仮想通貨(暗号資産)市場で注目されるアルトコインシーズン指標が、9月中旬現在で2025年最高水準となる76-80ポイントの範囲を記録しています。Blockchain Centerでは80ポイント、BeInCryptoの分析では80ポイントに達したと報告されており、これは2024年12月以来の高水準です。しかし複数の専門家は、今回のアルトシーズンは2017年や2021年とは「パターンが異なる」と指摘しています。

本記事で分かること
- アルトコインシーズン指標の最新状況
- 従来バブルパターンとの相違点
- ETF時代の市場構造変化
複数指標が示すアルトシーズンの兆候
出典:Blockchain Center net|Altcoin Season Index
各指標とも年内高水準を記録
複数の主要なアルトコインシーズン指標が、それぞれ年内高水準近辺に達していると報じられています。
指標提供元 | 報告数値 | 報告メディア | 意味 |
---|---|---|---|
Blockchain Center | 80ポイント | 公式サイト | 過去90日で80%のアルトコインがBTCを上回る |
BeInCrypto分析 | 80ポイント | BeInCrypto | 2025年最高水準と報告 |
CoinGlass | 76ポイント | Cointelegraph | 前日比上昇 |
CoinMarketCap | 67ポイント | 各種報道 | やや控えめだが上昇傾向 |
アルトコインシーズン指標とは?
アルトコインシーズン指標は、過去90日間で主要50銘柄のうち75%以上がビットコインを上回った場合に「アルトシーズン」と判定します。各提供元で集計方法が若干異なるため、数値にはバラつきがあります。
市場データが示唆する資金動向の変化
BeInCryptoの分析によると、9月に入ってからアルトコイン取引量の増加傾向が確認されています。同メディアは「アルトコイン取引量がBTCとETHの取引量を上回る現象が9月に観測された」と報じており、これは資金回転の兆候として注目されています。
また、Cointelegraphは「2024年12月以来の高水準でのアルトシーズン指標上昇」と報道し、市場関係者の間でアルトシーズン到来への期待が高まっていると伝えています。

「今回は何が違うのか?」専門家が指摘するパターン変化
従来パターン:予測可能だった「ビットコイン→アルト」の流れ
2017年と2021年の過去2回の主要サイクルでは、比較的明確なパターンがありました。
従来の典型的バブル構造
- 第1段階:ビットコインが先行して上昇開始
- 第2段階:ビットコイン支配率がピーク(70-85%)
- 第3段階:個人投資家がビットコインで利益確定
- 第4段階:アルトコインに資金移動(支配率40%台まで低下)
- 第5段階:アルトコイン全面高
- 第6段階:市場全体の調整
過去サイクルでの支配率変化
- 2017年サイクル:85% → 38%程度まで低下
- 2021年サイクル:73% → 40%程度まで低下
- 2024-2025年サイクル:58-60%で比較的安定
ビットコイン支配率とは?
ビットコイン支配率は、仮想通貨市場全体に占めるビットコインの時価総額割合。従来は70%超から40%台まで大幅に低下することでアルトコインへの資金流入が加速していました。
今回のパターン:「支配率が下がりにくい」現象
市場構造の変化要因
要素 | 2017年・2021年 | 2024年・2025年 |
---|---|---|
主要プレイヤー | 個人投資家中心 | 機関投資家の参入増加 |
投資手段 | 取引所での直接購入 | ETF経由の投資拡大 |
投資スタンス | 短期〜中期の売買 | 長期保有傾向の増加 |
ビットコインの位置づけ | 投機対象 | 価値保存資産としての認識拡大 |
Fundstrat社のトム・リー氏は、Yahoo Financeのインタビューで「機関投資家の持続的な資金流入が従来の4年サイクルに影響を与える可能性がある」と分析しています。
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ETF導入による市場への影響
機関投資家の投資行動変化
Block Scholesの分析レポートによると、ETFを通じた機関投資家の資金は「sticky money(粘着性資金)」と呼ばれ、以下の特徴があると指摘されています:
- 年金基金・保険会社:長期投資戦略の一環として保有
- 資産運用会社:ポートフォリオの戦略的配分として位置づけ
- 企業財務部:treasury strategy(財務戦略)として活用
ETF関連の動向

