日本の仮想通貨(暗号資産)市場が2025年6月までの12カ月間で前年比120%の急成長を見せています。この背景にはステーブルコイン登録承認やATM設置計画など、インフラ整備が段階的に進んでいることがあります。アジア太平洋地域で最高成長を記録した日本市場の最新動向と、現実的な普及の課題を解説し、今後の生活の変化についても予想します。

本記事で分かること
- 日本の仮想通貨受取額倍増の背景
- 暗号資産ATMと決済実証の現状
- 今後1年間の現実的な変化予想
日本が仮想通貨受取額120%増でアジア太平洋地域トップに
出典:Chainalysis|APAC Crypto Adoption Accelerates with Distinct National Pathways
ブロックチェーン分析企業チェイナリシスの最新レポートによると、🇯🇵 日本の仮想通貨受取額は2025年6月までの12カ月間で前年比120%増となり、アジア太平洋(APAC)地域の主要5市場の中で最も高い成長率を記録しました。コインテレグラフ
APAC地域における成長率比較
国・地域 | 成長率 | 特徴 |
---|---|---|
🇯🇵 日本 | 120% | 政策転換、生活密着サービス拡大 |
🇮🇩 インドネシア | 103% | 継続的拡張 |
🇰🇷 韓国 | 100% | プロトレーダー主導 |
🇮🇳 インド | 99% | 送金・若年層利用拡大 |
🇻🇳 ベトナム | 55% | 成熟市場 |
XRPが日本市場で高い取引量
チェイナリシスレポートによると、日本円建ての仮想通貨購入において、 XRPが217億ドルの取引量を記録し、
ビットコイン(96億ドル)、
イーサリアム(40億ドル)を大きく上回りました。Chainalysis Asia-Pacific Crypto Adoption 2025
日本でXRPが特に支持されている背景には、2016年に始まったリップル社とSBIホールディングスの提携があり、銀行コンソーシアムを通じた送金分野での実証実験や取引所での積極的な取り扱いによって“実用性”への期待が高まったこと、そして早くから形成された投資家コミュニティの存在が挙げられます。
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暗号資産ATM設置計画が始動!
出典:BITTIMES|COINHUB、日本国内で3,000台の高性能暗号資産ATM展開へ|預入・払出の両方に対応
コインハブが3000台展開計画を発表
2025年9月、日本の暗号資産交換業者COINHUBが、同社が「世界初」と謳う高性能暗号資産ATMネットワークの商用サービスを開始し、最終的に全国3000台の展開を目指すと発表しました。BitTimes
暗号資産ATMとは?
現金で直接ビットコインなどの仮想通貨を売買できる自動販売機。従来の銀行ATMとは異なり、仮想通貨と現金を交換する機能に特化している。
第一段階の設置計画
コインハブは以下6都市に合計25台のATMを設置済みです:
・東京、横浜、名古屋、大阪、岡山、福岡
ATM普及における現実的な課題
⚠️ 利用上の制限要因
暗号資産ATMの普及には以下の課題があります:
課題項目 | 具体的な制限 | 影響 |
---|---|---|
取扱通貨 | 主要通貨(BTC、ETH等)に限定 | 利用者ニーズとのミスマッチ |
取引上限 | マネロン防止のための金額制限 | 大口利用者の利便性低下 |
本人確認(KYC) | 身分証明書の提示が必要 | 手軽さの制約 |
手数料 | 通常の取引所より高い手数料 | コスト面での競争力不足 |

訪日外国人向けサービスも開始
暗号資産交換業者ガイアも、事前登録不要の暗号資産ATM「BTM」サービスを開始。パスポート1枚でビットコインを日本円に交換できるサービスを提供し、インバウンド需要に対応しています。CoinPost
ステーブルコイン決済の実証が段階的にスタート
JPYCが資金移動業登録を取得
2025年8月、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC」が資金移動業者として登録を取得しました。さらに、ナッジ株式会社がクレジットカード「Nudge(ナッジカード)」の利用代金をJPYCで支払うサービスの検討を発表しています。日本経済新聞
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決済普及における現実的なハードル
🚧 店舗導入の課題
ステーブルコイン決済の普及には、以下の実務的な障壁があります:
- システム改修コスト:既存のPOSシステムとの連携に費用と時間が必要
- 店舗側の採算性:決済手数料と導入コストのバランス
- スタッフ教育:新しい決済手段への対応トレーニング
- 顧客の認知度:ステーブルコインを理解している消費者はまだ限定的
- 法的・会計処理:税務処理や帳簿管理の複雑化
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現在の実用化段階
段階 | 内容 | 現在の状況 |
---|---|---|
法的承認 | JPYCの資金移動業登録完了 | ✅ 完了 |
技術実証 | Nudgeカードとの連携テスト | 🔄 進行中 |
限定運用 | 特定加盟店での試験運用 | 📅 準備段階 |
一般利用 | 広範な店舗での利用開始 | ❓ 時期未定 |

