「株が上がっているうちは大丈夫」そう信じたい人ほど、今の相場を見誤っています。
S&P500は史上最高値を更新中。2025年だけで約15%上昇、たった半年で36%高という異常なペースです。しかし、同時に失業率は4.3%へ上昇し、雇用の伸びは10万人を下回るという冷え込みが進行中。
つまり、実体経済と株価が真逆に動いているのです。
この“乖離”こそ、過去のITバブルやリーマンショックの直前にも見られた危険信号です。この記事を最後まで読めば、今アメリカで何が起こっているのかを理解できます。

本記事で分かること
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「株価の好調=景気の好調」ではないという現実
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トランプ政権の政策が雇用冷え込みを加速している
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歴史は繰り返す ― リーマンショック前夜との共通点
この記事では、現時点で公開されているブルームバーグ、政府公開データ、報道内容をもとに“可能性の高いシナリオ”を整理して執筆しています。ただし、今後の調査で見解が変わることがあります。
経済の実態:成長は止まり、株だけが暴走している
いまアメリカでは、企業の多くが実際の利益を出せていません。
AI関連企業を除けば、売上・利益ともに横ばい、あるいは減速傾向。
それでも株価は上がる――なぜでしょうか?
理由は単純です。
投資家たちが「もう少しは上がるだろう」というFOMO(乗り遅れたくない心理)に取り憑かれているからです。
4割の投資家が「S&P500はまだ上がる」と回答しており、
過去のどのバブル期にも共通した“楽観バイアス”が広がっています。
注意ポイント
どのバブルも、崩壊の瞬間を完璧に見極めることはできません。しかし、今のアメリカ市場が過去最高の伸び率を更新し、高値圏で推移しているという事実は、
すでに“刈り取りのフェーズ”に入っているサインでもあります。上昇の余韻に浸るのではなく、出口を見定める冷静さこそが今求められています。
100歩譲って、これから新規でアメリカ株に飛び込むのは、リスク管理を見誤っていると言わざるを得ません。
順位 | 企業名(ティッカー) | 市場 | 時価総額(百万ドル) | 前日比(%) |
---|---|---|---|---|
1 | エヌビディア(NVDA) | NASDAQ | 4,679,451.0 | -4.88% |
2 | マイクロソフト(MSFT) | NASDAQ | 3,883,086.1 | -2.18% |
3 | アップル(AAPL) | NASDAQ | 3,770,052.7 | -3.45% |
4 | アマゾン・ドット・コム(AMZN) | NASDAQ | 2,428,827.1 | -4.99% |
5 | ブロードコム(AVGO) | NASDAQ | 1,629,310.4 | -5.90% |
6 | メタ・プラットフォームズ(META) | NASDAQ | 1,590,955.7 | -3.84% |
7 | テスラ(TSLA) | NASDAQ | 1,448,236.2 | -5.05% |
8 | アルファベットA(GOOGL) | NASDAQ | 1,404,980.0 | -2.05% |
9 | アルファベットC(GOOG) | NASDAQ | 1,315,200.3 | -1.94% |
10 | ネットフリックス(NFLX) | NASDAQ | 523,114.1 | -0.89% |
11 | パランティア・テクノロジーズ(PLTR) | NASDAQ | 421,807.3 | -5.40% |
12 | コストコ・ホールセール(COST) | NASDAQ | 417,869.2 | -1.36% |
⚠️:2025年10月12日データ
GAFAなどの上位数社がアメリカ経済の中心になっている現実は、その歪みが出た時のショックを連想させています。
政治リスク:トランプ政権の“引き金”
さらに市場を揺さぶっているのが、政府閉鎖と公務員大量解雇。
トランプ大統領は政府閉鎖の最中、
「数千人の職員を解雇する」と発表。
実際、保健福祉省・財務省・商務省などで4,100人超の人員削減が始まっています。
経済が冷え込みつつある時期に、政府支出まで止まる。
これは明らかに、リーマンショック前の「緊縮と失速」の再現です。
👉:合わせて読みたい:トランプ大統領、連邦政府職員を解雇、米国閉鎖をめぐる争いが激化
歴史が語る“崩壊のサイクル”
チャートを見れば一目瞭然です。
ITバブル崩壊(2000年)→リーマンショック(2008年)→コロナバブル(2020年)
そして今、S&P500と失業率の乖離は過去最大レベルに達しています。
過去のパターンでは、
“株価が高値圏で横ばいになった直後”に、失業率が急上昇し、
その数ヶ月後にバブルが弾けてきました。
S&P500のこの高値圏がレンジに突入し、下降ブレイクするトレンド転換は注視した方がいいでしょう✍️
【米雇用崩壊の序章】“雇われない時代”に突入したアメリカ経済の現実
低失業率の裏で、働く場所が消えている
「アメリカは好景気だ」――そんなニュースを信じて安心していませんか?
実は今、“雇われない時代”が静かに進行しています。
見た目の失業率は低くても、仕事を求めている人が増え、
正社員になりたくてもパートや短時間労働にしか就けない“隠れ失業者”が急増中です。

