
「Ledgerで大量の盗難」ってニュースを見たけど、私のビットコインも危ないの…?
犯人が狙ったのは、Ledgerの金庫ではなく「画面」でした。分解された端末では、画面の真下に、本物にはない「追加の基板」が隠されていました。設定の時に画面に出る24個の単語をこっそり読み取り、携帯電話の回線で犯人に送る仕組みとみられています。
大事な部分を守る本物のチップには手を付けないので、公式アプリの「本物チェック」も通ってしまうのが怖いところです。流出した可能性があるのは約8,600万ドル(約136億円)。
被害の報告は東南アジアの販売店「CryptoBilis」から買った端末に集まっていますが、日本のAmazonで買われた端末からも同じような基板が見つかったと報告されています。
本記事で分かること
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Ledgerの24個の単語は、どうやって盗まれたの?
-
日本で買った私のウォレットも危ない?
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自分の端末が大丈夫か、どこを見ればいい?

この記事はLedger公式の発表、Tibane Labsの分解写真、CoinDesk・The Block・Gizmodoなどの報道をもとに、初心者向けにまとめています。内容は日本時間10月10日12時時点のものです。
Ledgerで約136億円が流出した疑い!被害は「1つの販売店」から買った人に集中
「Ledgerってコールドウォレットだから安全なウォレットじゃなかったの?」と驚いていませんか?

Ledgerは、暗号通貨を自分の手元で守るためのUSBメモリのような小さな端末です。世界で700万台以上が売れている、いちばん有名なハードウェアウォレットのひとつです。
そのLedgerが10月9日、販売店「CryptoBilis」から買った人の資金がなくなっているという報告を受けて、調査を始めたと発表しました。CryptoBilisは、インドネシア・マレーシア・フィリピンでLedgerを売っていた正規の販売店です。
| 項目 | 分かっていること |
|---|---|
| 発表 | 10月9日、Ledgerが調査中と発表 |
| 被害の報告 | CryptoBilisで買った人に集中 |
| 流出した可能性 | 約8,600万ドル(Ledgerは未確認) |
| Ledgerの対応 | CryptoBilisに販売と発送の停止を要請 |
| 原因 | 調査中(まだ分かっていない) |
※Ledger公式X、CoinDesk、The Blockをもとに作成。日本時間10月10日12時時点
金額はブロックチェーンの調査をしている人たちの推計です。調査会社Bitqueryは、311個のウォレットから約9,300万ドルが抜かれたと見ています。ただし、Ledger自身は被害額をまだ認めていません。
Ledgerのサポート窓口も、この販売店で買った人に向けて公式Xで注意を呼びかけています。
We recommend Ledger users who purchased from this reseller in the last 90 days to not initiate set up if you have not done so yet.
— Ledger Support (@Ledger_Support) October 9, 2026
「この販売店で90日以内に買った人は、まだ設定していないなら設定を始めないでください」。すでに設定した人には、新しい端末と新しい24個の単語に資金を移すことを考えてください。
こんな方におすすめ
- Ledgerなどのハードウェアウォレットを持っている方
- これからウォレットを買おうか迷っている方
- ネット通販やフリマで、安いウォレットを見つけた方
ポイント
今回、特に気になるのが端末が改造されたタイミングと、その経路です。
考えられるのは、製造段階で部品が仕込まれた可能性、工場から販売店へ届くまでの輸送中に改造された可能性、そして販売店での保管・販売段階で細工された可能性です。
特定の販売店で被害報告が集中している以上、製造・流通・販売のどの段階で不正が行われたのかは、重要な調査ポイントになります。
ただし、現時点では改造された場所も、関与した人物も特定されていません。販売店の従業員や製造関係者が犯行に関わったと断定できる証拠もありません。
犯人の手口が判明?画面の下の「スパイ基板」が24個の単語を盗み見していた

