近年、ブロックチェーン技術とNFTを活用した不動産プロジェクトが世界的に注目を集めています。特に「所有権のデジタル化」や「宿泊・利用権のトークン化」という形で、リアルな不動産にWeb3の革新的な概念が導入されてます。日本でも先進的な事例として注目されているのが「NOT A HOTEL」。今回は、仮想通貨やNFTの初心者でも理解できるよう、NOT A HOTELの仕組みや特徴を分かりやすく解説しつつ、海外の類似プロジェクトとも比較していきます。デジタルの世界と現実の不動産がどのように融合しているのか、その革新的な世界をのぞいてみましょう!

本記事で分かること
- 基礎知識=NFT、トークンって何?
- 日本での実例=NOT A HOTELとは?
- なぜ今、NFT×不動産がアツいのか?
🔰NFTって何?トークンって何?
まずは基本的な用語から整理していきましょう。
NFT(非代替性トークン)とは?
NFTは「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の略で、簡単に言うと「唯一無二のデジタル証明書」です。
- 特徴: ブロックチェーン上に記録され、偽造や複製ができない
- 代替不可能: ビットコインなど他の仮想通貨は同じ価値の別のコインと交換可能ですが、NFTは唯一無二
- 利用例: デジタルアート、ゲームアイテム、音楽の権利、そして... 不動産の権利証明!
👉:合わせて読みたい【仮想通貨】NFTとは何か?初心者向けに超簡単に解説する最新ガイド
トークンとは?
トークンとは、ブロックチェーン上で発行される「価値の単位」です。大きく分けて2種類あります:
- ユーティリティトークン:そのプロジェクト内でのサービス利用や決済に使えるトークン
- ガバナンストークン:プロジェクトの意思決定に参加できる投票権を持つトークン
NOT A HOTELで発行されている「NAC(NOT A HOTEL COIN)」は、ユーティリティとガバナンスの両方の性質を持っています。
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンは、データを「ブロック」と呼ばれる単位で保存し、それを鎖のようにつなげて管理する技術です。一度記録されたデータは改ざんが極めて困難で、透明性が高いという特徴があります。
仮想通貨やNFTはこのブロックチェーン技術を基盤としています。
【日本編】NOT A HOTELとは?
NOT A HOTELの基本概念
NOT A HOTEL(ノット・ア・ホテル)は、日本全国に点在するラグジュアリーな別荘施設を展開している新しい形の宿泊サービスです。一般的なホテルや従来の別荘とは異なり、「所有」と「利用」の概念を革新的に組み合わせています。
基本的な特徴:
・日本各地に高級別荘型施設を展開
・オーナーシップとホテルサービスを融合
・NFTを活用したメンバーシップ制度
・独自の仮想通貨NAC(NOT A HOTEL COIN)の発行
NFTメンバーシップの仕組み
NOT A HOTELでは、NFTを「宿泊権」として活用しています。例えば:
- MEMBERSHIP S:年間1泊の宿泊権(47年間有効)
- MEMBERSHIP Y:年間2連泊の宿泊権(47年間有効)
これらのNFTを保有すると、毎年決まった日数をNOT A HOTELの施設で過ごすことができます。しかも、このNFTは売買可能なので、「使わない年は売る」という選択肢もあります。つまり、「別荘の一部の権利」をNFTとして持ち、それを自分で使うも良し、売るも良しという柔軟な仕組みになっているんです。
NOT A HOTEL COIN(NAC)とは?
NOT A HOTELは、2024年10月31日から12月7日にかけて独自の仮想通貨「NOT A HOTEL COIN(NAC)」のIEO(Initial Exchange Offering)をGMOコインにて実施し、2024年12月10日に目標金額20億円を満額調達したことを発表しました。これは日本国内では過去最大規模のIEOとなりました。
NACは2024年12月13日より取引が開始され、2025年5月30日時点の価格は約925円となっています(IEO時は1,000円/NAC)。
NACの特徴と使い道:
・NOT A HOTELの宿泊施設内でのサービス利用料の支払い
・施設の予約や特別サービスへのアクセス権
・NACを貸し出すことで宿泊権を得られる「レンディング」機能
・将来的にはDAO(分散型自律組織)による意思決定への参加
さらに詳しく
また、2025年5月21日には「THE DOOR」という新しいサービスがリリースされました。これは1万円相当以上のNACを保有している方を対象に、NOT A HOTELの宿泊権を毎月抽選でプレゼント、および先着で販売するNACを活用したサービスです。
IEO(Initial Exchange Offering)とは?
