
2025年から2026年にかけて仮想通貨(暗号資産)をめぐる規制などに伴う改変が多く発生しています。Bybitの新規登録停止、そして2026年から始まるCARF制度…「これからどこで取引すればいいの?」そんな不安を抱えていませんか?実は今、多くのトレーダーが注目しているのがL2(レイヤー2)ソリューションです。なかでもアービトラム(Arbitrum)は、手数料の安さとセキュリティの高さで初心者からプロまで幅広く支持されています。さらに2025年12月3日には、イーサリアムの大型アップグレード「Fusaka(フサカ)」が実施予定。これにより、アービトラムを含むL2エコシステムは手数料削減と処理速度向上が期待されています。
本記事で分かること
- アービトラム(L2)の仕組みと特徴
- Fusakaアップグレードの期待される影響
- CARF制度時代のDEX活用の考え方

なぜ今アービトラムなのか?2026年CARF制度との関係
2026年1月から日本を含む多くの国で施行が予定されているCARF制度(暗号資産等報告枠組み)により、海外CEXの取引情報が各国税務当局に自動共有される時代が到来する見込みです。

CARF制度が仮想通貨(暗号資産)トレーダーに与える可能性のある影響
以前の記事で詳しく解説したとおり、CARF制度では以下の取引が報告対象となる予定です:
- ✅ 仮想通貨と法定通貨の交換
- ✅ 仮想通貨同士の交換
- ✅ CEXから個人ウォレットへの送金
- ✅ 仮想通貨での決済
重要なポイント!
- 日本の場合:2026年1月1日から記録開始、2027年4月30日が初回報告期限、2027年中に国際情報交換が開始される見込み(国税庁FAQ、2025年9月公表)
- 国により実施時期が異なる:EUは2026年1月1日開始(DAC8指令)、その他の国は2027〜2028年実施の可能性
- DEXの位置づけ:現時点では多くのDEXが直接の報告義務対象とされていないが、OECD CARF Commentaryでは「分散型サービスも報告義務の対象となる可能性が高い」と記載されており、将来的に規制対象となる可能性がある
アービトラム(L2)とDEXの組み合わせが注目される理由
| 項目 | 海外CEX(Bybit等) | アービトラム上のDEX |
|---|---|---|
| CARF報告義務 | あり(2026年から予定) | 現時点では直接の義務なし ※将来変わる可能性あり |
| 取引手数料 | メイカー0.02%、テイカー0.055% | 約0.01〜0.04%+ガス代(手数料)※ |
| KYC(本人確認) | 必要 | 現状多くのDEXは不要 ※将来的に変わる可能性あり |
| 日本の規制 | 影響を受ける | 現時点では影響を受けにくい |
| 資産管理 | 取引所が預かる | 自分で管理 |
※ガス代:ブロックチェーンの利用料(ETH建て)
補足説明:アービトラム上のDEXとは?
アービトラム(L2チェーン)で動いている分散型取引所のことです。具体的には、MetaMaskなどのウォレットを「Arbitrum One」ネットワークに接続して、Uniswap、edgeXなどのDEXにアクセスして取引します。CEX(中央集権型取引所)のように企業に資産を預けるのではなく、自分のウォレットから直接取引できるのが特徴です。
👉 合わせて読みたい:【ニュース深掘り】2026年1月1日からCARF制度が始まる!海外取引を国税庁が把握する時代へ
アービトラム(Arbitrum)とは?L2の基本を解説
L2(レイヤー2)って何?
レイヤー2(L2)とは、イーサリアム(レイヤー1)の上に構築された「高速道路」のようなもの。イーサリアムのセキュリティを保ちながら、以下のメリットを実現します:
- 手数料が大幅に安い:通常3〜15ドル → 0.3〜1ドル程度
- 処理速度が速い:数秒〜数分で完了
- 混雑時も安定:イーサリアム本体の混雑の影響を受けにくい
ロールアップ技術とは?