日本発ブロックチェーンの社会実装が段階的に進展
Japan Open Chainの登場
日本企業を巻き込む形で日本発のコンソーシアム型ブロックチェーン「Japan Open Chain」(JOC)が2024年12月にローンチされています。これは企業のビジネス利用を前提とした本格的なブロックチェーンプラットフォームです。Coral Capital
メガバンクもステーブルコイン事業の共同検討
2025年4月、SMBCグループがFireblocks、TIS、AvaLabsと共同でステーブルコインの事業化検討を開始したと発表しました。これは日本のメガバンクが本格的にデジタル通貨事業への参入を検討する注目すべき動きです。SMFG DX-link
4社連携の役割分担
企業名 | 役割・強み | 提供価値 |
---|---|---|
SMBCグループ | メガバンクとしての金融基盤 | 規制対応・資金力・顧客基盤 |
Fireblocks | 機関投資家向けデジタル資産インフラ | セキュリティ・カストディ技術 |
TIS | 金融システム構築の専門性 | 既存銀行システムとの連携 |
AvaLabs | Avalancheブロックチェーン開発 | 高速・低コストのブロックチェーン基盤 |
メガバンク参入の意義
🏦 金融業界への影響
SMBCグループのステーブルコイン検討は、以下の意義があります:
- 信頼性の向上:メガバンクの参入により、ステーブルコインの社会的信頼度が向上
- 規制準拠の先例:厳格な銀行規制下でのステーブルコイン運用モデルの構築
- 既存システムとの連携:従来の銀行サービスとブロックチェーン技術の統合研究
- 他行への影響:競合他行のデジタル通貨検討を促進

仮想通貨・Web3関連での今後1年間の現実的な変化予想
2024年後半〜2025年9月まででも急速に変化し続けていますが、今後日本でどのような変化が起こるのでしょうか?
確実性の高い変化(2025年後半〜2026年前半)
✅ 実現可能性が高い変化
- 暗号資産ATMの限定的拡大:主要都市での設置増加(ただし利用は特定用途に限定)
- JPYCの実証実験拡大:限定的な加盟店での試験運用開始
- 企業のブロックチェーン実証:物流・金融での限定的な導入テスト
- デジタル円実証実験継続:日銀パイロット実験の段階的拡大
メガバンクステーブルコインの段階的展開予測
現在はSMBCグループのみの取り組みですが、他のメガバンクも追随する可能性が高いと業界関係者は見ています。特に三菱UFJフィナンシャル・グループは既に「MUFGコイン」での実験実績があり、みずほフィナンシャルグループもブロックチェーン技術への投資を継続していることから、競合他行の動向が注目されます。
時期 | 予想される展開 | 対象範囲 |
---|---|---|
2025年後半 | 実証実験の設計・準備 | 内部検討・システム設計 |
2026年前半 | 限定的なパイロット実験開始 | 特定企業との実証テスト |
2026年後半 | 実証範囲の段階的拡大 | 協力企業・団体の増加 |
2027年以降 | 商用サービス化の検討 | 本格展開の可能性評価 |
仮想通貨・Web3業界普及における課題と制約要因
🚧 現実的な障壁
- 法規制の明確化:税務処理や会計基準の整備が必要
- 技術インフラの整備:既存システムとの互換性確保
- 消費者の理解促進:ステーブルコインに関する教育・啓発
- 事業者の採算性:導入コストと収益のバランス
- セキュリティ対策:サイバー攻撃やシステム障害への対応
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投資家が注目すべき現実的な指標
今後1年間で以下の具体的な指標に注目することが重要です:
- 暗号資産ATM実利用データ:設置数だけでなく実際の利用状況
- JPYC発行残高の推移:実際の流通・利用状況
- 企業実証実験の成果報告:効果測定とコスト分析
- メガバンク実証実験の進捗:具体的なマイルストーン達成状況
- 法規制整備の進展:税制・会計基準の明確化
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まとめ:仮想通貨インフラ整備の現実的な進展
日本の仮想通貨受取額120%増という数字は、暗号資産ATMの設置開始やステーブルコイン登録承認など、仮想通貨インフラの基盤整備が段階的に進んでいることを示しています。
ただし、これらの動きは「実用化の準備段階」であり、一般消費者が日常的に利用できる段階にはまだ時間を要すると考えられます。ATMの利用制限、決済導入のコスト、店舗システムの改修、消費者の認知度向上など、多くの課題を段階的に解決していく必要があります。
特にメガバンクのステーブルコイン参入検討は、金融業界にとって重要な転換点となる可能性がありますが、慎重な実証実験を経て、徐々に実用化されることが予想されます。
アジア太平洋地域で最高成長を記録した日本市場は、現在「仮想通貨インフラ整備元年」とも言える段階にあります。今後の展開においては、技術的な進歩だけでなく、法制度整備、事業採算性、社会受容性など、多角的な観点からの進展を注視することが重要でしょう。

重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の仮想通貨の購入や投資を推奨するものではありません。
仮想通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。投資判断は自己責任で行ってください。
必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう。
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