
2025年──この一年、私たち投資家は歴史的な転換点に立ち会いました。ビットコイン(仮想通貨)は10月に12万6000ドルの史上最高値を記録し、金価格は2万円超えという未踏の領域に突入。一方で円は158円台まで下落し、AI株は期待と警戒のはざまで揺れ動きました。トランプ氏の再選、高市政権の発足、日銀の歴史的利上げ──2025年はまさに「次の10年を決定づける年」だったと言えるでしょう。年末を迎えた今、この激動の1年を振り返り、2026年へ向けた指針をお届けします。
本記事で分かること
- 2025年主要市場の動きと転換点
- 各アセットクラスの年間パフォーマンス総括
- 2026年投資戦略の具体的指針

2025年市場を動かした3つの巨大テーマ

トランプ再選とグローバル政策転換
2025年1月20日、ドナルド・トランプ氏が第47代米国大統領として就任しました。「アメリカ第一主義」の復活は、世界経済に即座に影響を与えました。
🇺🇸トランプ政権がもたらした主要な変化:
- 関税政策の大幅強化により貿易摩擦が再燃
- 仮想通貨(暗号資産)フレンドリー政策でビットコイン準備構想が浮上
- 米ドル一強体制の終焉と多極化の進行
- AI・半導体産業への戦略的投資拡大
Bloombergの分析によれば、トランプ関税政策への警戒感が年間を通じて安全資産への資金流入を促進。金(ゴールド)価格の歴史的上昇の一因となりました。
高市政権と日本の財政・金融政策
🇯🇵2025年10月に発足した高市早苗政権は、「責任ある積極財政」を掲げ、2026年度予算案は122兆円超と過去最大規模を更新しました。
12月27日の記事で詳しく解説したように、この財政拡張路線は長期金利を2.1%(27年ぶり高水準)へ押し上げ、円安圧力を強めました。
一方、日銀は12月19日に政策金利を0.75%へ引き上げ。しかし市場は「利上げしても円安が止まらない」という異常事態を経験しました。その背景には、財政拡大による国債増発懸念と、構造的な円安要因(NISA資金流出、企業のM&A)が横たわっています。
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AIブームと「次の10年」への布石
エヌビディア株は2023年238%、2024年171%上昇に続き、2025年も40.4%の上昇を記録。3年連続での年足上昇が確定しました。
12月14日の記事で取り上げた「エージェント型AI」への移行は、2026年の重要テーマとなるでしょう。
しかし11月以降、AI投資への警戒感も台頭。エヌビディア株価は10月の最高値から12%下落し、時価総額は5兆ドルから4.4兆ドルへ縮小しました。
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2025年アセット別パフォーマンス総括

出典: @BullTheoryio|https://x.com/BullTheoryio/status/2005259920598606274
ビットコイン:栄光と試練の一年
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 年初価格 | 約79,000ドル |
| 最高値 | 126,272ドル(10月6日) |
| 年末価格 | 約87,000ドル |
| 年間騰落率 | +10.1% |
10月に史上最高値を記録した
ビットコインでしたが、その後は調整局面に。MoneyForward調査によれば、AI株との比較で相対的な魅力が低下したことが要因の一つとされています。
注目すべき構造変化:
12月25日の2025年ビットコイン総括記事で解説したように、「4年サイクル論」が崩壊しつつあります。Fidelity InvestmentsのJurrien Timmer氏は「2026年は休眠期」と予測する一方、Ark InvestのCathie Wood氏は「機関投資家参入で市場構造が変化している」と指摘。従来のサイクル理論が通用しない新時代に突入しました。
