
2024年の米大統領選で、トランプ氏の優勢を世論調査よりも早く示して注目を集めた予測市場プラットフォーム「Polymarket(ポリマーケット)」。今、この予測市場という新しい分野に、仮想通貨(暗号資産)業界の企業が続々と参入を表明しています。11月5日にBloombergが報じたところによると、米仮想通貨取引所Gemini(ジェミナイ)が予測市場への参入準備を進めており、続いてトランプ大統領のTrump MediaとCrypto.comが提携を発表。さらには日本のgumi(グミ)までもが参戦を検討中で、業界は「予測市場戦争」の様相を呈しています。
本記事で分かること
- ジェミナイ・Crypto.comが参入する予測市場とは何か
- Polymarket vs Kalshiの覇権争いと規制リスク
- 日本人が予測市場に参加する方法と注意点

本記事は情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。
予測市場は高リスクであり、法的グレーゾーンも存在します。
予測市場バトル開幕!仮想通貨取引所が一斉参入

Gemini(ジェミナイ)がCFTCに「Gemini Titan」申請中
11月5日、Bloombergの報道により、ウィンクルボス双子兄弟が創設した米仮想通貨取引所Gemini(ジェミナイ)が予測市場事業への参入準備を進めていることが明らかになりました。Geminiは5月に米国商品先物取引委員会(CFTC)に「Gemini Titan」という予測市場プラットフォームの承認申請を提出済み。選挙、スポーツ、金融イベントなどの結果に賭けられる「イベント契約」を提供する計画です。
CFTCとは?
CFTC(商品先物取引委員会)は、米国でデリバティブ(金融派生商品)を規制する政府機関。予測市場は「未来のイベントから価値が生まれる」ため、デリバティブとして扱われます。 CFTCの認可を受けた取引所は「DCM(Designated Contract Market:指定契約市場)」と呼ばれ、厳格な規制の下で運営されます。承認には数ヶ月〜数年かかることも。
Trump Media×Crypto.comが「Truth Predict」を発表
10月28日、トランプ大統領のSNS「Truth Social」を運営するTrump MediaとCrypto.comが提携を正式発表。「Truth Predict」という予測市場サービスを準備中で、Truth Social上で政治、経済、スポーツなどのイベントに賭けられるようになります。近日中にベータテストを開始予定です。
主要プラットフォーム比較表
| プラットフォーム | 運営主体 | 規制状況 | 取引高(2024年10月) |
|---|---|---|---|
| Polymarket | 独立系スタートアップ | 米国では未認可(再参入準備中) | 約25~30億ドル |
| Kalshi | 独立系スタートアップ | CFTC認可済み | 約44億ドル |
| Gemini Titan | Gemini(米仮想通貨取引所) | CFTC申請中 | 未ローンチ |
| Truth Predict | Trump Media × Crypto.com | 準備中 | 未ローンチ |
| 🇯🇵 gumi(日本) | ゲーム会社gumi | 検討段階 | 未ローンチ |
Gemini(ジェミナイ)とは?ウィンクルボス兄弟の取引所
Gemini(ジェミナイ)は、2014年にウィンクルボス双子兄弟によって創設された米国の仮想通貨取引所です。
市場シェアは約0.3%(グローバル35位前後)と大手ではないものの、規制準拠と機関投資家向けサービスに強みを持ちます。フォーブス誌の「世界で最も信頼できる仮想通貨取引所」ランキング(2025年1月発表)で10位にランクインしました。
ウィンクルボス兄弟とは?
映画「ソーシャル・ネットワーク」に登場した双子の起業家。Facebook創業者ザッカーバーグ氏との訴訟で有名に。和解金をビットコインに投資し、2017年には10億ドル以上の資産を築いた仮想通貨界の先駆者です。
予測市場と仮想通貨の関係【初心者向け解説】
予測市場の仕組み
予測市場(Prediction Market)とは、未来の出来事の結果に賭けて、的中すれば利益を得られるプラットフォームです。一見ギャンブルのようですが、「群衆の知恵(Wisdom of Crowds)」を活用した未来予測ツールとして注目されています。
群衆の知恵とは?
