2025年10月17日、ゴールドが4,326ドルの史上最高値を更新し、7週連続の上昇を見せています。一方、ビットコインは11万ドル台で足踏み状態。しかし、これは「嵐の前の静けさ」かもしれません。過去のパターンでは、ゴールドが疲れた時こそBTCが爆発的に上昇するタイミング。さらに注目すべきは、両資産の価格相関係数が0.9という高水準に達していること。 これは、BTCが「デジタルゴールド」として市場に認識され始めている証拠かもしれません。

本記事で分かること
- ゴールドとBTCの関係性の変化
- 115Kレジスタンスが持つ意味
- 上昇トリガーとリスク要因の両面
長期的な「リレー関係」と短期的な「高相関」を理解する
出典:CoinDesk|When Could Bitcoin Break Out to New Highs? Watch Out for Gold
2つの異なる時間軸で見るゴールドとBTC
ゴールドとビットコインの関係を理解するには、長期トレンドと短期的な相関を分けて考える必要があります。
【長期トレンド】過去2年間のリレーパターン
CoinDeskが10月1日に報じた分析によると、過去2年間、ゴールドとビットコインは「リレー関係」を示してきました。
期間 | ゴールド | ビットコイン |
---|---|---|
2025年1月〜4月 | +28%上昇(3,500ドルへ) | -30%下落 |
2025年4月〜8月 | 停滞・横ばい | +60%急騰(史上最高値更新) |
2025年8月〜10月 | +17%上昇(4,300ドル超) | 10万〜12万ドルでレンジ相場 |
【短期相関】2025年10月の高い正相関
一方で、CoinDeskが10月16日に報じたデータによると、直近の価格相関係数は 0.9に到達しています。これは「ほぼ同じ方向に動く」ことを意味します。
Cointelegraphの報告でも、相関係数が0.85以上に上昇していることが確認されています。
相関係数 | 意味 | 現在の状態 |
---|---|---|
+1.0 | 完全に同じ動き | - |
+0.85〜0.9 | ほぼ同じ方向に動く | ← 今ココ! |
0付近 | 無関係 | 過去の平均値(90日相関) |
-0.8 | 逆方向に動く | 2021年10月 |
なぜ関係性が変化したのか?
ByteTreeの最高投資責任者Charlie Morris氏の説明:
「ゴールドは低金利と弱い経済を好み、ビットコインは堅調な経済を好む。両者の90日相関は平均0.1と、基本的にはゼロに近い。しかし最近の高相関は、BTCが『デジタルゴールド』として安全資産の地位を得つつあることを示している」
投資家心理の変化:
・2023〜2024年:ゴールド=守り、BTC=攻めの資産として使い分け
・2025年10月:両方とも「インフレヘッジ・安全資産」として同時に買われる傾向

2020年のパターンは再現されるか?
AlΞx Wacy氏(@wacy_time1)がX(旧Twitter)で指摘した比較チャートが注目を集めています。
🚨 GOLD TOP = BITCOIN BOTTOM
2020 PROVED IT
2025 IS ABOUT TO REPEAT IT pic.twitter.com/sIl2uwRFbq— AlΞx Wacy 🌐 (@wacy_time1) October 18, 2025
2020年のパターン:
- ゴールドが2020年8月に約2,075ドルでピークを付けた
- 同時期、ビットコインは約1万ドル付近でボトムを形成
- その後BTCは急騰し、2021年に6万ドル超へ(約6倍)
2025年のパターン(現在):
- ゴールドが2025年10月に約4,300ドルでピーク圏
- ビットコインは約10万ドル付近でボトム形成の可能性
- パターンが再現されれば、今後の上昇余地が期待される
⚠️ 重要な注意点:
過去のパターンが必ず繰り返されるわけではありません。2020年と2025年では:
・マクロ経済環境が異なる(金利水準、インフレ率など)
・市場参加者の構成が変化(機関投資家の増加)
・規制環境の違い
歴史的パターンは参考情報として有用ですが、これだけで投資判断をすることは避けるべきです。

