2025年10月、日本を代表する金融・テック企業が次々と仮想通貨(暗号資産)分野でのグローバル展開を発表しています。SBIホールディングスがリップル関連企業に2億ドルを出資、ソニー銀行が米国で銀行免許を申請してステーブルコイン発行を計画、さらにゲーム大手gumiもXRP戦略に参戦。そして本日10月22日、金融審議会で銀行子会社の仮想通貨取扱い容認に向けた議論が進展しました。規制が厳しいとされてきた日本企業が、なぜ今このタイミングで海外市場に攻勢をかけているのでしょうか?

本記事で分かること
- SBIがリップル関連企業に2億ドル出資の全貌
- ソニー・gumiの海外展開戦略
- なぜ今?日本企業が一斉に動くのか
SBIの300億円出資!世界最大XRP保有上場企業誕生へ
Evernorthが10億ドル調達でナスダック上場へ
リップル社が支援する仮想通貨トレジャリー企業Evernorth Holdingsが、SPAC(特別買収目的会社)との合併を通じてナスダック上場を目指しています。Bloomberg、Reutersなどの海外メディアが10月20日に報じたところによると、この取引では10億ドル以上の資金調達が見込まれており、2026年第1四半期の上場完了を予定しています。
Evernorthの概要
- 調達額:10億ドル以上
- 上場予定:2026年第1四半期
- 戦略:XRPに特化したトレジャリー企業
- ポジション:世界最大の上場XRP保有企業を目指す
ビットコインを保有するMicroStrategyやMetaplanetのXRP版とも言える存在です。
トレジャリー企業とは?
企業が自社の資産運用の一環として、現金の代わりに仮想通貨(ビットコインやXRPなど)を大量に保有し、財務戦略(=トレジャリー戦略)に組み込む会社のことを指します。XRPを中心に保有・運用するのが「XRPトレジャリー企業」です。
SBIが2億ドルを出資、大株主に
SBIホールディングスは10月21日の公式リリースで、2億ドルの出資を正式発表しました。
SBIとリップルの関係
- リップル社の株式約9%を保有
- 合弁会社「SBI Ripple Asia」を運営
- アジア地域でのXRP普及を推進
👉:合わせて読みたい【ニュース解説】SBI×Ripple「RLUSD」発表!アジアステーブルコイン市場の覇権争い
投資家一覧
投資家 | 出資額 | 特徴 |
---|---|---|
SBIホールディングス | 2億ドル | 主要投資家 |
Ripple Labs | 非公開 | 戦略的投資家 |
Pantera Capital | 非公開 | 仮想通貨専門VC |
Kraken | 非公開 | 仮想通貨取引所 |
gumi | 500万ドル | 日本のゲーム企業 |
gumiも参戦!二段構えのXRP戦略
東証上場のゲーム企業gumiも積極的にXRP市場に参入しています。
gumiのXRP戦略
- Evernorth出資:500万ドル
- 自社保有:XRP約25億円分を取得予定(2025年8月発表)
- 狙い:日本の税制改革とXRPの実用性を重視
日本企業が連携してXRPエコシステムに参入する動きは、アジア市場での普及を加速させる可能性があります。
XRPトレジャリー企業とは?
企業の資産として仮想通貨(この場合はXRP)を大量保有し、レンディング(貸出)やステーキングで収益を得るビジネスモデル。ビットコイン版ではMicroStrategyが有名です。
👉:合わせて読みたい
【仮想通貨】レンディングで始める資産運用!国内と海外の違いやメリットを徹底解説
【仮想通貨】ステーキングで稼ぐ!初心者でもわかる仕組みと始め方を徹底解説
ソニー銀行、米国で銀行免許申請!ステーブルコイン発行へ
子会社 Connectia Trustが歴史的申請
ソニー銀行のニューヨーク拠点子会社Connectia Trustが、米国通貨監督庁(OCC)に国家銀行免許を申請しました。グローバルテック企業として初の試みです。
Connectia Trustの計画内容
- 米ドル連動型ステーブルコインの発行
- ステーブルコイン裏付け資産の管理
- 仮想通貨カストディサービス
- デジタル資産の信託管理
※申請は受付段階。OCCによる審査・承認はこれからです。
Circle、Coinbase、Paxosと並ぶ存在に
現在OCCの承認待ちリストには、仮想通貨業界の錚々たる企業が名を連ねています。
OCC承認待ちの主要企業
- Circle(USDCの発行元)
- Coinbase
- Paxos
- Stripe
- Ripple
- Sony Bank(Connectia Trust)← New!
ソニーグループがこのリストに加わることで、グローバルテック企業として初めて仮想通貨関連の国家銀行免許を取得する可能性が出てきました。
この申請は2025年7月に成立したGENIUS法を受けたもので、同法により連邦レベルの統一基準が確立されました。

