
「ビットコインが下がったと思ったら原油は急騰、円安も進んでいる……。結局、何が相場を動かしているの?」
今週の相場を読み解くカギは、原油・米国金利・ドルの動きです。10月8日、中東情勢への警戒から原油が約4%上昇。BTCは9日に一時約8万300ドルまで下げましたが、その後8万2,500ドル付近へ戻りました。
トランプ大統領の「中間選挙前にイランを攻撃しない」との発言も市場の注目を集めました。ただし、BTCの下落や反発を原油や発言だけで説明することはできません。ETFの資金流出や米国株の動きも重なっています。
日本ではソフトバンクGが急落し、米国ではスペースXの通信事業拡大を警戒してTモバイルなどが1日で最大約13%安。5つの市場を比べ、3連休明けに何を確認するべきか整理します。
本記事で分かること
- BTCは約7.3億ドルのETF流出後、なぜ8万ドル台を維持した?
- 原油・ドル円・株は、BTCとどうつながる?
- 3連休明けに、まず何を見ればいい?

市場価格・時刻は原則として日本時間10月10日12時までの情報です。出典は各節に記載。値動きの原因については、確認された事実と市場の解釈を分けています。
BTCは8万ドル台を維持!約7.3億ドル流出でも反発した理由
「ETFから大量のお金が抜けたのに、なぜビットコインは8万ドルを割らなかったの?」

▲ビットコイン1時間足(TradingView)
9日2時台に約8万300ドルの安値をつけた後、BTCは反発。9日20時台には8万3,000ドル台を回復し、10日12時頃には約8万2,500ドル(約1,305万円)で推移しました。
売り圧力の一つが、米国のビットコインETFから7日と8日の2日間で約7.3億ドルが流出したこと。8日には暗号資産市場全体で約12億ドル規模のポジションが強制決済されたと報じられています。
| 日本時間 | ビットコイン |
|---|---|
| 9日2時台 | 約8万300ドルまで下落 |
| 9日20時台 | 8万3,000ドル台へ回復 |
| 10日12時頃 | 約8万2,500ドル |
CoinDeskは反発の背景として、トランプ大統領のイランに関する発言と米国株先物の上昇を挙げています。ただし、発言だけが反発の原因だったとは断定できません。
週間下落率は集計基準によって約2~4%と幅があります。3週続いた上昇はいったん止まりましたが、大きな資金流出があっても8万ドル台を維持した点が注目されます。
こんな方におすすめ
- BTCの値動きをニュースとつなげて知りたい方
- 日本株やドル円も気になるけれど、全部は追いきれない方
- 3連休明けに見るポイントを先に決めたい方
では、BTCと同じ週に大きく動いた原油市場では、何が起きていたのでしょうか。
👉:合わせて読みたい【相場分析】BTC、夜中の急落は8万ドル台前半でストップ|82,300ドルを割った後の次の分かれ道
原油は一時105ドル台!イラン情勢と供給停止が価格を動かす

▲北海ブレント原油CFD1時間足(TradingView)
原油高が続くと、ガソリンや輸送費を通じて物価上昇への警戒が強まります。物価上昇への警戒 → 米国金利の上昇圧力 → 利息のつかないBTCには逆風という経路が考えられますが、必ずこの順番になるわけではありません。
米国10年国債利回りは9日時点で約5.2%台。8日にはイラン情勢を巡る供給不安で原油が約4%上昇し、チャートでは9日0時台に約105.8ドルの高値をつけました。
その後、トランプ大統領がSNSで、中間選挙前のイラン攻撃を否定し、協議は生産的だとの認識を示しました。
トランプ大統領は「11月3日の中間選挙前にイランを攻撃しない」と表明し、イランとの協議を「生産的」と説明しました。
▲報道された発言の要旨(逐語引用ではありません)
原油は9日1時台に急落し、BTCが安値をつけたのはその後の2時台。ただし、値動きの時刻が近いことだけでは因果関係を証明できません。
原油の下落には、トランプ氏の発言に加え、中国の石油製品輸出再開の見通しも影響しました。PVMのタマス・バルガ氏も、この二つが価格の重荷になったと説明しています。
一方、米メキシコ湾ではハリケーン接近により原油生産の70%超が停止。この供給減少が週末の原油相場を支え、ブレント原油先物は104.72ドルで週末を迎え、週間では約2%高となりました。
ポイント
原油とBTCが近い時間帯に動いたのは事実。ただし「原油だけがBTCを動かした」とは言い切れません。ETFの資金フローや米国株も併せて確認しましょう。
金利が高いとBTCにどのような逆風が吹くのかは、こちらの記事でも整理しています。
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【相場分析】「国債買い戻しでBTC強気」は本当?|長期金利5%超の逆風でも8万4千ドル台を守るビットコイン
米財務省の60億ドル国債買い戻しに海外トレーダーは「BTCに強気」。それでも9月から長期金利は4.84%→5.28%に上昇。82,300ドル・87,400ドル・90,000ドルの3本の線で次の展開を金ちゃんが解説。
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FXStreetのVishal Chaturvedi氏は、日米の金利差が円安を支える一方、160円付近では日本当局による為替介入への警戒が強まると分析しています。
つまり、円安が進むほど、今度は急激な円高への警戒も必要になるということ。BTCが上昇していても、為替が急反転すれば円建ての利益が削られる可能性があります。160円は単なる通過点ではなく、相場の空気が変わるかもしれない重要な水準なのです。
イラン情勢と原油の動きは、インスタグラムでも取り上げます。
原油と金利の影響を確認したところで、日本株では別の材料が注目されました。
日経平均は3日続落!ソフトバンクGが約4%下げた理由
「日経平均は高値圏なのに、なぜソフトバンクだけ大きく売られたの?」