IEOは、仮想通貨取引所を介して新規トークンを販売する資金調達方法です。
ICO(Initial Coin Offering)との違い:
- ICO:プロジェクト側が直接投資家からトークン販売で資金調達
- IEO:仮想通貨取引所が間に入り、審査をした上でトークンを販売
IEOの方が取引所による審査があるため、詐欺リスクが低いと言われています。NOT A HOTELのNACは、GMOコインを通じてIEOが実施されました。
【海外編】NFT×不動産の先進事例
NOT A HOTELは日本の先進事例ですが、海外でも類似したプロジェクトが多数存在します。ここでは特に注目すべき3つのプロジェクトをご紹介します。
1. The Sandbox(サンドボックス)- 仮想土地のパイオニア
The Sandboxは、メタバース(仮想空間)内の「土地(LAND)」をNFTとして売買できるプラットフォームです。
特徴:
・仮想空間内の土地が166,464区画存在(追加発行なし)
・土地の上に建物を建て、ゲームやビジネスを展開可能
・基軸通貨「SAND」トークンによる経済圏の形成
・アディダス、グッチなど有名企業も参入
The Sandboxは物理的な不動産ではなく仮想の土地ですが、NFTによる所有証明と価値の移転という点ではNOT A HOTELと共通しています。実際に高額で取引される区画もあります。
2. Lofty AI - 50ドルから始める不動産投資
Lofty AIは、アメリカの実物不動産を小口に分割してNFT化し、誰でも少額から不動産投資ができるプラットフォームです。
特徴:
・最低50ドル(約7,000円)から不動産投資が可能
・AIが将来価値の高い物件を選定
・所有比率に応じた家賃収入の分配
・ブロックチェーン(アルゴランド)上でトークン化された所有証明
例えば、20万ドルの物件を4,000トークンに分割し、1トークン50ドルで販売。購入者は保有トークン数に応じて家賃収入を毎日受け取れる仕組みです。
3. Staynex - 宿泊権のNFT化
Staynexは、世界中のホテルやリゾート施設の宿泊権をNFT化して提供するプラットフォームです。
特徴:
・ホテルやリゾート施設の宿泊権をNFT化
・使わない宿泊権はマーケットプレイスで売買可能
・スポーツクラブ(アーセナルFCなど)との提携実績
・宿泊だけでなく、イベント参加権なども提供
Staynexは、NOT A HOTELと似た「宿泊権のNFT化」という概念を持っていますが、特定の施設に限定せず、様々なホテルと提携している点が異なります。
不動産×NFTのメリット比較
各プロジェクトの特徴を比較してみましょう:
プロジェクト | 所有対象 | 投資要素 | NFTの使い道 | リアル連携 |
---|---|---|---|---|
NOT A HOTEL | 別荘宿泊権 | NAC(IEO) | 宿泊権、売買 | 日本各地の施設 |
Lofty AI | 不動産1%単位 | 家賃収入 | 所有権NFT | 米国の実物件 |
Staynex | 宿泊権(年間数日) | トークン+NFT | 宿泊、売買 | 世界中のホテル |
The Sandbox | 仮想土地 | SAND(仮想通貨) | 土地NFT | デジタルのみ |
【深掘り】DAO(分散型自律組織)とは?
NOT A HOTELの将来構想として「DAO」が挙げられていますが、これはどういう概念なのでしょうか?
DAOの基本概念
DAO(Decentralized Autonomous Organization)は、「分散型自律組織」と訳され、中央管理者がいない新しい組織形態です。
特徴:
・ブロックチェーン上のスマートコントラクト(自動執行プログラム)で運営
・トークン保有者による投票で意思決定
・運営の透明性が高い
・国境を超えた組織運営が可能
NOT A HOTEL DAOの現状と将来構想
重要な点として、現在の「NOT A HOTEL DAO株式会社」は会社法上の通常の株式会社であり、名称に「DAO」を含むものの、現時点では分散型自律組織ではありません。今後、法整備が整い次第、分散型自律組織への移行を検討しているとしています。
将来的に、NACトークン保有者がDAOを通じて以下のような決定に参加できる可能性があります:
- 新しい施設の建設場所やデザイン
- サービス内容の拡充や変更
- 運営方針や収益分配の方法
DAOによって、利用者がただのお客さんではなく、プロジェクトの「共同オーナー」として参画できるようになるというビジョンがあります。
なぜ今、NFT×不動産がアツいのか?
