2025年に入り、仮想通貨(暗号資産)市場で再び注目を集めているステラルーメン(XLM)。リップル(XRP)の元開発者が手がけた送金特化の仮想通貨として、個人向け決済システムの革新を目指しています。特に最近では、ペイパルのステーブルコインPYUSD対応発表や組織体制の強化など、重要な動きが見られています。

本記事で分かること
- ステラルーメンの基本的な仕組み
- 2025年の重要ニュースと影響
- 今後の価格予想と将来性分析
ステラルーメンって何?
そもそもステラルーメンとは
ステラルーメン(XLM)は、「個人が簡単に国際送金できる世界」を目指して2014年に生まれた仮想通貨です。開発したのは、
リップル(XRP)の元開発者であるジェド・マカレブ氏。
基本データ:
- 正式名称:ステラルーメン(Stellar Lumens)
- ティッカーシンボル:XLM
- 生まれた年:2014年
- 発行上限:500億枚(追加発行なし)
- 現在価格:約0.36ドル
- 時価総額ランキング:22位前後

なぜ「ステラ」と「ルーメン」?
実は少しややこしいのですが:
・ステラ:ブロックチェーンプラットフォームの名前
・ルーメン:そこで使われる仮想通貨の正式名称
・ステラルーメン:一般的な呼び方
これは、イーサリアム(プラットフォーム)とイーサ(通貨)の関係と同じですね。
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ステラブロックチェーンの仕組みを分かりやすく解説
他の仮想通貨とどう違うの?
個人向け送金に特化した設計
ビットコイン:デジタルゴールド(価値保存)
イーサリアム:スマートコントラクト(アプリ開発)
リップル:銀行間送金
ステラルーメン:個人間の日常送金

ブリッジ通貨としての役割
ステラルーメンの最大の特徴は「ブリッジ通貨」として機能することです。
従来の国際送金:
日本円 → 銀行A → 中継銀行B → 中継銀行C → 銀行D → 米ドル (時間:2-5日、手数料:3,000-5,000円)
✅ ステラルーメンを使った送金:
日本円 → XLM → 米ドル (時間:数秒、手数料:極めて低額)
独自のコンセンサスアルゴリズム「SCP」
ステラはStellar Consensus Protocol(SCP)という独自の仕組みを採用しています。
他の方式との比較:
方式 | 使用例 | 特徴 | エネルギー消費 |
---|---|---|---|
PoW | ビットコイン | 安全だが遅い | 大量 |
PoS | イーサリアム2.0 | 高速だが複雑 | 少ない |
SCP | ステラ | 高速で省エネ | 極少 |

ステラルーメンならではの特別な機能
アンカーシステム:現実とデジタルをつなぐ橋
ステラの独特な仕組みに「アンカー」があります。これは、現実世界の通貨やアセットをステラネットワーク上で扱えるようにする機関のことです。
アンカーの役割:
- 法定通貨(円、ドルなど)の預金を受け取る
- ステラネットワーク上でデジタル版を発行
- 必要時に現実の通貨に戻す
具体例:
- 日本のアンカーに10万円を預ける
- ステラネットワーク上で「デジタル円」を受け取る
- アメリカの友達に送金
- 友達はアメリカのアンカーでドルに換金

マルチシグネチャとアトミックスワップ
マルチシグネチャ(複数署名)
ステラでは、複数の人が承認しないと送金できないマルチシグネチャ機能があります。
活用例:
・会社の経費:部長と経理の2人の承認が必要
・家族の貯金:夫婦両方の承認が必要
・投資ファンド:3人中2人以上の承認が必要
アトミックスワップ(同時交換)
「AさんがBさんにXLMを送る⇔BさんがAさんにビットコインを送る」を同時に実行する機能です。どちらか一方だけが実行されることはありません。
【2025年注目】PayPal PYUSD、年内にStellar対応予定
2025年6月11日、仮想通貨業界に大きなニュースが飛び込んできました。PayPalが自社発行のステーブルコインPYUSDを年内にStellarネットワークへ拡張予定と正式発表したのです。
発表の詳細:
- 発表日:2025年6月11日
- 発表者:PayPal公式
- 対応時期:2025年年内予定
- Stellar側の反応:同日に年内対応予定を告知で歓迎
PYUSDとは?
PYUSD(PayPal USD)は、世界最大級の決済サービス企業PayPalが発行するステーブルコインです。1PYUSD=1米ドルに価値が連動するよう設計されており、従来はイーサリアムネットワーク上でのみ利用可能でした。
Stellar対応の意味 この対応により、PYUSDユーザーは:
- 高速送金:Stellarの3-5秒処理を活用
- 低手数料:イーサリアムより大幅に安い手数料
- 安定性:ドル連動の価格安定性を維持
- 利便性:PayPalエコシステムとの連携