BTC/ゴールド比率が3年ぶりの「売られすぎ」水準──反転の示唆か
RSI指標が示す可能性のあるシグナル
CoinDeskのテクニカルアナリストOmkar Godbole氏が10月17日に発表した分析では、BTC/ゴールド比率のRSI(相対力指数)が22.2まで低下しました。これは2022年11月以来、約3年ぶりの低水準です。
出典:CoinDesk|Bitcoin Hits Most Oversold Level Against Gold in 3 Years as BTC Risks Falling Below $100K
RSI(相対力指数)の読み方:
・70以上:買われすぎ → 調整の可能性
・30以下:売られすぎ → 反発の可能性あり(今回:22.2)
👉:合わせて読みたい【テクニカル分析】初心者から上級者まで使える”実践マニュアル”|RSI編
⚠️ 重要な注意点:テクニカル指標は「示唆」であって「確約」ではない
Godbole氏も記事内で明確に警告しています:
「売られすぎのRSI単独では、即座の強気反転を保証するものではない。この状態は、他のテクニカル指標(下降トレンドの終了サイン、強気ダイバージェンス、買い出来高の増加など)による確認が必要だ。これらの裏付けなしでは、強い下落トレンド中に売られすぎ状態が継続する可能性がある」
現在の懸念材料:
- BTC/ゴールド比率は依然として下降トレンド中
- 50日・200日移動平均線のデスクロス(弱気サイン)を確認済み
- 明確な反転シグナルはまだ出ていない
👉:合わせて読みたい【仮想通貨】トレンドフォロー×移動平均線が最強と言われる理由【初心者講座】
2022年11月との比較:当時は何が起きたか
前回RSIが同水準まで下がった2022年11月は、FTX破綻直後の大底でした。その後:
- 1.5万ドル台から数ヶ月かけて反発
- 2023年を通じて上昇トレンド形成
- 2025年に12万ドル超の史上最高値を達成
ただし、同じパターンが必ず再現される保証はありません。当時と現在ではマクロ経済環境や市場構造が異なります。
FTX破綻とは?
FTX(エフティーエックス) は、かつて世界第2位の取引量を誇った仮想通貨取引所で、創業者は サム・バンクマン=フリード(Sam Bankman-Fried, 通称SBF) です。
2022年11月、このFTXが資金流出と経営破綻を起こし、仮想通貨市場全体が大暴落しました。
11.5万ドル(115K)付近のレジスタンス──突破の可能性とリスク
大量のショートポジションが集中
仮想通貨アナリストCrypto Rover氏(@rovercrc)の分析によると、ビットコイン上部にリキディティが集中しているとのことです。
New liquidity clusters forming above Bitcoin.
All the liquidity is concentrating on the topside.
What comes next is obvious. pic.twitter.com/IKiwayW6jc
— Crypto Rover (@rovercrc) October 18, 2025
投稿で示されたヒートマップでは、11.3万〜11.5万ドル付近に大量のショートポジションが集中していることが確認できます。
Coinglassのデータ(2025年9月末時点の分析。価格帯は変動する可能性があります):
価格帯 | ショートポジション | 意味 |
---|---|---|
11.3万〜11.5万ドル | 約15.8億ドル | 強力なレジスタンス帯 |
11.5万ドル突破時 | 清算の可能性 | 買い圧力が発生する可能性 |
リキディティとは?
市場での流動性のこと。特定の価格帯にどれだけ注文が集まっているかを示します。リキディティが高い=注文が多い=価格が安定、リキディティが低い=注文が少ない=価格が急変しやすい。
ヒートマップとは?
データを「色の濃淡」で視覚化した図。仮想通貨では、どの価格帯に注文が集中しているかを色で表示します。濃い緑・青=大量の注文が集中=重要な価格帯。この価格を突破すると、清算連鎖で大きな値動きが起こる可能性があります。
Coinglass|Binance BTC/USDT Liquidation Heatmap
ショートスクイーズの仕組みとリスク
【ポジティブシナリオ】
- 11.5万ドルを明確に突破
- ショートポジションが清算され、強制買い戻し発生
- 買い圧力が更なる価格上昇を招く
- 次の価格帯のショート勢も清算される(連鎖反応)
【リスクシナリオ】
- 流動性の枯渇:急激な上昇後、流動性が低下し価格が不安定に
- 過熱からの急落:短期的な買い圧力が収まると、利益確定売りで急落
- 取引所間の差異:清算ポイントは取引所ごとに異なり、予想通りに進まないことも
- マクロ要因の影響:突発的な経済ニュースや規制発表で反転する可能性