アービトラムは「Optimistic Rollup(オプティミスティック・ロールアップ)」という技術を使用。複数の取引をまとめてイーサリアム本体(L1)に記録するため、手数料を大幅に削減できます。
👉:合わせて読みたい【仮想通貨】ブロックチェーンのレイヤー1・レイヤー2とは?
アービトラムの4つの特徴
①充実したTVL(預かり資産)とユーザー基盤
2025年11月時点で、アービトラムはL2市場の主要プレイヤーです:
| 指標 | 数値 | 出典・日付 |
|---|---|---|
| TVL(総預かり資産) | 約23.5~28.8億ドル | DeFiLlama、Bitget 2025年11月 |
| ステーブルコイン供給量 | 約3.9億ドル | L2で最大級(2025年5月時点) |
| DEX取引量(24時間) | 約7.1億ドル | DeFiLlama、2025年10月 |
注記:TVLはデータソースにより異なります。DeFiLlamaでは約3.04億ドル(2025年11月)、BeInCryptoでは8月時点で3.39億ドルのピークを記録。市場の変動により数値は日々変化します。
②手数料の安さが際立つ
| チェーン | 送金手数料(目安) | スワップ手数料(目安) |
|---|---|---|
| 3〜15ドル | 7〜35ドル | |
| 0.3〜1ドル | 0.7〜2ドル | |
| 削減率 | 約90〜93%削減 | 約90〜94%削減 |
注記:手数料はネットワークの混雑状況により変動します。上記は2025年11月時点の一般的な目安です。
③豊富なDeFiエコシステム
アービトラム上では、以下のような有名DEXやプロトコルが稼働しています:
- Uniswap(分散型取引所)
- Aave(レンディングプロトコル)
- edgeX(パーペチュアルDEX)
👉 合わせて読みたい:【仮想通貨】AAVEとは?DeFi危機で注目のレンディング市場と初心者が知るべき安全性
④ARBトークンとArbitrum DAO
アービトラムはARBトークン保有者によるDAO(分散型自律組織)で運営されています。
ARBトークンとは?:ARBは、Arbitrumネットワークのガバナンストークンです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役割 | ネットワークの方針決定に使う投票権 |
| 総供給量 | 100億ARB |
| DAO保有 | 42.78億ARB(約43%) |
| 主な用途 | ガバナンス投票、開発資金配分の決定 |
Arbitrum DAOの実績
Arbitrum DAOは業界でも屈指の資金力を持ち、以下のような大規模プロジェクトを推進しています:
- 🎮 Gaming Catalyst Program:2億ドル規模のWeb3ゲーム開発支援
- 💰 RWA投資:米国債など実世界資産への投資(総額85M ARB相当)
- 🌱 エコシステム助成金:年間100件以上の提案が可決
👉 合わせて読みたい:【仮想通貨】DAOとは?AAVEとArbitrumに学ぶ“自律型コミュニティ”の未来
Fusaka(フサカ)アップグレードとは?アービトラムへの期待される影響
Fusakaアップグレードの基本情報
Fusakaは、2025年12月3日に実施予定のイーサリアム大型アップグレードです。「Pectra」アップグレード(2025年5月実施)以来、最大規模のパフォーマンス強化を目指しています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 実施予定日 | 2025年12月3日 |
| 主な目的 | L2スケーラビリティ向上、手数料削減 |
| 影響を受けるチェーン | アービトラム、Optimism、Base等すべてのL2 |
| 期待される効果 | 手数料削減、処理能力向上 ※実際の効果は市場条件により変動 |