ソニーの強みは「信頼性」
ソニーグループの優位性
- 100年以上の歴史を持つグローバルブランド
- 機関投資家・一般消費者からの高い信頼
- 伝統的企業の参入による市場の成熟化
仮想通貨ネイティブ企業ではなく、大手企業の参入が市場全体の信頼性を高め、機関投資家や一般消費者の受け入れが進む可能性があります。
日本の野望 — JPYステーブルコインの挑戦
3メガバンクの円建てステーブルコイン共同発行計画
三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクが共同で円建てステーブルコインを発行する計画が進行中です(日本経済新聞10月17日報道)。この計画は法人向け・企業間決済を念頭に置いた共同発行で、まずは円建てで開始すると報じられています。
👉:詳細は先日の記事でご確認ください【最新ニュース】銀行の仮想通貨投資解禁へ!3メガバンクのステーブルコイン発行も検討
日本企業の戦略的な棲み分け
企業 | ステーブルコイン | 市場 | 狙い |
---|---|---|---|
ソニー銀行 | 米ドル連動型 | 米国・グローバル | 国際決済での地位確立 |
3メガバンク | 円連動型 | 日本・アジア | 国内決済インフラ構築 |
SBI | XRP活用 | 国際送金 | 送金コスト削減 |
各社が独自に判断した結果、ソニーは国際市場、3メガバンクは国内市場という自然な棲み分けが生まれています。協調戦略ではなく、それぞれの強みと狙いに応じた市場選択です。
野村Laser Digitalも日本参入準備
野村證券グループのLaser Digitalが日本での仮想通貨取引業ライセンス取得に向けて準備中(Bloomberg 10月3日報道)。
Laser Digitalの狙い
- 機関投資家向け仮想通貨取引サービス提供
- 国内機関投資家の仮想通貨アクセス改善
- 日本市場の拡大に貢献
JPYステーブルコインの課題と可能性
現在のステーブルコイン市場は米ドル連動型が圧倒的で、USDT(テザー)とUSDC(サークル)だけで市場の9割以上を占めています。しかし、日本円は世界第3位の取引通貨であり、アジア地域での決済・貿易で重要な役割を果たしています。
JPYステーブルコインの勝機
- アジア地域での決済・貿易で重要な役割
- 企業間決済での採用可能性
- 政府・日本銀行の後押し
米ドルが圧倒的な中、JPYステーブルコインがアジア市場でどこまで存在感を示せるかが鍵となります。
👉:合わせて読みたい【仮想通貨】2025年注目のステーブルコイン徹底解説|仕組み・メリット・主要銘柄まとめ