▲日経225先物日足(TradingView)
10月9日の日経平均は69,030円(前日比11円安)で取引を終え、3日続落。それでも週間では721円高、4週連続の上昇でした。
10月に一時7万円台へ乗せた後、69,000円前後へ押し戻されています。この日、特に目立ったのはソフトバンクグループで、一時7%近く下げ、終値は5,803円(約3.9%安)でした。
| 10月9日 | 終値・値動き |
|---|---|
| 日経平均 | 69,030円(11円安・3日続落) |
| ソフトバンクG | 5,803円(約3.9%安) |
| 週間の日経平均 | 721円高・4週続伸 |
きっかけの一つは、ChatGPTを開発するOpenAIの売上に関する報道です。英フィナンシャル・タイムズによると、投資家に示された9月時点の年換算売上ペースは約500億ドルで、市場で意識されていた約700億ドルを下回りました。
ただし、年換算売上ペースは年間売上の確定値ではありません。年末に700億ドル超へ伸びるとの別の見通しもあり、比較する時点を揃える必要があります。
ソフトバンクGはOpenAIに大きく出資しているため、成長期待の見直しが株価に波及した可能性があります。一方で、AI関連株が日本市場で一斉に売られたわけではありません。
アドバンテストと東京エレクトロンは日経平均を押し上げ、押し下げの大きな要因にはファーストリテイリングもありました。日経平均の小幅安と、ソフトバンクGの急落は分けて見るのがポイントです。
ドル円は158円台!円安が続くかは原油と米国金利に注目
「158円台まで円安が進んだなら、このまま160円を目指すの?」

