
本日2025年10月28日、米国市場で歴史的な動きがありました。ソラナ、ライトコイン、ヘデラの現物ETFについて、 NYSEやナスダックから上場通知(listing notices)が出され、 明日10月29日から取引が開始されます。ビットコインとイーサリアムに続く、アルトコイン初の大型ETF上場です。
しかし、日本の仮想通貨(暗号資産)投資家は、ETFそのものを買えるわけではありません。重要なのは、この動きが仮想通貨市場全体の資金の流れをどう変え、価格にどう影響するのか——それこそが、今知るべき核心です。
本記事で分かること
- ETF上場が仮想通貨価格に与える実際の影響パターン
- 機関投資家の資金流入規模予測と市場への波及効果
- 日本のトレーダーが今取るべき戦略と注意点

ソラナ、ヘデラ、ライトコインの現物ETF、取引開始へ

明日2025年10月29日、
ソラナ(SOL)、
ライトコイン(LTC)、
ヘデラ(HBAR)の現物ETF(上場投資信託)がニューヨーク証券取引所とナスダックで取引を開始します。ビットコインとイーサリアムに続く、アルトコイン初の大型ETF上場です。
異例なのは、米国政府の一部業務停滞という混乱の中での上場実現。SECの人員不足にもかかわらず、取引所の包括上場基準(Generic Listing Standards)の仕組みを活用して手続きが進められました。
機関投資家マネーがアルトコインへ本格流入する「第2フェーズ」の きっかけとなる可能性があるのか、それとも「噂で買って事実で売る」典型パターンなのか。市場は重要な分岐点に立っています。
ココがポイント
あれ?と思った皆さん、そうです!実は米国では7月以降、 REX-オスプレイ社などが複数のアルトコインETF(ソラナ、ドージコイン等)を 上場済みです。ただし、これらは1940年投資会社法の「裏技的な仕組み」で 先行上場したものでした。
今回(10月29日)との違い:
・ 承認ルートが違う:REX-オスプレイ社は迂回ルート、今回は9月に導入された「包括上場基準」による正式ルート
・ 大手が参入:ビットワイズ、グレイスケールなど機関投資家が信頼する大手運用会社
・ メジャー市場:NYSE・ナスダック上場(既存はシカゴの中堅取引所)
・ 競争激化:ソラナで3社競合、手数料0.20%の低価格競争 ※Bitwiseは期間限定で手数料0%
・ ステーキング機能:REX-オスプレイも今回のBitwiseも ステーキング機能を提供。Bitwiseは平均7%以上のステーキング報酬を目指し、 資産の100%をステーキングする方針で、長期保有を促し 市場の売り圧力を抑える効果も期待される
つまり、
7月以降の先行ETFは「法の抜け穴を使った実験段階」、今回は「SEC公認ルートでの本格的な機関投資家マネー獲得競争」です。
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ビットコインETFの前例から読み解く:価格への影響パターン
2024年ビットコインETF承認時に何が起きたか
今回のアルトコインETF上場の影響を予測するには、2024年1月のビットコインETF承認時の市場動向が最良の教科書となります。
ビットコインETF承認前後の価格推移(検証済み):
- 承認時(2024年1月10日):約46,000ドル
- 承認直後(1月23日まで):約38,900ドルまで下落(約15%の調整)
- 承認3カ月後(3月):73,000ドル超の史上最高値を更新
重要なのは、「承認直後は下落、その後数カ月で大幅上昇」という典型的な「Buy the rumor, sell the news(噂で買って事実で売る)」パターンが観測された点です。ReutersやInvestopediaの報道でもこの動きが確認されています。
実際、ブラックロックのIBIT(ビットコインETF)は承認後、大規模な機関投資家資金の流入を記録。複数の報道によると、米国スポットビットコインETF全体で約63億ドルの純流入が確認され、この継続的な資金流入が、ビットコイン価格を中長期的に押し上げる原動力となりました。
アルトコインETFでも同じパターンが再現されるか
今回のソラナ、ライトコイン、ヘデラETFでも、同様のパターンが予想されます。ただし、重要な違いがあります:
| 比較項目 | ビットコインETF | アルトコインETF |
|---|---|---|
| 市場の認知度 | 非常に高い | まだ限定的 |
| 初年度流入予測 | 実績:約63億ドル | JPモルガン予測:15億ドル(ソラナ単独) |
| 市場規模(時価総額) | 約2.3兆ドル | SOL:約1000億ドル、LTC:約76億ドル、HBAR:約120億ドル |
| 価格への影響度 | 大きいが緩やか | 小さいが急激な可能性 |
市場規模が小さいアルトコインは、同じ資金流入額でもビットコインより大きな価格変動を引き起こす可能性があります。これは日本のトレーダーにとってチャンスでもあり、リスクでもあります。