なぜStellarが選ばれたのか?
PayPalがStellarを選択した背景には、以下の技術的優位性があると考えられます:
- 処理速度の速さ:イーサリアムの約15秒に対し、Stellarは3-5秒
- 手数料の安さ:イーサリアムのガス代問題を回避
- 送金特化設計:個人間送金に最適化されたアーキテクチャ
- エネルギー効率:環境に配慮した省エネ設計
- 実績:既にUSDCなど他のステーブルコインでの運用実績
市場への影響
この発表は仮想通貨市場、特にXLMの価格に大きな影響を与えています。大手決済企業による公式採用は、Stellarの実用性と将来性を示す重要な指標として投資家に受け止められています。
ただし、現時点では「予定」段階であり、実際の対応開始時期や具体的な機能については、今後の続報を待つ必要があります。
処理能力とスケーラビリティの実際
実際の処理速度と能力
取引処理の比較:
ブロックチェーン | 処理時間 | 実際の処理能力 | 手数料 |
---|---|---|---|
ビットコイン | 約10分 | 7 TPS | 高い |
イーサリアム | 約15秒 | 15 TPS | 変動大 |
ステラ | 約3-5秒 | 数百ops/秒 | 極めて低額 |
リップル | 約4秒 | 1,500 TPS | 低い |
ステラの技術仕様では、1レジャー(約5秒)あたり最大1,000オペレーションの処理が可能とされています。これは単純計算で数百オペレーション/秒に相当しますが、1オペレーション=1トランザクションではないため、実際のTPS値は条件により変動します。
手数料の仕組み
ステラの手数料は最低0.00001 XLM(100ストループ)からスタート。これは固定ではありませんが他に比べると圧倒的に格安!
手数料の特徴:
・最低ベース手数料:0.00001 XLM
・サージ料金:ネットワーク混雑時は上昇する可能性
・目的:スパム攻撃防止とネットワーク維持
実用化の現状と課題
企業連携の実情
過去のIBM連携について
かつてIBM Blockchain World Wireとの大規模連携が話題となりましたが、IBMは2021年にブロックチェーン部門を大幅縮小し、2023年にはプラットフォームサポート終了を告知しています。現在の状況は当初の構想から変化している点に注意が必要です。
ステーブルコインの基盤として
現在対応中のステーブルコイン:
・USDC:Circle社発行、米ドル連動(既に対応)
・PYUSD:PayPal発行、2025年内対応予定
メリット:
・価格安定性(法定通貨と連動)
・高速送金(ステラの技術活用)
・低手数料(従来送金より大幅に安価)

2025年の価格予想と市場展望
専門機関による価格予測
2025年の価格予想まとめ:
予想機関 | 最低価格 | 最高価格 | 平均価格 |
---|---|---|---|
Changelly | 0.20ドル | 0.80ドル | 0.50ドル |
CoinCodex | 0.30ドル | 0.87ドル | 0.58ドル |
InvestingHaven | 0.22ドル | 1.44ドル | 0.83ドル |
Fastbull | 0.40ドル | 1.29ドル | 0.84ドル |
全体平均 | 0.28ドル | 1.10ドル | 0.69ドル |
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価格に影響する要因
ポジティブ要因:
・PayPal PYUSD対応:年内実現予定の大手決済企業連携
・CLARITY法の進展:米国でのステーブルコイン規制明確化による市場拡大期待
・ステーブルコイン需要:USDC等の基盤としての活用
・環境意識の高まり:省エネルギーなSCPアルゴリズム
・送金市場の成長:国際送金需要の拡大
CLARITY法とは?
CLARITY法案が成立すれば:
- 規制の明確化:ステーブルコイン事業者の要件が明確に
- 市場の安定化:適切な規制下での健全な市場成長
- 企業参入促進:規制リスクの軽減により大手企業の参入加速
- 技術基盤の重要性向上:ステラのような高性能ブロックチェーンへの需要増加
ステーブルコイン市場が規制下で健全に成長すれば、その技術基盤を提供するステラネットワークへの需要も連動して拡大する可能性があります。

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まとめ:ステラルーメンの2025年展望
ステラルーメン(XLM)は、個人向け送金に特化した独自のポジションで仮想通貨市場において重要な役割を担っています。2025年は特に以下のポイントに注目です:
2025年の注目ポイント:
- PayPal PYUSD年内対応予定による実用性向上の期待
- ステーブルコイン基盤としての活用拡大
- 送金市場での存在感向上
ステラルーメンは送金分野での革新を目指す興味深い仮想通貨ですが、投資対象として考える際は、技術的な優位性だけでなく、市場リスクや実用化の課題も含めて総合的に判断することが重要です。

重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。
仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。投資判断は自己責任で行ってください。
必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう。
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