▲ドル円4時間足(TradingView)
トランプ大統領の発言を受け、ドル円は9日0時台に158円台前半から157円台後半へ円高が進みました。しかし、その動きは長続きしませんでした。
ニューヨーク市場では原油高に伴う米国金利上昇が意識され、一時158円43銭までドル高・円安が進行。その後は米国の消費者心理に関する弱い指標などを受け、158円台前半で週末を迎えました。
原油高は物価と金利への警戒を通じてドル買いにつながることがあります。ただし、為替は米国の経済指標や政策発言など複数の材料で動くため、原油が上がれば必ず円安になるわけではありません。
OANDAの注文状況では、158円台後半と160円付近に売り注文が比較的多く見られます。この水準で上昇が鈍るか、それとも突破するかが注目点です。
「円安が進むと、円で見たビットコインは高くなる。じゃあ、今は買い時なの?」と気になった方もいるのではないでしょうか。
実はBTCは、ドル建ての価格が横ばいでも、円安が進めば日本円では値上がりします。だからこそ、原油やドル円のニュースを知っておくと、売買のタイミングを考えるヒントになるんです。
日本の「介入の弾」はあといくら? 今年すでに27兆円を使っている
そう思う人がいるのも無理ありません📝
では、その介入に使うお金は、あとどれくらい残っているのでしょうか。
実は日本政府は、2026年だけで約27兆円もの円買い介入をすでに行っています。財務省の公表では、4月30日〜5月6日に約11.7兆円、7月30日〜8月26日に約15.4兆円。どちらも、2022年(約9.2兆円)や2024年(約9.8兆円と約5.5兆円)の介入を上回る規模です。
| 介入した時期 | 円買い介入の金額 |
|---|---|
| 2022年9〜10月 | 約9.2兆円 |
| 2024年4〜5月 | 約9.8兆円 |
| 2024年7月 | 約5.5兆円 |
| 2026年4〜5月 | 約11.7兆円 |
| 2026年7〜8月 | 約15.4兆円 |
一方、介入の元手になる日本の外貨準備は、9月末で約1兆1,784億ドル。1ドル=158円で計算すると約186兆円です。数字だけ見ると、まだまだ余裕がありそうに見えます。
ただし、この全額を介入に使えるわけではありません。中身を分けると、すぐに使いやすいお金はぐっと少なくなります。
| 外貨準備の中身(9月末) | 金額・使いやすさ |
|---|---|
| 預金 | 約1,552億ドル・すぐ使える |
| 証券(外国の債券など) | 約8,217億ドル・売れば使える |
| 金・SDR・IMFなど | 約2,015億ドル・介入には使いにくい |
ここから、過去と同じ規模の介入があと何回できるかを計算してみます。1ドル=158円、1回分は「1日で使った過去最大の約6.3兆円(2026年4月30日)」と「1つの局面で使った過去最大の約15.4兆円(2026年7〜8月)」の2通りです。
| 使うと仮定するお金 | 理論上できる回数 |
|---|---|
| 預金だけ(約24.5兆円) | 1日最大級なら約3回・局面ごとなら約1回半 |
| 預金+証券(約154兆円) | 1日最大級なら約24回・局面ごとなら約10回 |
※カズ試算。1ドル=158円、外貨準備9月末の値で計算。理論上の数字で、実際に実行できる回数ではありません
つまり、すぐ使える預金だけなら、今年7〜8月と同じ規模の介入は1回半ほど。今年使った約27兆円は、今の預金の額(約24.5兆円)を上回っています。
証券まで売れば回数は増えますが、外国の債券を大量に売ると、その国の金利を押し上げるおそれがあり、相手国との調整も必要になります。そのため、実際に実行できる回数は、理論上の数字よりかなり少ないと考えるのが自然です。
もう1つ意外な数字があります。9月は介入がなかったのに、外貨準備は8月末から約291億ドル減りました。内訳を見ると、金が約105億ドル、証券が約179億ドルの減少です。金の値下がりや、米国の金利上昇で債券の値段が下がったことが影響したとみられます。介入しなくても、「弾」の価値は相場しだいで目減りするということです。
ポイント
介入の元手は「約186兆円」と言われても、すぐ使えるのは約24.5兆円の預金。今年と同じペースで介入を続けられる余裕は、見た目ほど大きくありません。

海外金融メディアの見解
FXStreet|Vishal Chaturvedi氏
介入の効き目は、思ったより長続きしないことがあります。
国際通貨研究所の分析によると、7月31日に日米が協調して円を買った時、ドル円は約162円から8月3日には一時155円まで、約4.6%円高に動きました。それでも8月12日には159円台まで戻っています。
介入は流れを「止める」ことはできても、日米の金利差という根っこが変わらない限り、流れを「変える」のは難しい。しかも、すぐ使える弾は限られています。BTCを円で持つ人は、介入の日に円建ての値段だけが数%下がることがあります。知識は誰にも奪われない財産になる。
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Tモバイルが約13%急落!スペースXの通信参入を市場が警戒
「米国株は高値圏なのに、なぜ大手通信会社が1日で10%前後も下がったの?」