カギは、設定の時に画面に出る24個の英単語です。この単語はあなたの暗号通貨を開ける「金庫の合言葉」。誰かに知られたら、端末がなくても中身を持ち出されてしまいます。
元Mt.Gox社長のマルク・カルプレス氏は10月9日、マレーシアから届いたLedger Nano Xを分解し、中に隠された部品を見つけたとXに写真を投稿しました。研究者グループのTibane Labsも、分解写真を公開しています。
Ledger Nano Xの中身:画面を外すと見えてくるもの
①画面が付いたまま:中はごく普通に見え、一見すると問題はなさそうです。
②画面を外すと:本物の基板の上に、段差のある「追加の基板」が重ねて載っています。
③追加の基板に並ぶ3つの部品:左からeSIM(スマホのSIMカードと同じ役割のチップ)、Nordic社の通信モジュール「nRF9151」(携帯電話の回線で通信する部品)、マイコン(小さなコンピューター)。eSIMとマイコンは、表面が削られて型番が読めないようにされていました。
④電波を飛ばす配線:上の端に黒いアンテナ線が走り、アンテナをつなぐ小さな端子も見えます。
※Tibane Labsの記事の写真と、利用者による分解写真をもとに整理。端末の世代や作られた時期によって、見た目や部品の並びが違う場合があります。
では、この基板は何をしていたのか。カルプレス氏の説明と、セキュリティ会社SlowMistのパートナー「23pds」氏の分析をまとめると、流れはこうです。
| 順番 | 端末の中で起きていたこと |
|---|---|
| ① | 本物のチップが24個の単語を作る |
| ② | 単語が画面に1つずつ表示される |
| ③ | マイコンが画面への信号を盗み読み |
| ④ | 設定が終わると携帯回線で犯人へ送る |
| ⑤ | 犯人が好きな時に資産を移す |
※カルプレス氏の投稿、SlowMist・23pds氏の分析(BlockTempo、Gizmodo、TokenPost)をもとに作成
ポイントは③です。マイコンは、画面に文字を送る線に直接つながれていて、Ledgerの文字の形を読み取り、設定画面に出た単語をそのまま文字として記録していたとみられています。
しかも、秘密を守る本物のチップには一切触らないので、公式アプリの「本物チェック」は通ってしまいます。Ledger自身も、本物チェックでは中に埋め込まれた部品までは見つけられないと公式サイトに書いています。
カルプレス氏の端末は、日本のAmazonで海外の出品者から買い、マレーシアから届いたものでした。値段は相場の半額ほどで、外の包装には傷ひとつなかったといいます。
「スパイ部品が入った私のLedgerはマレーシアから届き、シュリンク包装は完璧だった」
▲マルク・カルプレス氏のXへの投稿(日本語訳)
ただし、カルプレス氏の端末がCryptoBilisから来た証拠はありません。Ledgerは「抜かれた資金は、CryptoBilisという販売店を通じて売られた端末に限られると考えている」「Ledgerのシステムが破られた形跡はない」と発表しています。手口は分析した人たちの見立てで、Ledgerの最終的な調査結果はまだ出ていません。
ついに手口が見えてきました。犯人は、Ledgerの中に「携帯電話の通信部品」を仕込み、24個の単語を丸ごと盗んでいたのです。
元Mt.Gox社長のマルク・カルプレス氏が、マレーシアから届いたLedger Nano Xを分解したところ、中からスパイ用の基板が出てきました。外の包装は無傷で、見た目も動きもまったく普通。それなのに内部には、マイコン・携帯回線の通信モジュール・アンテナ・eSIMが追加されていました。本物のチップから画面へ送られる信号を盗み聞きし、画面に出た単語を読み取る仕組みです。
初めて設定する時、画面には24個の単語が1つずつ表示されます。仕込まれた部品はそれを記録し、携帯電話の回線でこっそり犯人に送っていたのです。「秘密の鍵は一度もネットにつながっていない」と思っていても、実は財布の中に単語を盗むためだけの小さな通信機が隠れていたことになります。
いちばん怖いのは、この改造品がLedger公式の「本物チェック」を通ってしまう可能性があることです(Ledger公式の本物チェックの案内)。本物のチップはそのままで、犯人は盗み聞きの装置を足しているだけだからです。Ledger自身も、本物チェックでは中に埋め込まれた部品までは見つけられないと認めています。
包装は未開封、チップは本物、公式アプリのチェックも合格。この3つがそろっていても、被害にあう可能性はあるのです。
Ledgerの調査で原因がはっきりしたら、インスタグラムでもすぐにお知らせします。