機関投資家マネーの規模予測:JPモルガンの慎重な見方

JPモルガンが予測する資金流入シナリオ
今回上場したアルトコインETFへの機関投資家資金流入について、JPモルガンのアナリストチームは慎重な予測を発表しています。
JPモルガンの予測(2025年10月9日):
- ソラナETF初年度流入予測:約15億ドル
- これはイーサリアムETFの約7分の1の規模
- 理由:ソラナのオンチェーン活動の減少、競合ETFの増加、投資家疲れ
ライトコインとヘデラのETFについては、個別の流入予測は公表されていませんが、市場規模から推測すると、それぞれ数億ドル規模になると考えられます。
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時価総額比で見る資金流入のインパクト
仮にJPモルガンの予測通り15億ドルがソラナETFに流入し、他の2銘柄にも合計で数億ドルが流入した場合、時価総額に対する比率で見るとインパクトが異なります:
ソラナ(時価総額約1000億ドル):15億ドル流入=約1.5%の新規資金
ライトコイン(時価総額約76億ドル):仮に5億ドル流入=約6.6%の新規資金
ヘデラ(時価総額約120億ドル):仮に3億ドル流入=約2.5%の新規資金
※ライトコインの時価総額は2025年10月28日時点で約76億ドル(CoinMarketCap等の複数ソースで確認)
特にライトコインは、時価総額が小さいため、資金流入の相対的インパクトが大きくなる可能性があります。実際、FXStreetのアナリストは、ライトコイン価格が135ドル(現在約99ドル)まで上昇する可能性を指摘しています。
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時価総額と流動性の関係とは?
時価総額とは、その仮想通貨の発行済み総量×現在価格で計算される市場規模のこと。時価総額が小さい銘柄ほど、同じ金額の資金流入でも価格が大きく動きやすい特性があります。これは、流動性(売買のしやすさ)が低いためです。
「アルトシーズン」到来のシグナルか:ビットコイン優位性の変化
ビットコインドミナンスが示す資金の流れ
仮想通貨市場全体の動きを理解する上で、ビットコインドミナンス(Bitcoin Dominance)は最も重要な指標の一つです。これは、仮想通貨市場全体の時価総額に占めるビットコインの割合を示します。
2025年の市場動向:
- 2025年5月:ビットコインドミナンス約61%
- 2025年10月:約59%(2ポイント低下、相対的には約3%の減少)
- アルトコインは7月以降、平均50%以上上昇
この数字が意味するのは、機関投資家を含む市場参加者が、ビットコインからアルトコインへと資金をローテーション(移動)させ始めているということです。
BeInCryptoのアナリストは、「ビットコインドミナンスが57%を下回れば、本格的なアルトシーズン(アルトコイン相場)に突入するシグナルとなる」と分析しています。
今回のETF上場がアルトシーズンを加速させる理由
アルトコインETFの上場は、この資金ローテーションを加速させる3つの要因を提供します:
- 規制された投資手段の提供:機関投資家が「安心して」アルトコインに投資できる環境
- 流動性の向上:ETFを通じた大口取引が可能になり、価格の安定性向上
- 市場の正当化:「ETF化された=信頼できる資産」という認識の広がり
Token Metricsのレポートによると、2025年第4四半期は歴史的にライトコインが強いパフォーマンスを示す傾向があり、今回のETF上場とのタイミングの一致が、さらなる上昇圧力となる可能性があります。
日本のトレーダーが今取るべき3つの戦略

戦略①:短期vs中長期の見極めが生死を分ける
今回のETF上場を受けて、日本の投資家が最初に判断すべきは投資期間です。
短期トレード戦略(1週間〜1カ月):
- ✅ 上場直後の利益確定売りを想定した逆張り戦略
- ✅ ボラティリティ(価格変動)の拡大を利用したスイングトレード
- ❌ 過度なレバレッジ取引は避ける(急激な値動きのリスク)
中長期投資戦略(3カ月〜1年):
- ✅ 機関投資家資金の継続流入を見込んだ現物保有
- ✅ ビットコインドミナンスの低下トレンドに乗る
- ✅ 複数のアルトコインに分散投資(SOL、LTC、HBARだけでなく次のETF候補も視野に)
ビットコインETF承認時の経験則から、ETF上場直後1〜2週間は価格が不安定になる可能性が高く、その後2〜3カ月かけて本格的な上昇トレンドに入るパターンが予想されます。
戦略②:次のETF候補銘柄を先回りする
今回の3銘柄だけでなく、次にETF化される可能性が高い銘柄にも注目することが重要です。現在SECで審査待ちの主な銘柄:
| 銘柄 | 申請企業 | 承認確率(Polymarket予測) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ビットワイズ、カナリー、21シェアーズ | 99% | SEC訴訟決着で環境好転 | |