この現象を、アメリカでは「低採用・低解雇(Low Hire, Low Fire)」と呼びます。
景気が鈍化する中で企業は人を雇わず、辞めても補充しない。
その結果、職の入れ替わり(ジョブ・チャーン)が過去最低レベルにまで落ち込んでいます。
👉:合わせて読みたい【2025年9月版】米政府閉鎖、アメリカでいま何が起きている?——金融崩壊に迫る

経済アナリストの見解コメント
「AIが人の仕事を奪っているだけで、経済全体は衰退していない」という見方は、表面的には正しそうに聞こえます。
しかし、データを丁寧に分析すると、それは“幻想的な安堵感”にすぎません。
確かにAIや半導体セクターは生産性を押し上げ、一部の企業では驚異的な利益を上げています。
ですが、それは“経済の一部が過熱しているだけ”の話です。
実体経済の側面では、失業率(4.3%)が上昇し、特に20代のテクノロジー労働者の雇用が急減しています。
AIによる効率化が進めば、一時的に人件費は削減されますが、同時に消費力が落ちる。
この循環こそが、典型的な構造的失業と需要不足の悪循環です。
もし本当に「AI効率化」で経済が良くなっているなら、
GDP成長率や企業収益、実質賃金が明確に上昇しているはずです。
ところが現実には、生産性の上昇は年率0.8%前後と微弱で、
AI関連以外の業種では売上も利益も伸び悩み、“数字が一致していません”。
つまり今起きているのは「AIによる革命」ではなく、
“AIを口実にした雇用の最適化=リストラ経済”です。
この傾向が続けば、所得格差はさらに広がり、消費市場の地盤沈下が避けられません。
株価が上がる一方で、経済の足元が静かに崩れていく――これが最も危険なシナリオです。
今、必要なのは楽観ではなく、現実を直視する冷静な視点です。
トランプ政権の影響で「雇用の冷え込み」が加速
この停滞の裏には、トランプ大統領による政府閉鎖と公務員削減があります。
保健福祉省、財務省、商務省などで4,000人以上の人員削減が始まり、
さらに数千人規模の追加解雇も検討されています。
つまり、国家レベルで“雇用縮小”が始まっているということです。
政府の支出が止まり、民間の採用意欲も冷え込む――
これはリーマンショック前夜の「静かな崩壊」と酷似しています。
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「仕事をしても豊かになれない」現代アメリカの病
アメリカ労働統計局の最新データによれば、
過少雇用率(Underemployment Rate)は8%台に上昇。
フルタイムの職を得られずに働く人は、なんと1,000万人超。
かつて6桁(年収1,500万円以上)の職を持っていた人々も、
今では小売店や医療マリファナ販売員など、全く別の職に転職しています。
フロリダ州タンパの元管理職アレックス・イングリッシュ氏(38歳)はこう語ります。
フロリダ州タンパ在住のアレックス・イングリッシュさん(38歳)
正直、1年前までは自分がこんな立場になるなんて思ってもみませんでした。高級品を扱う仕事で6桁の年収を得ていたのに、今では医療用マリファナの販売員として日々をつないでいます。
働ける場所があるだけでもありがたいと思う一方で、「自分のキャリアはもう戻らないのか」と不安が頭を離れません。
最近は、雇用主も誰も先の経済を読めていないように感じます。採用を増やす余裕もなければ、給料を上げる気配もない。この国がどこに向かっているのか、本当にわからないんです。
イングリッシュさんの状況は、いまのアメリカ経済を象徴しています。
誰もが「明日は自分の番かもしれない」と感じているのです。
まとめ:今のアメリカは、“静かな崩壊”の始まりかもしれない
S&P500は史上最高値を更新し、AI関連株は連日話題を独占しています。
しかしその裏で、実体経済は鈍化し、雇用は冷え込み、若年層の失業が加速しています。
AIがもたらしているのは「生産性革命」ではなく、「格差の拡大」と「消費力の低下」。
一部の企業が繁栄する一方で、多くの家庭が生活防衛に追われる――
これが今のアメリカの現実です。
「相場は恐怖の中で生まれ、楽観の中で死ぬ」と言われます。
ニュースの“明るさ”を鵜呑みにせず、数字の裏にある人々の現実を見つめてください。
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