出典:Binance Academy、Bitget、Phemex等の専門記事(2025年9月〜11月)
Fusakaの3大注目ポイント
①PeerDAS(データ可用性サンプリング)の導入
PeerDASとは、L2からイーサリアムにデータを記録する際のコストを削減する技術です。
- 従来:すべてのノードが全データを保存 → コスト高
- PeerDAS後:一部のデータサンプルだけで検証可能 → コスト削減
期待される影響:
- 専門家の推定では、L2の取引手数料が15〜60%削減される可能性(ainvest.com、2025年11月)
- ただし実際の削減率はL2の実装方法や需給バランスによって変動する見込み
②Blob容量の拡大
Blobとは、L2がイーサリアムにデータを記録するための専用領域です。
| 項目 | 現在 | Fusaka後(予定) |
|---|---|---|
| Blobターゲット数 | 3個/ブロック | 6個/ブロック |
| 最大Blob数 | 6個/ブロック | 9個/ブロック |
| L2の処理能力 | 現状 | 約8倍のスケール向上が期待 |
出典:CryptoNinjas、2025年11月13日
③ガスリミットの引き上げ(4,500万→6,000万、将来的に1億5,000万)
イーサリアム本体(L1)の処理能力も段階的に向上する計画です。Fusaka実装時には6,000万ガスに引き上げられ、長期的には1億5,000万ガスを目指します。
- メリット:複雑なDeFi取引やNFTミントもスムーズに
- 注意点:旧式ノードでは処理遅延の可能性
Fusakaがアービトラムユーザーにもたらす期待
| ユーザータイプ | 期待されるメリット |
|---|---|
| DEXトレーダー | スワップ手数料のさらなる削減が期待される |
| NFT売買者 | ミント・購入時のガス代軽減の可能性 |
| DeFi利用者 | レンディングや流動性提供の手数料削減が期待 |
| レバレッジトレーダー | パーペチュアルDEXでの入出金コスト削減の可能性 |
重要な注記:上記は専門家の推定や技術的なポテンシャルに基づくものです。実際の手数料削減率やパフォーマンス向上は、アップグレード実施後のL2各チェーンの実装方法、ネットワークの混雑状況、市場の需給バランスによって変動します。
👉:合わせて読みたい
【仮想通貨】未来の資産運用!初心者でもわかる DeFi(分散型金融)ガイド
【仮想通貨】NFTとは何か?初心者向けに超簡単に解説する最新ガイド
アービトラム vs 他のL2|Optimism・Baseとの比較

主要L2の2025年最新比較表
| 項目 | Optimism | Base | |
|---|---|---|---|
| TVL | 約2.88億ドル ※Bitget 2025/11/14 |
約8.5〜9.5億ドル ※BeInCrypto 2025 |
約2.4億ドル ※2025年推定 |
| 日次アクティブユーザー | 約15万〜20万人 | 約7.5万〜10万人 | 約20万人以上 |
| ロールアップ技術 | Optimistic Rollup | Optimistic Rollup | Optimistic Rollup(OP Stack) |
| 主要DEX | Uniswap、edgeX | Uniswap、Velodrome | Uniswap、Aerodrome |
| 手数料(目安) | 約0.3〜1ドル | 約0.3〜1ドル | 約0.2〜0.7ドル |
| 特徴 | 充実したDeFiエコシステム | モジュラー設計、開発者向け | Coinbase支援、米国ユーザー多い |
データソース注記:TVLはプラットフォームにより集計方法が異なります。上記は複数のソース(DeFiLlama、Bitget、BeInCrypto等)から2025年10月〜11月の情報を集約したものです。
なぜアービトラムが選ばれるのか?