| 複数社が関心 | 未公表 | ミームコインとして初のETF化なるか | |
| グレイスケール等 | 90%以上 | 学術的アプローチで機関投資家に人気 |
ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は、「2025年末までに95%の確率でソラナ、XRP、ライトコインのETFが承認される」と予測していましたが、今回その予測が現実となりました。次はXRPが最有力候補です。
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戦略③:「Sell the News」パターンへの備え
過去の仮想通貨市場では、大きなイベント後に「事実で売る」動きが顕著に現れてきました。
警戒すべき「Sell the News」のシグナル:
- 上場直後の急激な出来高増加と価格下落
- SNSやメディアでの過度な盛り上がり(過熱感)
- テクニカル指標でRSI(相対力指数)が70以上の買われすぎ水準
イーサリアムETF承認時(2024年7月)には、承認前に価格が急騰し、承認直後に約15%下落するパターンが観測されました。今回も同様の動きが出る可能性があります。
具体的な対策:
- 保有ポジションの一部を利益確定(全売却ではなく段階的に)
- ストップロス(損切りライン)を必ず設定
- 急落時の追加購入資金を確保しておく
日本の投資家が知っておくべき3つのリスク要因
リスク①:政府業務停滞が長期化した場合の影響
今回のETF上場は、米国政府の一部業務停滞という異例の状況下で、取引所の包括上場基準を活用して実現しました。しかし、他の申請中ETFの承認は依然として停止状態にあります。
業務停滞が長期化すれば:
- XRPなど次の候補銘柄のETF承認が大幅に遅延
- 市場の期待感が萎み、アルトコイン全体の価格下押し圧力に
- 既存ETFへの資金流入ペースが鈍化する可能性
CryptoSlateの分析によると、政府業務停滞により約100件近くのETF申請が審査保留状態となっており、「市場の回復力を試す試練」と表現されています。
リスク②:オンチェーン活動の減少懸念
JPモルガンがソラナETFへの流入予測を抑制的にした理由の一つが、ソラナネットワーク上の取引活動(オンチェーン活動)の減少です。
仮想通貨の本質的価値は、そのネットワークがどれだけ実際に使われているかに依存します。ETFという「外部からの投機資金」だけでは、長期的な価格維持は困難です。
リスク③:競合ETFの増加による資金分散
現在92件以上のETF申請がSECで待機中です。今後これらが次々と承認されれば、限られた機関投資家マネーが多数のETFに分散され、個別銘柄への影響が薄まる可能性があります。
これは「先行者利益」の重要性を示唆しており、今回上場した3銘柄が有利な立場にある一方、今後の新規上場ETFは期待ほどの資金を集められない可能性もあります。
まとめ:ETF上場は「終わり」ではなく「始まり」——市場の分水嶺
2025年10月29日のソラナ、ライトコイン、ヘデラETF上場は、仮想通貨市場における重要な転換点です。しかし、日本のトレーダーにとって本当に重要なのは、この出来事をどう読み解き、次の一手を打つかです。
市場は今、機関投資家マネーが本格的にアルトコインに流入する「第2フェーズ」の入り口に立っています。ビットコインとイーサリアムのETF承認が「序章」だとすれば、今回のアルトコインETFラッシュは「本編の始まり」です。
ただし、この波に乗るには冷静な分析と戦略が不可欠です。過度な期待で飛びつくのではなく、短期的な変動リスクを理解した上で、中長期的な機関投資家マネーの流れを捉える——それが、2025年後半の仮想通貨市場で勝ち残るための鍵となるでしょう。
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。レバレッジ取引は特にリスクが高く、資金を全て失う可能性があります。投資判断は自己責任で行ってください。必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう
海外取引所・DEX利用時の重要な注意事項
法的リスクについて
・日本居住者の利用は、完全に自己責任での利用となります
・資金保護や紛争解決において、日本の法的保護を受けられません
・エアドロップや取引利益は課税対象です。必ず税務申告を行ってください
📌 本記事について
- 本記事は2025年10月28日時点の報道情報に基づいています
- ETFの取引開始状況は各取引所により異なる場合があります
- 資金流入予測やアナリスト見解は複数の報道を参照していますが、
確定的な数値や保証されたものではありません
- 投資判断は必ずご自身の責任で、最新情報を確認の上行ってください
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