▲Tモバイル日足(TradingView)
10月9日、米国株の代表指数S&P500は約0.6%高の7,811付近で取引を終え、10月6日の高値圏にありました。一方で、大手携帯電話会社の株価は急落しました📉
| 銘柄 | 9日の値動き |
|---|---|
| Tモバイル | 約13%安 |
| AT&T | 約10%安 |
| ベライゾン | 約9%安 |
※Axiosなどを基に作成
きっかけは、スペースXが8日に発表した全米規模の携帯電話向け低周波数帯の利用免許を取得する契約です。衛星と地上設備を組み合わせたStarlink Mobileの拡大が、既存の通信会社への競争圧力になると受け止められました。
チャートではTモバイルが170ドル前後から148ドル台へ下落し、ここ半年余りで低い水準となりました。市場は、将来の通信料金や収益への影響を警戒しています。
ただし、サービス開始時期は確定していません。2027年後半との報道がある一方、2028年上期との見通しもあり、スペースXの10月8日の発表自体は開始日を明示していません。
米調査会社バーンスタインのアナリスト、マディソン・レザイ氏も、周波数帯を取得することと全国規模の通信網を完成させることは別だと指摘しています。取引の完了には米連邦通信委員会(FCC)の最終承認も必要です。
5つの市場を見たところで、最後に3連休明けの確認ポイントを整理しましょう。
まとめ|3連休明けは「原油・BTC8万2,300ドル・米国物価」を確認
「ニュースが多すぎて、結局どこから確認すればいいの?」
今週の3つの判断軸
- 原油と米国金利を一緒に見る。イラン情勢に加え、米メキシコ湾の供給停止も原油を動かしました。原油高はBTCに逆風となる場合がありますが、必ず同じ動きにはなりません。
- 資金流出後、BTCがどこで止まったかを見る。ETFから2日間で約7.3億ドル流出しても8万ドル台を維持。次は8万2,300ドル付近を終値で保てるかです。
- 市場全体と個別ニュースを分ける。S&P500が高値圏でも通信株は最大約13%安。ソフトバンクGの急落も、日本のAI株すべての下落を意味しません。
| 3連休明けに見るもの | 確認すること |
|---|---|
| イラン情勢と原油供給 | 原油が再び上がるか、供給停止が解消するか |
| 10月14日・米国9月CPI | 物価上昇圧力が強まるか |
| 10月27~28日・FOMC | 追加利上げの有無 |
※日本は10月12日がスポーツの日で3連休。米国の発表日程は変更される場合があります。
市場には、10月のFOMCで追加利上げを見送り、12月に実施するとの見方もあります。ただし、これは予想であり、今後の物価や経済指標次第で変わります。
BTCだけを見て売買を判断するのではなく、原油・金利・ドルを先に確認する。それが来週の相場で振り回されにくくなるための判断軸です。
ニュースの後追いが不安なら、公開された売買記録を判断材料に
「ニュースを見て買ったら、もう動いた後だった……。上手な人は、あの急落で何をしていたの?」
5つの市場を毎日追い続けるのは大変です。そんなときは、ニュースとは別の材料として、公開されているトレーダーの売買記録を観察する方法もあります。
「億トレニキ監視クラブ」で売買の動きを確認する

「億トレニキ監視クラブ」は、Hyperliquid上で公開されるトレーダーの売買情報を分析し、対象者の売買や決済をDiscordで知らせるサービスとして案内されています。
約45,000口座のデータを分析して対象トレーダーを選ぶ仕組みとのこと。今週のような急落時に、対象者が買ったのか売ったのかを振り返る材料になります。
ただし、過去に利益を出した人の取引が、今後も利益につながる保証はありません。公開データの観察は、自分の判断を点検するために使いましょう。
凄腕トレーダーは、今どう動いている?
億トレニキ監視クラブ|CLUBプラン:月額980円(掲載時の案内)
売買通知、簡単なチャート、Discordコミュニティを利用するプランとして案内されています。
※約45,000口座の分析数、サービス内容、料金、11月1日以降の価格改定予定は運営側の案内に基づきます。利用前にリンク先の最新条件をご確認ください。
夜間の値動きを追えない人へ|自動売買BOTという選択肢
今週のように、日本の深夜に相場が大きく動くこともあります。「寝ている間は追えない」「急落を見ると慌てて注文してしまう」という方もいるでしょう。
自動売買BOT「シャチクジラ」は、対象トレーダーの売買に連動して自分の口座で注文する仕組みとして案内されています。ただし、自動売買でも損失や強制決済が起こり、トレーダーの取引と同じ結果になる保証はありません。
夜間の売買を自動化する前に、仕組みとリスクを確認
シャチクジラ|PROプラン:月額9,900円(掲載時の案内)
MT5対応口座で、対象トレーダーの売買を自動的に反映するサービスとして案内されています。対応環境、取引口座、運用資金が別途必要です。
※提供状況・稼働実績・対応口座・料金改定予定は、この記事の市場ファクトチェックとは別項目です。契約前に最新の公式案内とリスク条件をご確認ください。
シャチクジラで自動売買を始めたい方や、ドル円・ゴールドなどのFX取引にも興味がある方は、FXGTもチェック! MT5対応で、幅広い銘柄の取引にチャレンジできます。
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的とし、特定の暗号資産・銘柄の購入や取引を推奨するものではありません。暗号資産・FX・レバレッジ取引・自動売買には元本割れや強制決済のリスクがあり、利益は保証されません。ご自身で仕組み、手数料、運営状況、リスクを確認して判断してください。
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金融アナリスト
40代男性