります。
個人マイニングは完全に「宝くじ」となりましたが、それでも夢を追う人々がいて、時折奇跡が起きる——これもビットコインの魅力の一つかもしれません。
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。レバレッジ取引は特にリスクが高く、資金を全て失う可能性があります。投資判断は自己責任で行ってください。必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう
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