ショートスクイーズとは?
「価格が下がる」と賭けていた投資家が、予想に反して価格が上昇したため、損失を防ぐために慌てて買い戻すこと。この買い戻しが更なる価格上昇を招き、連鎖的にショートポジションが清算される現象。急騰のきっかけになりやすいが、その後は急落リスクもある。
⚠️ データの注意点
記事内で引用されている数値(DeFi TVL、アクティブアドレス数など)は:
・集計元や集計時期により変動する
・短期間で数%〜数十%変わることがある
・DefiLlama(2025年10月時点)では、DeFi全体のTVLは約1,520億ドルと報告されている
👉:合わせて読みたい【仮想通貨】未来の資産運用!初心者でもわかる DeFi(分散型金融)ガイド
DeFi TVLとは?
DeFi TVL = Decentralized Finance Total Value Locked(分散型金融の総ロック資産額) の略です。直訳すると「DeFi(分散型金融)に預けられている合計資産額」のこと。ブロックチェーン上の分散型金融(DeFi)に預けられている全資産の総額を示す指標。市場の勢い・信頼度を測るバロメーターです。TVLがなぜ重要かというと、DeFi市場全体に「どれだけ資金が集まっているか」=「投資家の信頼度・活動量」を示す指標だからです。
上昇トリガーとリスク要因──バランスの取れた視点
上昇トリガーの可能性
複数の海外メディア分析から、ビットコインの次の上昇を後押しする可能性のある要因:
①ゴールドの調整・停滞
- 現状:10月17日に4,326ドルの史上最高値を記録、7週連続上昇
- 可能性:利益確定売りで調整入りすれば、資金がBTCへシフトする可能性
- 評価:★★★☆☆(中程度、過去パターンに基づく推測)
②115Kレジスタンス突破
- 条件:明確な突破(日足終値ベース)+大量の出来高
- 可能性:ショート清算による短期的買い圧力
- 評価:★★★★☆(高いが、リスクも伴う)
③FRBの金融緩和継続
- 背景:JPモルガン16.5万ドル予測、スタンダードチャータード20万ドル予測
- 条件:利下げペース維持、グローバル流動性拡大
- 評価:★★★☆☆(マクロ環境に依存)
④機関投資家の採用拡大
- 動向:ドイツ銀行「2030年までに中央銀行がBTCを準備資産化」予測
- 評価:★★★☆☆(長期的には有望、短期的影響は限定的)
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リスク要因
①マクロ経済の不確実性
- 米中貿易摩擦(関税100%問題)
- FRBの政策転換リスク
- ドル高進行による資金流出
②テクニカル的な懸念
- デスクロス形成済み(50日・200日MA)
- 10万ドル割れのリスク(9.95万ドルがサポート)
- 下降トレンドが継続する可能性
③規制・政策リスク
- 各国の仮想通貨規制強化
- ETF承認プロセスの遅延
- 税制変更の可能性
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専門家の価格予測──期待と現実のバランス
2025年末までの目標価格
機関・アナリスト | 目標価格 | 根拠 | リスク |
---|---|---|---|
JPモルガン | 16.5万ドル | 金に対して割安評価 | マクロ環境の急変 |
Standard Chartered | 20万ドル | 機関投資家採用加速 | 規制の不確実性 |
VanEck | 18万ドル | 現水準から+45%余地 | 流動性の変化 |
ByteTree(控えめ) | 15万ドル | Global M2連動モデル | 相関の崩れ |

⚠️ 予測に関する注意:
これらの予測は、特定の前提条件(金融緩和継続、規制環境の安定など)に基づいています。予測は保証ではなく、市場は予想外の動きをする可能性があります。
投資家が今すべきこと:3つのチェックポイント
①複数の指標を組み合わせて判断
🎯 注目ポイント:
- ゴールドの動き(調整の兆候)
- BTCの出来高(増加傾向か)
- 相関係数の変化(0.9が維持されるか)
- マクロ経済指標(FRB政策、雇用統計など)
②11.5万ドル付近の動きを慎重に観察
✅ 確認すべき条件:
- 明確な突破(日足終値ベース)
- 大量の出来高を伴うか
- 突破後の維持(ダマシではないか)
③リスク管理を最優先
⚠️ 重要な原則:
- 損失許容額を超えない投資
- 過度なレバレッジは避ける
- ストップロス設定(例:10万ドル割れ)
- 分散投資の徹底
まとめ:期待と現実のバランスを保つ
2025年10月現在、ビットコインは興味深い局面を迎えています。ゴールドとの高い正の相関、3年ぶりの売られすぎ水準、115K付近の重要なレジスタンス──これらは潜在的な上昇の可能性を示唆していますが、同時にリスクも存在します。
ポイント:
- 長期的な「リレー関係」と短期的な「高相関」は別物
- テクニカル指標は「示唆」であり「保証」ではない
- ショートスクイーズは両刃の剣(上昇と下落リスク)
- 専門家予測は前提条件付きの参考情報
- リスク管理が最優先
過度な楽観も悲観も避け、複数の指標とファンダメンタルズを総合的に判断することが重要です。市場は常に予想外の動きをする可能性があることを念頭に置きましょう。

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参考記事:
- CoinDesk: When Could Bitcoin Break Out to New Highs? Watch Out for Gold(10/1)
- CoinDesk: Bitcoin Hits Most Oversold Level Against Gold in 3 Years(10/17)
- CoinDesk: Bitcoin-Gold Correlation Reaches 0.9(10/16)
- Cointelegraph: Bitcoin-Gold Correlation Increases Above 0.85(10/14)
- Phemex: Bitcoin Tests $113K–$115K Resistance(9/29)
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。
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