
2025年12月26日、銀(シルバー)価格が史上初めて1オンス77ドル台を突破し、年初から169%という驚異的な上昇を記録しました。同日、プラチナも2,454ドルの史上最高値を更新、パラジウムは14%の急騰で1,927ドルに達しています。金の後を追うように、銀・プラチナ・パラジウムが次々と歴史的高値を更新――これは単なる投機ではなく、2017年の仮想通貨(暗号資産)バブルと同じ構造が働いている可能性があります。
本記事で分かること
- 銀77ドル・プラチナ史上最高値の背景と投機熱の実態
- 2017年仮想通貨バブルとの類似性と危険なサイン
- アナリスト予測から見る2026年の展望

2025年12月26日──銀77ドル突破、プラチナ・パラジウムも史上最高値

史上最高値を次々更新する貴金属市場の異常事態
2025年12月26日(金)、貴金属市場で歴史的な現象が起きました。
Reutersの報道によると、スポット銀価格は前日比7%上昇し、1オンス77.12ドルに到達。史上初めて77ドル台を突破し、年初来169%の上昇を記録しました。これは1979年以来、46年ぶりの年間上昇率となります。(Reuters)
同日、プラチナも9.8%上昇し、2,437.72ドルに達した後、一時2,454.12ドルの史上最高値を記録。年初来では172%の上昇となっています。
パラジウムも14%急騰し、1,927.81ドルに到達。年初来では124%の上昇です。
✨貴金属価格の2025年パフォーマンス(12月28日時点)
| 貴金属 | 12月28日(執筆時)価格 | 年初来上昇率 | 史上最高値 |
|---|---|---|---|
| 金(ゴールド) | 4,546.37ドル | 約73% | 4,549.71ドル(12月26日) |
| 銀(シルバー) | 79.39ドル | 169% | 79.29ドル(12月27日)※更新中 |
| プラチナ | 2,478.90ドル | 172% | 2,454.12ドル(12月26日)※更新中 |
| パラジウム | 1,962.38ドル | 124% | 2,020.00ドル(12月26日) |
GoldSilverの分析によると、銀は年初の30ドルから約64ドル(12月16日時点)まで上昇し、120%のパフォーマンスを記録しています。これは10年間続いた30ドル前後の天井を突破した歴史的な動きです。(GoldSilver)
スポット価格とは?
スポット価格とは、商品を即座に引き渡す条件での取引価格のこと。先物価格(将来の決まった日に引き渡す価格)とは異なり、「今すぐ買う・売る」場合の価格を指します。貴金属市場では、スポット価格が現在の需給バランスを最も正確に反映します。
中国の銀ファンドがストップ安──「持続不可能」との警告
しかし、この熱狂には既に警告が出ています。
Bloombergの報道によると、12月25日、中国のUBS SDICシルバー・フューチャーズ・ファンドLOFが10%のストップ安となりました。それまで3日連続で10%のストップ高を記録していた同ファンドに対し、運用会社は「この上昇は持続不可能」として規制を強化しました。(Bloomberg)
UBS SDICファンド・マネジメントは、原資産(上海先物取引所の銀先物)に対して高いプレミアム(上乗せ価格)が付いていることを警告。12月24日時点でプレミアムは62%に達しており、月初の7%から急拡大していました。
「銀先物価格が反転した場合、急激な損失が生じる危険性をはらんでいる」との警告を繰り返し発しています。
なぜ今、銀・プラチナが金の後を追って急騰しているのか?

金の高騰を見た投資家が「次の標的」として殺到
この貴金属全体の急騰は、金(ゴールド)価格の歴史的上昇が引き金となっています。
12月24日の記事:👉「【最新ニュース】ゴールド価格2.5万円突破!中央銀行争奪戦と2026年予測」で詳しく解説したように、金は2025年12月に1グラム25,015円(1オンス4,500ドル超)を突破し、年初来70%の上昇を記録しました。
この金の急騰を見た投資家が、「金は高すぎて買えない。次に上がるのは銀やプラチナだ」という心理で、これらの市場に資金を移動させているのです。
CNBCは「銀の167%の年初来上昇は、供給懸念と投資需要によって駆動されている」と報じています。(CNBC)
3つの市場要因が重なった完璧なタイミング
①供給不足の深刻化
GoldSilverの分析によると、銀(シルバー)市場は5年連続で供給不足に陥っています。2025年の供給不足は推定160-200百万オンスに達する見込みです。(GoldSilver)
Silver Instituteのデータでは、世界の銀供給は2010年の10.7億オンスから2024年には約10.3億オンスに減少しています。一方で、需要は12億オンス以上に達しており、構造的な供給不足が続いています。
プラチナも同様に、産業需要(自動車触媒、水素経済)が増加する一方で、供給は限定的です。
②投資需要の急増──ETFへの資金流入
GoldSilverの報告によると、2025年にETF流入がプラスに転じたことが大きな転換点となりました。過去2年間の流出から一転し、投資家の関心が再び高まっています。
ETF需要は、物理的に市場から金属を取り除くため、供給不足をさらに加速させます。
👉:合わせて読みたい【仮想通貨】暗号資産ETFとは?日本導入の可能性まで徹底解説!
③地政学リスク・ドル安・金利低下
- 地政学リスク: ウクライナ情勢、中東情勢の長期化、米中貿易摩擦
- ドル安圧力: FRBの利下げ継続見通し
- 安全資産需要: 法定通貨の信用低下
GoldSilverは「2025年の急騰は、インフレヘッジと戦略的産業金属の両方として銀が再評価されたことを反映している」と分析しています。
👉:合わせて読みたい【ニュース深掘り】金・銀・プラチナが歴史的急騰!法定通貨の信認低下と346兆ドル債務
2017年仮想通貨バブルとの類似性──「金→銀→プラチナ」は「BTC→アルトコイン→取引所」と同じ構造