なぜ今?日本企業が一斉に動く3つの理由
理由①:トランプ政権の仮想通貨推進政策
米国での規制環境が劇的に改善したことが最大の理由です。
トランプ政権の主要政策
- GENIUS法の成立:ステーブルコイン発行の連邦統一規制を確立
- SECとリップルの和解:2025年8月に控訴取り下げで完全に決着、XRPの法的地位が明確化
- 「責任ある成長」方針:1月23日の大統領令で仮想通貨推進を明文化
- 日本への投資要請:5,500億ドルの米国投資を日米間で合意
政治レベルでの連携
- エリック・トランプ氏が2025年9月初旬に日本訪問
- Metaplanetの株主総会に出席
- 米日間の仮想通貨連携が加速
理由②:日本国内の税制改革期待+本日10/22 銀行子会社の議論進展
日本企業が海外展開を急ぐもう一つの理由は、国内税制改革への期待と規制緩和の進展です。
税制改革の見通し
項目 | 現行 | 改革案(2026年度を目標) |
---|---|---|
課税方式 | 雑所得(総合課税) | 分離課税 |
税率 | 最大55% | 一律20% |
損益通算 | 不可 | 検討中 |
金融庁が2025年8月に要望書を提出。新首相の高市早苗氏も前向きな姿勢を示しています。
【速報】本日10月22日、金融審議会で重要な議論
金融審議会「第4回 暗号資産制度に関するワーキング・グループ」で規制緩和に向けた議論が進展しました。
議論された主要方針
- 銀行本体:仮想通貨の発行・売買は慎重に検討
- 銀行グループ子会社:発行・売買・仲介・投資運用を認める方向で議論
- 自己ポートフォリオ投資:一定条件下で認める方向
- インサイダー規制:金融商品取引法の枠組みで整備(5年以下の懲役または500万円以下の罰金)
- 法改正スケジュール:2026年の通常国会を目指す
- 規制枠組み:資金決済法→金融商品取引法へ移行
銀行子会社が一般の金融商品取引業者と同等の取扱いを受けることで、3メガバンクのステーブルコイン発行の法的根拠が強化されます。

理由③:先行者利益の確保
米国市場での先行者利益を確保するため、今が勝負のタイミングです。
グローバル市場の現状
- 機関投資家の参入が加速(Bloomberg報道)
- ビットコイン大口保有者がETF経由で資産管理
- 中国企業Webusも3億ドルのXRP戦略準備金を申請
- 日本は前年比120%増の高成長(Chainalysis分析)
日本企業が今動く理由
- 米国・中国企業に市場を奪われるリスク
- 規制整備の波に乗る絶好のタイミング
- ブランド認知・顧客基盤の早期確保
Chainalysisの分析によれば、アジア太平洋地域の仮想通貨市場は2025年に大きく成長しており、特に日本は前年比120%増という高い成長率を記録しています。この波に乗り遅れないためにも、日本企業は今が勝負のタイミングと判断したと見られます。
先行者利益とは?
市場に最初に参入することで得られる競争優位性。ブランド認知、規制当局との関係構築、顧客基盤の確保などが含まれます。
👉:合わせて読みたい【最新ニュース】日本の仮想通貨受取額が120%急増!暗号資産ATMから決済普及まで生活浸透へ
まとめ:日本企業の「海外で攻め、国内で整備」戦略が結実へ
2025年10月、日本企業の仮想通貨グローバル戦略が大きな転換点を迎えています。そして本日10月22日の金融審議会で、銀行子会社の仮想通貨取扱い容認に向けた議論の進展がありました。
3つの追い風
- トランプ政権の仮想通貨推進政策
- 日本の税制・規制改革への期待
- グローバル市場での先行者利益確保
米ドルが圧倒的に支配するステーブルコイン市場において、JPYステーブルコインがどこまで存在感を示せるか — これが日本企業のグローバル戦略の真価が問われる場面です。
金融庁が2026年の通常国会での法改正を目指し、銀行子会社の参入を容認する方向で議論を進めたことで、日本の仮想通貨市場が世界の中心の一つになる道筋が見えてきました。企業の海外展開と国内規制整備が同時進行する今、日本の仮想通貨産業は歴史的な飛躍の瞬間を迎えています。

重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。
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