今すぐ確認!あなたのLedgerがスパイ端末か見分ける4つのチェック
「私のLedgerは大丈夫?」と不安な方は、次の順番で確かめてみてください👇
スパイ端末を避けるチェック
- どこで買った? Ledger公式サイトか、公式が認めた販売店か
- 通販なら販売元は? 同じ商品ページでも、海外の出品者や海外発送になっていないか
- 値段は? 相場より極端に安くなかったか
- 箱の中身は? 24個の単語が書かれた紙や、最初から設定されたPINがなかったか
1つでも当てはまったら、その端末にはお金を入れず、公式サイトで買い直すのがいちばん確実です。本物チェックが通っても、今回の手口は防げません。
自分で中を開けて確かめる人も出てきています。分解した時は、画面の下に次のようなものがないかを見ます。
| 画面を外した時の見分け方 | スパイ端末のサイン |
|---|---|
| 部品の並び | eSIM・nRF9151・マイコンの3つが並ぶ |
| 配線 | 黒いアンテナ線が上の端を走る |
| 端子 | アンテナをつなぐ小さな端子がある |
| チップの表面 | 削られて型番が読めない |
| 基板 | 本物の基板の上に段差のある基板が載る |
※Tibane Labsの分解写真をもとに作成。世代や改訂によって見た目が違う場合があります
ただし、分解すると保証が受けられなくなったり、端末が壊れたりするおそれがあります。出どころが怪しい端末なら、開けて確かめるより、使わずに公式で買い直す方が安全です。
もう1つ、Ledgerの始め方を検索すると、公式そっくりの名前を使った公式以外のサイトがいくつも出てきます(10月10日に確認)。Ledgerは「24個の単語をパソコンやスマホ、サイトに入力させるものは詐欺」とはっきり書いています。
| あなたの状況 | やること |
|---|---|
| CryptoBilisで買って未設定 | 設定を始めない |
| CryptoBilisで買って設定済み | 公式の新しい端末・新しい単語へ移す |
| 出どころが怪しい端末を使用中 | 単語は盗まれた前提で移す |
| 公式サイトで買った | 今回の報告の範囲外とみられる |
※Ledger公式Xと公式サイトの案内をもとに作成。日本時間10月10日時点
ネット上の偽画面で24個の単語を盗む手口は、以前からあります。こちらの記事で、だまされやすい画面の見分け方を確かめておきましょう。
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実は、資産を安全に保管することと、トレードを学ぶことは別の話です。今回の事件を機に、まずは自分のお金を動かさず、プロの売買を観察する方法も知っておきましょう。
| サービス | できること |
|---|---|
| Hyperliquid | 公開された大口トレーダーの売買を確認 |
| 億トレニキ監視クラブ | 約45,000口座を分析し、注目トレーダーの売買をDiscordで通知 |
ハッキングが怖いからといって、焦って資産を移す必要はありません。まずは守り方を見直し、売買は観察から始めるのも一つの方法です。
「自分のお金を動かす前に、上手な人の売買を真似してみたい」という方は、億トレニキ監視クラブをチェックしてみてください。
※売買の観察は資産の安全性を保証しません。実際の取引には損失リスクがあります。
まとめ——ニュースに振り回されないための3つの軸
- 「ブランド」より「どこから来た端末か」を見る。中身をすり替えるのは、工場から手元に届くまでの途中です。公式か公式が認めた販売店で買い、通販では販売元と発送元まで確かめます。
- 「本物チェックが通った」だけで安心しない。今回の手口は、本物のチップをそのままにして画面だけを盗み見します。出どころが怪しい端末は、チェックが通っても使いません。
- 値段が動かないニュースでも、自分の財布は別に点検する。今回、ビットコインの値段はほぼ無反応でした。相場が静かでも、自分の保管方法に関係するニュースはその日のうちに確かめます。
Ledgerの最終的な調査結果が出るまでは、「どこから来た端末か」を確かめておくだけで、慌てずに続報を待てます。
重要な投資リスク警告
本記事は情報提供を目的としており、特定の暗号通貨の購入や投資を推奨するものではありません。
暗号通貨は価格変動が大きく、元本割れのリスクもあります。投資判断は自己責任で行ってください。
必ず信頼できる情報源を元にし、自分自身で十分なリサーチを行いましょう。
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