新しいアルトシーズンの可能性:専門家の見解
The Total Altcoin Market Cap has been knocking on the door of the 2021 all time high, which it has yet to break.
Once we do see the altcoin market as a whole back in price discovery, I expect that to kick off some wider excitement and risk on for alts. This will also help with… pic.twitter.com/gFncHkGOom
— Daan Crypto Trades (@DaanCrypto) September 10, 2025
強気派の分析
アルトシーズン加速派の見解
- ダーン・クリプト・トレード氏:「アルトコイン市場全体が価格発見段階に入る可能性」とX(Twitter)で分析
- カラン・シン・アローラ氏:「9カ月で最強の指標数値、トレーダーがリスクオン姿勢」とコメント
慎重派の見解
構造変化を重視する分析
- Bitfinex Alpha:「真のアルトシーズンは複数のアルトコインETF承認まで本格化しない可能性」
- ETF専門家:「機関資金の流入パターンは過去の個人投資家主導の爆発的上昇とは異なる」
注目される銘柄動向
9月入り後、複数のアルトコインが急騰しています。ただし上昇の仕方は大きく二種類に分かれており、ワールドコインのように短期間で急騰した銘柄と、ソラナのように中期でじわじわ上昇している銘柄があります。以下で時間軸ごとに整理して紹介します。
出典:TradingView|アルトコインの時価総額
直近のパフォーマンス上位銘柄(短期急騰組・9月入り後)
銘柄 | 直近パフォーマンス | 現在価格帯 | 特徴 |
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24時間で+122%急騰 | 1.8–1.9ドル | AI・デジタルID、Sam Altman関連で機関投資家注目 |
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+3%以上(直近) | 変動大 | DeFi新興プロジェクト、取引所上場効果 |
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+11%(直近) | 29ドル | レイヤー1ブロックチェーン、1月以来の高値 |
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+5%(直近) | 0.25ドル突破 | 心理的節目クリア、決済利用拡大 |
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+3%以上 | 0.40ドル台 | 国際送金での実用性、規制適合性 |
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中期で堅調に上昇している銘柄(9月入り後)
銘柄 | パフォーマンス | 現在価格帯 | 特徴 |
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過去30日で+20%超 | 235–240ドル | ETF期待、DeFi生態系拡大、トップ5入り |
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年初来+37.13% | 0.6ドル前後 | 規制クリア期待、国際送金実用化 |
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年初来+30.48% | 2,500ドル台 | ETFと技術アップグレードが好材料 |
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年初来+32.58% | 0.12ドル台 | アジア市場での強固な地位 |
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9月入り後急上昇(直近数日で+約2.7%) | 約931ドル | BinanceとFranklin Templeton提携、機関投資家注目、需要増加 |
セクター別動向分析
急成長セクター
- AI・テック関連:ワールドコイン(+122%)が牽引、機関投資家の関心拡大
- レイヤー1:ソラナ(+20%)、アバランチ(+11%)がETF期待で上昇
- DeFi:ハイパーリキッド年初来86%上昇、流動性マイニング需要回復
安定成長セクター
- 決済・送金:XRP、ステラが規制適合性を武器に堅調推移
- 老舗銘柄:ドージコイン、ライトコインが実用性拡大で復活
レイヤー1ブロックチェーンとは?
レイヤー1ブロックチェーンは、ビットコインやイーサリアムのような基盤ブロックチェーンのこと。多くのDApps(分散型アプリ)の土台となるため、ETF候補として機関投資家の注目度が特に高いセクターです。
👉:合わせて読みたい【仮想通貨】超初心者でも絶対わかる!ブロックチェーン入門

投資家への示唆:変化する市場への対応
従来手法の見直しが必要な理由
専門家が指摘する変化要因
従来の前提 | 現在の状況 | 対応の方向性 |
---|---|---|
4年サイクルの規則性 | 機関投資家で周期性に変化 | ファンダメンタル分析重視 |
個人投資家主導 | 機関投資家の影響力拡大 | 機関動向の追跡 |
短期投機的動き | 長期保有傾向の増加 | 中長期投資戦略 |
新時代の投資考慮点
重視すべき要素(専門家提言)
- 規制適合性:ETF候補になりうる要件
- 実用性・普及度:実際の利用事例の有無
- 技術的優位性:スケーラビリティ・セキュリティ
- 機関投資家の関心:大手企業の採用事例
注目セクター(アナリスト分析)
- レイヤー1ブロックチェーン:基盤技術として評価
- DeFiインフラ:金融サービスの実用性
- 決済・送金:規制クリア済みの安定性
- エンタープライズ向け:企業採用の拡大
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金ちゃんがトレーダーとして勝てるようになった覚えるべき3要素
1️⃣ ラインの強度(覚えるべき4つのチャート)https://erovers.jp/2024/04/21/chart
2️⃣ ロールリバーサル https://erovers.jp/2024/04/21/3206/
3️⃣ 真空地帯 https://erovers.jp/2023/10/25/fxsinkuu/
リスク要因の変化
新たに考慮すべきリスク
・ETF資金流出による急激な変動
・規制環境の変化による市場構造への影響
・機関投資家の投資方針変更
・アルゴリズム取引の影響拡大
リスク管理の考え方(専門家推奨)
・段階的投資:一度に大きな金額を投入しない
・分散投資:特定銘柄・セクターへの集中を避ける
・情報収集:ETF動向・規制ニュースの定期確認
・長期視点:短期変動に過度に反応しない
まとめ:市場構造変化の可能性を示唆
アルトコインシーズン指標の年内高水準到達は確かに注目すべきニュースですが、多くの専門家が指摘するように、その背景にある市場構造の変化こそが重要な意味を持つ可能性があります。
今回のアルトシーズンの特徴(専門家分析)
- 段階的推移:爆発的上昇ではなく持続的な変化
- 選別投資:実用性と規制適合性を重視した銘柄選択
- 機関投資家の影響拡大:ETF経由での投資増加
- 投資手法の変化:短期売買から長期保有志向へ
投資家への示唆
- 従来パターンの参考度低下:過去のサイクル分析の限界を認識
- ファンダメンタル分析の重要性増大:技術・実用性・規制対応の評価
- 長期視点の採用:短期変動への過度な反応を避ける
- 情報収集の継続:ETF・規制動向の定期的なフォロー
注意事項: ただし、これらの分析は現時点での専門家見解であり、市場の将来動向を保証するものではありません。また、ETF主導の市場でも資金の大規模な流出入による急激な変動リスクは依然として存在するため、慎重な投資判断が求められます。
この変化が一時的なものか、それとも仮想通貨市場の構造的転換点なのかは、今後数ヶ月の市場動向と機関投資家の行動によって明らかになると考えられます。

参考記事
- Altseason index hits highest level this year [Cointelegraph]
- 4 Signs the Altcoin Season Is Accelerating in September [BeInCrypto]
- Institutional Buyers May Break Bitcoin's Traditional Four-Year Cycle [Yahoo Finance]
- Altcoin Season Index
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。
仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。投資判断は自己責任で行ってください。
必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう。
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