①豊富な流動性
TVL(総預かり資産)がL2の中でトップクラス → 取引が滑りにくく、スリッページが少ない
②ステーブルコイン供給量が豊富
約3.9億ドルのステーブルコイン(USDT、USDC)が流通 → トレードしやすい環境
③DeFiプロトコルの多様性
Aave、Curve、GMXなど主要プロトコルが多数稼働
初心者向け|アービトラムの使い方3ステップ
ステップ1:MetaMaskでArbitrum Oneを設定
MetaMask(メタマスク)は、仮想通貨のウォレット(財布)アプリです。
設定方法:
- MetaMaskを開く
- ネットワーク選択 → 「ネットワークを追加」
- 以下の情報を入力:
- ネットワーク名:Arbitrum One
- RPC URL:https://arb1.arbitrum.io/rpc
- チェーンID:42161
- 通貨記号:ETH
- ブロックエクスプローラー:https://arbiscan.io/
👉:合わせて読みたい【仮想通貨】メタマスクの使い方完全ガイド|2025年最新機能と初心者向け設定方法
ステップ2:ETHまたはUSDCをArbitrumに送金
方法①:CEXから直接送金
- Bybit、MEXC、BTCCなどで「Arbitrum One」を選択して出金
- 注意:必ず「Arbitrum One」を選択(Ethereumではない)
方法②:ブリッジを使う
- 公式ブリッジ:https://bridge.arbitrum.io/
- イーサリアムからアービトラムにETHを移動
推奨通貨:
・ETH:ガス代として必須(最低0.001 ETH = 約3ドル)
・USDC:取引やDEXでの証拠金に使える
👉合わせて読みたい:【最新ニュース】Bybit 新規登録停止!今すぐ知りたい資産移動の4パターン【初心者必見】
ステップ3:DEX・DeFiで取引開始
アービトラム上で利用できる主要DEX・DeFiプロトコル:
| 名称 | 特徴 | おすすめ用途 |
|---|---|---|
| Uniswap | 最大手、流動性が豊富 | スワップ(通貨交換) |
| edgeX | パーペチュアルDEX、レバレッジ取引 | 証拠金取引 |
| Aave | レンディング(貸し借り) | 利息収入 |
👉合わせて読みたい:【仮想通貨】edgeX完全ガイド|安全性とリスク徹底比較!パーペチュアルDEX選び方決定版
アービトラム利用時の注意点とリスク管理
①チェーン選択ミスに要注意
最も多い失敗:送金時にチェーンを間違える
- ❌ イーサリアム(Ethereum)を選択 → 資産が消える(GOX)
- ✅ アービトラム(Arbitrum One)を選択 → 正常に着金
対策:初回は必ず少額(3〜7ドル)でテスト送金
②ガス代(ETH)を常に確保
アービトラムで取引するには、ETHがガス代として必要です。
目安:
- 最低:0.001 ETH(約3ドル)
- 推奨:0.005〜0.01 ETH(約15〜30ドル)
注意:USDCだけ持っていてもトレードできません!
③秘密鍵・シードフレーズの厳重管理
DEXは自己管理型。秘密鍵を失うと資産が永久に失われます。
対策:
- 紙にメモして金庫に保管
- スクリーンショットはNG(ハッキングリスク)
- 高額資産はハードウェアウォレット(Ledger、Tangem)を推奨
👉 合わせて読みたい:【仮想通貨】史上初!指輪型のハードウェアウォレットのTANGEMを徹底解説!
④税金の申告は必須
DEXでの取引も課税対象です。
課税されるタイミング:
- ✅ 仮想通貨同士の交換(ETH → USDC等)
- ✅ 日本円への換金
- ❌ 同じ通貨のまま移動(送金のみ)
対策:取引履歴をこまめに記録、税金計算ツール(Gtax、クリプタクト)の活用
まとめ:アービトラムはCARF時代の有力な選択肢
2026年のCARF制度施行を控え、仮想通貨トレーダーを取り巻く環境は大きく変化しつつあります。海外CEXへの規制が強まる中、アービトラムをはじめとするL2ソリューションは、低コスト・豊富な流動性・現時点での規制の影響の少なさという点で注目されています。
2025年中に、アービトラムやDEXの使い方に慣れておくことは一つの選択肢です。Fusakaアップグレード後、より快適な環境でトレードできる可能性があります。ただし、規制環境は変化する可能性があるため、最新情報を常にチェックすることが重要です。
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。レバレッジ取引は特にリスクが高く、資金を全て失う可能性があります。投資判断は自己責任で行ってください。必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう
海外取引所・DEX利用時の重要な注意事項
法的リスクについて
・日本居住者の利用は、完全に自己責任での利用となります
・資金保護や紛争解決において、日本の法的保護を受けられません
・エアドロップや取引利益は課税対象です。必ず税務申告を行ってください
🔐 招待コード:kimchan
📢 最新情報は各SNSでも発信中!
フォローしてお得なチャンスを逃さないでね✨