多数の人々の予測を集めると、個人よりも正確になる現象。2024年米大統領選でPolymarketはトランプ氏の優勢を約80%超と早期に示し、世論調査(五分五分)よりも結果に近い数値を示しました。
なぜ仮想通貨を使うのか?
予測市場は仮想通貨(特にステーブルコイン)を使うことで本領を発揮します:
1. 国境を越えた取引が可能
仮想通貨は銀行を介さず、世界中から瞬時に参加可能。Polymarketはポリゴンというブロックチェーン上で動作し、グローバルなユーザーが集まります。
2. USDC(ステーブルコイン)で価格安定
Polymarketは1ドル=1USDCに固定されたステーブルコインを使用。ビットコインのような価格変動がないため、「仮想通貨の暴落で損した」という事態を防げます。
3. ブロックチェーンで透明性確保
すべての取引記録が公開され、誰でも検証可能。不正ができない仕組みです。
👉:合わせて読みたい【仮想通貨】USDCとは?日本で初めて取り扱いが開始されたステーブルコインの魅力
ギャンブルとの違い
| 項目 | ギャンブル | 予測市場 |
|---|---|---|
| 運営者 | 胴元が設定 | ユーザー同士 |
| オッズ | 運営者決定 | 需給で自動決定 |
| 手数料 | 20〜30% | 2〜5% |
| 透明性 | ブラックボックス | 全公開 |
注釈:手数料は一般的な目安です
覇権争いの焦点は「規制」!Polymarket vs Kalshi
Polymarket:POLYトークン発表も、規制の壁
Polymarketは2024年大統領選で約30億ドルの取引高を記録しましたが、米国では「規制未承認」という弱点があります。現在TVLは2.45億ドルに達し、夏以降100%成長。さらに10月24日、CMOのMatthew Modabber氏が独自トークン「POLY」の発行とエアドロップ計画を公式確認しました。
Polymarket上の予測では、2025年末までに米国版がローンチされる確率は89%とされています(これ自体もユーザーの予測に基づく数値です)。
TVLとは?
TVL(Total Value Locked)は、プラットフォームに預けられている資産の総額のこと。TVLが大きいほど、多くのユーザーが資金を預けていることを意味し、プラットフォームの信頼性や人気度を測る指標として使われます。
👉:合わせて読みたい【仮想通貨】2025年も話題!エアドロップの最新情報と活用方法
Kalshi:CFTC認可済みの「正統派」
Kalshiは2020年にCFTCから正式承認を受けた米国初の予測市場プラットフォームです。2024年10月の月間取引高44億ドルでPolymarketを上回り首位。銀行口座から直接ドルで入金でき、初心者のハードルも低いのが特徴です。
「予測市場=ギャンブル?」規制当局との攻防
予測市場の最大の問題は、規制当局が「これはギャンブルだ」と判断するリスクです。ルーマニアはPolymarketを、2024年10月31日~11月初旬ごろに「無免許ギャンブル」としてブラックリスト入りさせました。米国でも州政府から「CFTCが勝手に許可するのはおかしい」との声が上がっています。
ココがポイント
なぜ規制が厳しい?