ゴールド・貴金属:バブルか、革命か
金(ゴールド)価格は年初の2657ドルから一時4550ドルの史上最高値へ急騰し、円建てでは2万5000円超えを記録。12月28-30日の貴金属バブル|前・中・後編で詳細に分析したように、銀(シルバー)は年間169%、プラチナは140%超で共に史上最高値を更新するなど、ほとんどの貴金属が歴史的上昇を遂げました。
2025年貴金属パフォーマンス:
| 資産 | 年間騰落率 | 最高値 |
|---|---|---|
| 金 | +74% | 約4,550ドル(12月、史上最高値) |
| 銀 | +169% | 83.90ドル(12月29日、史上最高値、45年ぶりに更新) |
| プラチナ | +140%超 | 2,478ドル(12月、史上最高値) |
| パラジウム | +80%前後 | 約2,000ドル |
JBpressの分析では、世界の債務残高346兆ドルに迫る中、法定通貨への信認低下が貴金属ブームの根底にあると指摘しています。
👉:合わせて読みたい
【貴金属バブル|前編】銀79ドル・プラチナ史上最高値の衝撃
【貴金属バブル|中編】2026年アナリスト予測と投資戦略の全貌
【貴金属バブル|後編】リスク管理の具体的手法と長期戦略の完全ガイド
ドル円:構造的円安の定着
| 時期 | レート | 主要イベント |
|---|---|---|
| 年初 | 156円台 | トランプ就任 |
| 4月 | 139円台 | 年間最安値 |
| 11月 | 157円台 | 高市政権・利上げ |
| 年末 | 155-156円台 | 財政不安継続 |
楽天証券の分析によれば、2025年は「ドル安・円安」が同時進行した異例の年でした。
日銀が利上げしても円安が進行するという「異常事態」は、日本の財政健全性への懸念を反映しています。
AI株・米国株:期待と警戒のはざま
エヌビディアは年間40.4%上昇と好調を維持しましたが、過去2年(238%、171%)と比較すると上昇ペースは鈍化。
12月19日の記事で取り上げたOpenAIの年間90億ドル赤字問題は、AI投資の持続可能性への疑問を投げかけました。
2026年の注目ポイント:
- エージェント型AIの実用化と収益化
- AI半導体需要の持続性
- OpenAI、Anthropicなど大手の資金調達動向
👉:合わせて読みたい【最新ニュース】OpenAI、アマゾンと100億ドル投資交渉──年90億ドル赤字でも評価額の謎
ブロックチェーン・Web3の実用化元年
決済インフラとしての進化
2025年は「概念から実装へ」の転換期でした。12月26日の記事で報じたように、羽田空港や大阪でのUSDC決済実証実験が開始され、大阪・関西万博では103万ダウンロードを記録した「EXPO2025デジタルウォレット」が成功を収めました。
2025年ブロックチェーン実用化の主な進展:
✅ ステーブルコイン決済の社会実装
✅ イーサリアム「Fusaka」アップグレードでレイヤー2が高速化
✅ 企業のプライベートブロックチェーン導入加速
✅ マーシャル諸島のUBI実装など国家レベルの実験開始
KPMGレポートによれば、ブロックチェーン技術は「実用フェーズ」へ完全移行し、処理高速化とゼロ知識証明(ZK)の実装が進みました。
👉:合わせて読みたい【最新ニュース】羽田・大阪でUSDC決済実証へ──万博103万DLが開く2026年決済革命
仮想通貨税制改正──歴史的転換
12月20日の記事で詳しく解説したように、2025年12月19日、政府・与党は仮想通貨税制を最大55%から申告分離20%へ転換する方針を発表しました。
税制改正のポイント:
- 2027年からデリバティブ取引が申告分離20%に
- 2028年から現物取引も対象に拡大予定
- 2026年1月からCARF制度(国際的取引情報共有)開始
この歴史的転換は、日本が仮想通貨市場で「アジアのハブ」を目指す姿勢の表れです。
👉:合わせて読みたい【ニュース深掘り】仮想通貨税制が歴史的転換!申告分離20%で日本市場に何が起きる?