NFTと不動産を組み合わせるプロジェクトが注目される理由は主に3つあります:
1. 流動性の向上
伝統的な不動産投資では、物件の売買に多大な時間とコストがかかります。NFT化することで、不動産の権利を小口化し、流動性を高められます。
2. 参入障壁の低下
一般的な別荘やリゾート物件は数千万〜数億円しますが、NFT化により少額から「所有」の体験ができるようになります。
3. 新しいライフスタイルの創出
「所有」と「利用」の概念を分離することで、「必要な時だけ使う」「使わない時は誰かに貸す」といった柔軟なライフスタイルが可能になります。
【実践編】NFT不動産への参加方法
NOT A HOTELに参加するには?
- NFT購入: Coincheck NFTなどのマーケットプレイスでNOT A HOTEL NFTを購入
- NAC取得: GMOコインなどの取引所でNACを購入
- 宿泊予約: NFTに割り当てられた日程で宿泊を楽しむ
- 「THE DOOR」参加: 1万円相当以上のNACを保有して抽選や先着販売の宿泊権サービスを利用
The Sandboxに参加するには?
- ウォレット準備: MetaMaskなどのイーサリアム対応ウォレットを用意
- SANDトークン購入: 主に海外取引所(Bybit、MEXC、Bitgetなど)で取引可能。国内では一部取引所でも取扱あり
- LAND購入: The Sandboxマーケットプレイスでランドを購入
SANDはイーサリアム上のERC-20トークンであるため、主要な国際取引所で広く取引されています。流動性も比較的高く、メタバース関連の仮想通貨としては知名度が高いトークンの一つです。
Lofty AIに参加するには?
- アカウント開設: Lofty.aiでアカウントを作成
- 本人確認: KYC(本人確認)プロセスを完了
- 投資開始: 気に入った物件に50ドルから投資
【注意点】NFT不動産投資のリスク
魅力的なNFT不動産ですが、以下のようなリスクも理解しておきましょう:
- 価格変動リスク: NFTや仮想通貨の価格は大きく変動する可能性がある
- 法的不確実性: 新しい分野のため、法規制が追いついていない部分がある
- プラットフォームリスク: 運営会社の倒産やプロジェクトの中止のリスク
- 流動性リスク: 売りたい時に買い手がいない可能性
【用語解説】Web3×不動産の重要キーワード
最後に、この記事で出てきた重要な用語をおさらいしておきましょう。
用語 | 意味 |
---|---|
NFT | Non-Fungible Token(非代替性トークン)。唯一無二のデジタル資産 |
ブロックチェーン | 分散型台帳技術。データを改ざん困難な形で記録 |
トークン | ブロックチェーン上で発行される価値の単位 |
IEO | Initial Exchange Offering。取引所を通じたトークン販売 |
DAO | Decentralized Autonomous Organization。分散型自律組織 |
メタバース | 3次元の仮想空間。デジタル世界での活動場所 |
ウォレット | 仮想通貨やNFTを保管するデジタル財布 |
ココに注意
※この記事は投資アドバイスではありません。仮想通貨やNFTへの投資は自己責任でお願いします。
※掲載している情報は2025年5月30日時点のものです。最新情報は各プロジェクトの公式サイトでご確認ください。
まとめ:Web3不動産の未来
NFTやトークンを活用した不動産の所有・体験モデルは、今後ますます広がっていくでしょう。NOT A HOTELのような日本発のプロジェクトが世界に展開する可能性も十分にあります✨
この新しい不動産の形は、テクノロジーの進化によって「所有」の概念自体を変えようとしています。従来の「すべてを所有するか、何も所有しないか」という二択ではなく、「必要な分だけ所有し、使わない時は他者と共有する」という柔軟な形が可能になっているのです。

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