ビットコイン高騰後、アルトコインが超絶バブル化した2017年
2017年の仮想通貨(暗号資産)バブルの実際のデータを見てみましょう。
2017年の
ビットコイン価格推移(実データ):
| 時期 | 価格 | 変化 |
|---|---|---|
| 2017年1月 | 約1,000ドル | - |
| 2017年4月 | 1,200-2,300ドル | 上昇開始 |
| 2017年7月 | 2,000ドル以下 | 一時調整 |
| 2017年12月17日 | 19,783ドル | 史上最高値 |
(Investopedia, Blockchain Council)
そして何が起きたか?
Wikipedia「Cryptocurrency bubble」の記録によると:
- 2017年12月17日: ビットコイン史上最高値19,783ドル
- 2017年12月22日: 11,000ドル以下に急落(45%下落)
- 2018年2月5日: 6,200ドル
- 2018年12月: 3,200ドルまで下落(83%下落)
(Wikipedia - Cryptocurrency bubble)
この構図を、2025年の貴金属市場に当てはめると…
【2017年仮想通貨バブル】
- ビットコイン高騰(20倍)
- → アルトコインに資金殺到(さらに爆騰)
- → 取引所・関連企業の株も急騰
- → 2018年1月から83%暴落
【2025年貴金属バブル】
- 金高騰(70%)
- → 銀・プラチナに資金殺到(169%, 172%) ← 今ココ
- → 次は?(関連企業株?)
- → その後は?
アナリスト予測から見る2026年──「調整」と「長期上昇」の両方を示唆
主要機関の2026年銀価格予測
*このセクションは、本記事公開後、2026年銀価格予測に関する情報源を再精査し、主要金融機関の公式予測と個人投資家・アナリストの見解を明確に区別するため、予測データを更新いたしました。【2025年12月29日 更新】
| 予測の種類 | 機関・個人 | 2026年予測 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 公式機関予測 | J.P. Morgan | 58ドル | 公式Market Outlook 2026 |
| Bank of America | 65ドル | 2025年10月公式レポート | |
| World Bank | 41ドル | Commodity Markets Outlook | |
| 個人見解・アナリスト予測 | Robert Kiyosaki | 200ドル | 個人投資家 |
| Peter Schiff | 100ドル | Euro Pacific Capital CEO | |
| 複数アナリスト平均 | 約97ドル | Scottsdale Bullion集計 |
✅ 重要なポイント:
✓ 主要金融機関の公式予測は41-65ドルのレンジ
✓ 個人投資家やアナリストの予測は100ドル超も
✓ 予測の幅は、産業需要と投資需要の見方の違いから生まれている
2026年銀価格予測について、情報源を整理すると、大きく2つに分類できます。
①主要金融機関の公式予測:41-65ドル
J.P.モルガン(58ドル)、Bank of America(65ドル)、World Bank(41ドル)など、厳密な需給分析に基づく予測は、比較的保守的なレンジに収まっています。
②個人投資家・アナリストの予測:100-200ドル
Robert Kiyosaki氏(200ドル)、Peter Schiff氏(100ドル)など、個人の投資哲学やテクニカル分析に基づく予測は、より強気な数字を示しています。
「調整」を示唆する重要なデータ
Economic Timesは、銀が2025年に170%以上 上昇した後、銀は調整局面に直面する可能性があると警告しています。
重要な指標:
- LBMA(ロンドン地金市場協会)の在庫: 約2億1,200万オンス補充された
- これは「短期的な供給圧力が緩和された」ことを示唆
Saxo Bankも「2025年の急騰後、2026年前半は調整局面(consolidation)の可能性」を指摘しています。(Gerrard's Bullion)
まとめ:2025年の急騰は「始まり」か「終わり」か?
2025年12月26日、銀が77ドルを突破し、プラチナが史上最高値を更新しました。この急騰は、金の高騰を見た投資家が「次の標的」として殺到した結果です。
2017年のビットコインバブルの教訓を思い出してください。12月17日に史上最高値を記録した5日後に45%急落し、その後83%暴落しました。
「今から飛び乗る」のは、2017年12月22日にビットコインを買うのと同じリスクです。
次回【中編】では、2026年の「調整局面」をどう活用するか、ドルコスト平均法の具体的実践、鉱山株・リサイクル企業株の選び方、を詳しく解説します!
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の投資商品の購入を推奨するものではありません。貴金属投資は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。投資判断は自己責任で行ってください。
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