2026年投資戦略

ビットコイン:機関投資家時代の新ルール
🏦 伝統的金融機関の予測
| 機関 | 2026年予測レンジ |
|---|---|
| Citigroup | 14.3万ドル(ベース)、強気18.9万ドル、弱気7.85万ドル |
| Standard Chartered | (50万ドル)*当初は2026年予測であったが訂正し2030年予測に延期した |
| マネックス証券 | 7.5万-20万ドル |
₿ 仮想通貨専門機関の予測
| 機関 | 2026年予測レンジ |
|---|---|
| Grayscale | 2026年前半に史上最高値更新 |
| Galaxy Digital | 「混沌」の年、25万ドルは2027年 |
| Bitwise | 最高値更新継続・4年サイクル破壊 |
2026年の勝ちパターン:
- 4年サイクル依存からの脱却かの見極め
- 機関投資家の動向(ETF資金フロー)を最重視
- 税制改正による国内市場の活性化に注目
- レンジ相場での積立投資が有効
👉:合わせて読みたい【仮想通貨】超初心者のためのドルコスト平均法&賢い出口戦略
ゴールド・貴金属:調整か、さらなる高騰か
📈 強気シナリオ(確率40%):
- 金5000ドル到達(JBpress予測)
- 法定通貨信認低下の継続
- 地政学リスクの高まり
📊 調整シナリオ(確率60%):
- 一時的な利益確定売りで4000ドル前後へ
- 2026年後半から再上昇
- 長期投資家は押し目買いチャンス
貴金属バブル後編で解説したように、短期投資家は損切りルール厳守、長期投資家はポートフォリオの10-15%保有が推奨されます。
ドル円:構造的円安との付き合い方
🕰️ 2026年予測:
- 野村證券:年末160円
- みずほリサーチ&テクノロジーズ:年末140円台前半
- コンセンサス:155-160円レンジ
🏃♂️➡️ 投資家が取るべきアクション:
- 外貨建て資産(米国株、外貨預金)の比率引き上げ
- 円安ヘッジとしてのゴールド保有
- NISAを活用した外国株投資継続
- 輸出関連株(自動車、電機)への注目
AI株:選別の時代へ
🦾 2026年の勝ち組条件:
✅ 実際の収益化が見えている企業
✅ エージェント型AIへの技術移行成功
✅ 健全なキャッシュフロー
✅ 過度なバリュエーション依存からの脱却
エヌビディア以外では、OpenAIへ投資するマイクロソフト、Anthropicへ投資するアマゾン、そしてGoogleなど大手テック企業の選別が重要です。
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ブロックチェーン関連:実用化銘柄を狙え
👁️ 注目分野:
- ステーブルコイン決済プラットフォーム
- レイヤー2ソリューション(Arbitrum、Optimism等)
- RWA(Real World Asset)トークン化
- エンタープライズ向けブロックチェーン
👉:合わせて読みたい【最新ニュース】日本企業がビットコインL2でRWA研究開発を開始
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2026年の投資チェックリスト
必ずやるべきこと:
□ ポートフォリオの外貨建て資産比率を40%以上に
□ 貴金属(金・銀)をポートフォリオの10-15%保有
□ 仮想通貨は総資産の5-10%以内に抑制
□ AI株は個別銘柄を精査し、バリュエーションを重視
□ 税制改正を活用した仮想通貨投資の再検討
□ NISA枠の最大活用(特に外国株)
□ 損切りルールの厳格な設定と順守
避けるべきこと:
✗ 一つのアセットクラスへの集中投資
✗ レバレッジの過度な使用
✗ SNSでの短期的な煽り情報に振り回される
✗ 税制を理解せずに売買を繰り返す
✗ 「絶対上がる」という根拠のない楽観論
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まとめ:転換点からの出発
2025年、私たちは歴史的な転換点に立ち会いました。ビットコインの機関投資家時代への移行、金価格の歴史的高騰、円の構造的弱体化、AI技術の実用化加速、そしてブロックチェーンの社会実装──すべてが「次の10年」への序章でした。
2026年は、これらの変化が本格的に根付く年になるでしょう。トランプ政権の政策展開、高市政権の財政運営、日銀の金融政策、そして世界的な地政学リスクの動向──不確実性は高まっていますが、だからこそ分散投資と冷静な判断が求められます。
2025年 最後に伝えたいこと
市場は常に変化します。2025年の勝ちパターンが2026年も通用するとは限りません。しかし、基本原則──リスク管理、分散投資、長期視点、そして継続的な学習──は時代を超えて有効です。皆様の2026年が、知識と経験に裏打ちされた、充実した投資の年になることを心から願っています。
金ちゃんがトレーダーとして勝てるようになった覚えるべき3要素
1️⃣ ラインの強度(覚えるべき4つのチャート)
2️⃣ ロールリバーサル
3️⃣ 真空地帯
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。レバレッジ取引は特にリスクが高く、資金を全て失う可能性があります。投資判断は自己責任で行ってください。必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう
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