予測市場は「金融商品」と「ギャンブル」の境界線上に存在。CFTCは「情報収集ツール」と主張し、ギャンブル規制当局は「実質的な賭博」と反論。この対立が成長を阻む壁です。
日本人は予測市場に参加できる?知っておくべき3つのポイント

1. 日本人が予測市場に参加する方法(2025年11月6日時点)
現時点で日本人が予測市場に参加する選択肢は限られています:
①Polymarket(技術的には可能、ただし法的グレーゾーン)
- 日本からのアクセスは現時点でブロックされていない
- USDCを用意すれば技術的には参加可能
- ただし日本の賭博罪に抵触する可能性あり(法的にグレー)
- 規制変更リスク(ルーマニアのように突然ブロックされる可能性)
②Kalshi(利用不可)
- 米国居住者のみ利用可能
- 日本からはアクセス不可
③Truth Predict(準備中・詳細不明)
- まだローンチされていない
- 利用可能地域は未発表
④gumi日本版(検討段階)
- まだ存在しない
- 実現すれば日本人でも合法的に参加可能(の見込み)
2. gumiが「日本版Polymarket」を本気で検討中
東証プライム上場のモバイルゲーム開発会社gumi(グミ)が10月31日、ブロックチェーン技術を活用した「予測市場サービス」の事業化検討を発表しました。連結子会社「gC Labs」が主導し、AIとブロックチェーンを組み合わせた日本版を構想しています。
ただし、日本では賭博罪との兼ね合いが最大の課題。「金銭を賭けて偶然の結果により利益を得る行為」は原則禁止。予測市場が「情報ツール」として認められるか、「賭博」と判断されるかが分かれ道です。
gumiは「日本の法規制に準拠した形で」と強調しており、金融庁や消費者庁との調整が進むかどうかが鍵となります。
3. 仮想通貨業界への影響とトークン保有の誤解
たとえ日本人が予測市場に直接参加できなくても、この分野の成長は日本の仮想通貨業界に影響を与えます:
①USDCなどステーブルコインの需要拡大
海外の予測市場がUSDCを使用するため、間接的にUSDCの需要が世界的に拡大。日本の取引所でもUSDCの取り扱いが増える可能性があります。実際、GMOコインがUSDC検討中、SBI VCトレードがステーブルコイン事業を強化中です。
②ブロックチェーン技術の新ユースケース
予測市場は「ブロックチェーンが実社会で役立つ」具体例。日本企業(gumi)の参入検討で、Web3人材育成や技術革新が加速する可能性があります。
③関連トークンの投資対象化(ただし参加権ではない)
PolymarketのPOLYトークンが日本の取引所に上場すれば、「予測市場プロジェクトへの投資」という形で間接的に関われます。
⚠️重要:トークン保有 ≠ 予測市場参加
USDCやPOLYトークンを持っていても、Polymarketプラットフォームにアクセスできなければ予測市場には参加できません。
・USDC:予測市場で使う「通貨」にすぎない(プラットフォームへのアクセスが必須)
・POLYトークン:「ガバナンストークン」または「報酬トークン」の可能性が高く、予測市場で賭けるための通貨ではない
例えるなら、USDCは「ディズニーランドで使えるお金」、POLYは「ディズニー株」。でも日本から「ディズニーランド(=Polymarket)」に入れなければ、お金も株も予測市場には使えません。
予測市場を理解するための基礎知識チェックリスト
予測市場が日本に上陸する前に、基礎知識を身につけましょう:
✅ 基本理解編
- 予測市場とギャンブルの違いを説明できる
- USDCは「参加用の通貨」、POLYは「プロジェクトへの投資」と理解している
- トークン保有≠予測市場参加権と認識している
✅ 規制・法律編
- 日本の賭博罪の基本を理解している
- Polymarketへの日本からのアクセスは法的グレーゾーンと認識
- gumiの検討内容と課題を理解している
✅ 情報収集編
- Polymarket/Kalshi/Geminiの公式情報源を知っている
- gumiの事業検討の進捗をフォローしている
- 日本の金融庁の動向を追っている
⚠️重要な注意事項
- 規制リスク: 海外サービス利用は法的グレーゾーン
- 投資リスク: 予測が外れれば資金を失う
- 税務リスク: 利益は雑所得として課税(最大55%)
- 技術リスク: ウォレットの秘密鍵紛失で資金喪失
まとめ:予測市場は仮想通貨の次のフロンティア
Geminiの予測市場参入準備をきっかけに、仮想通貨業界は新たな戦場に突入しました。Polymarketが切り開いた市場に、Kalshi、Gemini、Trump Media×Crypto.com、日本のgumiが参戦。
ただし、規制リスクは依然として大きく、「予測市場=ギャンブル」と判断されれば規制強化の波が押し寄せる可能性も。
日本人にとっては、gumiの日本版実現が合法的に参加できる最も現実的な道となりそうです。
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。レバレッジ取引は特にリスクが高く、資金を全て失う可能性があります。投資判断は自己責任で行ってください。必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう
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